USB Type-Cとは?特徴や用途をサクッと解説

パソコン、スマホでおなじみ「USB」。最近は「Type-C」に対応するパソコンなども増えました。今後メジャーになるといわれるType-Cで何ができるのか、サクッと解説します。

最近のスマホやパソコンは「USB Type-C」に対応している機種が増えてきました。USB Type-Cとは、充電やデータ転送に使うケーブルの端子の「かたち」のひとつです。今後のスマホや多くのデジタル機器で、端子のかたちがType-Cに統一されていくと見られています。

この記事では、USB Type-C規格がどのようなものなのか紹介します。

Type-Cで何が便利に?

ウラオモテを気にせず差し込める

パソコンでUSBメモリなどを装着するときに、逆さに挿そうとしてしまって苦労してしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。

 

USB Type-C端子の改良点のひとつは、端子のウラオモテを気にせず挿せるようになったこと。Type-C端子は1種類のみで、上下の区別がないため、 とりあえず挿してしまえば通信できます。

ケーブル端子には通信に使うための接点がいくつか備わっていますが、USB Type-Cでは端子の表裏両面に同じ役割の通信を果たす接点を配置して、差し込まれた向きに関わらず通信できるようになっています。

両方Type-Cのケーブルなら方向も気にしなくていい

最近では、USB Type-C端子を備えたパソコンも、ノートパソコンを中心に増えてきました。パソコンとスマホの両方がUSB Type-C端子なら、「両方の端がType-C端子」のUSB ケーブルを使えます。

この“両方Type-C”のケーブルが便利なところも「方向を気にせず、挿すだけで使える」ことです。たとえば、パソコンとスマホをつなぐと、「パソコンからスマホを充電する」と充電の方向を自動で判別して、充電開始してくれます。両端の端子が同じかたちでも、こちらの端子がパソコン側、こちらの端子がスマホ側、といちいち考える必要がないというわけです。

いろんな用途で使えます

USB 2.0とUSB 3.0系列の違いは速さ

USB Type-C端子の特長の一つは、「いろいろな用途で使える」ということ。同じ形の端子を使いつつ、できることが違うケーブルも存在します。

もっとも見かけるのは、「USB 2.0」と「USB 3.0(または3.1/3.2)」と書かれたケーブルです。

USB 2.0とUSB 3.0系列の違いは、通信のスピードです。USB 2.0は480Mbps、USB 3.1は10Gbpsと、およそ20倍の速さがでます。スマホで撮った高画質な写真を1枚2メガバイトとすると、USB 2.0は1秒間に最大240枚、3.1では最大5000枚のやりとりができることになります(実際の写真転送ではもう少し時間がかかります)。

たとえば、スマホでとった動画をパソコンに移す操作をすぐに終わらせたいときには、USB 3.0系列のケーブルを用意すると良いでしょう。

ただし、USB 3.0系列の高速な通信は、スマホとパソコンの両方がUSB 3.0系列に対応していないと使えません。格安スマホの中にはUSB 3.0では使えないものもあるため、注意が必要です(ただし、USB 3.0ケーブルを使ってUSB 2.0の速度で通信することは可能です)。

USBには、認証制度があります。規格に沿っていて安全に使えるケーブルかどうかを「USB IF」の基準で審査する仕組みです。USB Type-CのUSBケーブルをお店で選ぶ時に「種類が多すぎて分からない!」という人は、認証済みUSBケーブルを選ぶのをオススメします。

USB PD対応なら充電も速い

USBケーブルはデータ通信以外にも、スマホの充電ケーブルとしてもお馴染みの存在になりました。USB Type-C規格の登場にあわせて、より大容量な充電ができるような規格「USB PD」が利用できるようになりました。

 

▲USB本来のデータ通信ができるだけでなく、ノートパソコンのような機器にも充電できます

USB PDに対応している機器なら、ノートパソコンのような機器も専用のAC充電器アダプターを使わず充電できます。

USB PD対応のUSB AC充電器、スマホなど対応機器、そしてPD対応のType-C ケーブルを揃えると急速充電を利用できます。

USB Type-C端子だけど「USBじゃないケーブル」も存在する

USB Type-Cのユニークなところは、「USB以外の通信」でも使えるように設計されているところです。たとえばパソコンが出力した映像をモニターで写すための通信も、USB Type-C端子を通じて行うことができます。この仕組みを「Alt-mode」(代替モード)といいます。Alt-modeのケーブルは、それぞれの対応機器でのみその実力を発揮します。Thunderbolt Alt mode ケーブルのようにUSB規格の通信ができるものも存在します。

【Alt-modeのケーブルの例】

・HDMI Alt mode ── HDMIは主にテレビで使われている映像用ケーブルの規格。スマホとテレビをつないで、動画配信の映像を表示するといった用途があります。

・Displayport Alt mode ── パソコンでメジャーな映像用ケーブルの規格。パソコンとケーブル1本でつなぐだけで使える持ち運び用ディスプレイなどで採用されています。

・Thunderbolt Alt mode ── アップル社のパソコンMacシリーズなどで使われている規格。USB 2.0/3.0の通信もできますが、Thunderboltの機器同士(Macと外付けハードディスクなど)で使うと、USB 3.1よりも更に高速な通信ができます。ディスプレイに繋げるDisplayportの機能も備えている高性能なケーブルですが、ネックは価格の高さです。

USB Type-Cとは……をまとめると

USB Type-Cとは、ウラオモテを間違わない便利な端子。用途がいろいろあるので、購入時は注意が必要といえます。

USB Type-Cは今後普及が進むと見られる新しいケーブルのかたちです。挿すときはウラオモテを間違えないだけでなく、パソコンでもスマホでも広く使えるのも便利なポイントです。今後は家電にもType-端子が搭載されていくかもしれません。

一方で、同じ端子のケーブルなのに性能が違う場合もあるというのがUSB Type-Cの難しいところ。ケーブルを選ぶときには、何に使うケーブルなのか、使う機器はどういった種類の通信に対応しているのかを確認しながら選ぶと良いでしょう。

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石井徹(いしいとおる)

スマホにハマり100台以上購入。携帯電話専門のニュースサイトで記者を経験後フリーランスに。鉄道旅行好きで全国踏破が目標(残り2県)。ときどき料理男子。