出火して火事になる危険性があることから、昔からNGとされてきたタコ足配線。最近はスマホにタブレット、スピーカーに扇風機など、一つのタップにたくさんのUSB電源が当たり前という人も多いのでは。
しかし、タコ足配線をする場合にはいくつかの点に注意しないと、発火の原因になることがあります。そこで今回は、安全にタコ足配線を行う方法とおすすめ電源タップを紹介します。
電源タップをタコ足するときの注意点
タコ足配線をするときに知っておきたい、電源タップの基礎知識を解説します。
電源タップには限界容量がある
日本の一般家庭では、電気機器の電力定格容量が1,500wまでと規定されているため、電源タップも1,500wが電力の限界容量です。つまり、電源タップでタコ足配線を行う場合には、すべての電気機器の電力の合計が1,500w以下でなければいけません。
例えば、1,000wの電子レンジを使用しているときは、残り500wしか利用できないということです。1,500wの電子機器を使用している場合には、それだけしか使用できません。電力の合計が1,500wを超えると発熱し、発火の原因になる場合があるのです。
したがって、5口の電源タップに5個のコンセントがささっていても、すべての電気機器の電力合計が1,500w以下であれば、タコ足配線でも問題ないということです。重要なのは、あくまでも1,500wを超えないことであり、コンセントの数ではないという点を覚えておきましょう。
電源タップ+電源タップはどうなる?
電源タップに別の電源タップをタコ足配線を行うケースもよくあると思いますが、新たに電源タップを追加しても「1,500w+1,500w」で3,000wまでOKとはなりません。1つの電源タップにつながっている電子機器の電力の合計は、あくまでも1,500wまでだからです。
また、コンセントにつないだ1,200wの電源タップに1,500wの電源タップをタコ足配線を行った場合には、1,200wまでしか利用できません。よって、タコ足配線を行う際には、コンセント側の電源タップの限界容量を知っておくことが大切です。
壁の2口コンセントも要注意
壁の2口コンセントにそれぞれ電源タップをさしているときには、それぞれ1,500wずつの合計3,000wまで使用可能だと思いこみがちですが、そうではない場合があります。なぜなら、2つに分かれているように見えても、裏側で同じ回路になっている可能性があるからです。
また、同じ部屋や隣の部屋が同一回路になっている場合もあります。そのため、コンセントごとに1,500wまで利用できない可能性もあるでしょう。つまり、1つのコンセントにつないである電源タップの電力が1,500wの場合は、もう1つのコンセントに何もさせないことがあるということです。
配電盤のブレーカーを落として、どことどこのコンセントが同じ回路になっているか確かめ、自宅の電源の限界容量がどの程度なのか調べておくと安心です。
タコ足配線に関するその他注意点
タコ足配線をする際、電力に注意する以外にも、コードの捻じれやホコリなどが発火の原因になる可能性があるため注意しましょう。タコ足配線を行う際には、たくさんのコードが乱立するため、捻じれたコードが破損して中の配線が露出することがあり、発熱や発火の原因になる場合があります。
一方、タコ足配線をしている電源タップをTVや棚などの下部や背面に設置すると、たくさんのホコリが溜まり、それが発火して火事の原因になる点もリスクといえるでしょう。
そのため、タコ足配線を行う際には、それぞれのケーブルの状態やホコリやゴミの溜まり具合などにも気を配っておかなくてはいけません。
おすすめ電源タップ
最近は、コンセントだけでなくUSBもさせるタイプの電源タップや、角度を自由に変えられさしやすいものもあります。おすすめの電源タップを3つ紹介するので、タコ足配線をしている人はこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。
サンワサプライ 電源タップ 10個口
小型でありながら、10口のコンセントがさせるマグネット付きの電源タップです。タブレットの充電器などはサイズが大きく隣のコンセントと重なるケースもありますが、角度が変えられるこの商品なら安心でしょう。
また、電力の限界容量を超えた際には内蔵されているブレーカーが自動で落ちるので、発火の抑制にもつながります。
サンワダイレクト 電源タップ 回転式 1.8m 6個口 USB2ポート付
▲サンワダイレクト 電源タップ 回転式 1.8m 6個口 USB2ポート付
各コンセントがそれぞれ回転できるタイプの電源タップです。3方向に角度が変えられるため、タコ足配線時の「隣にさせない……」といったリスクを減らせるでしょう。また、USBの充電器も2つあるので、スマホやタブレットなどの充電に重宝します。
コンセントは45度回転させることで、シャッターが作動するためゴミやホコリの侵入を防ぎ発熱や発火のリスクを抑制できるでしょう。さらに、こちらもブレーカー内蔵なので電力の限界容量を超えても安心です。
Ulily 電源タップ AC6個口+USB6ポート
3口タイプのコンセントとUSB充電器がそれぞれ6個ついた電源タップです。スマホやタブレット、スピーカー、扇風機など、たくさんのUSB機器をタコ足配線している人にはうれしいところでしょう。コンパクトながら合計12口のタコ足配線が可能です。
また、スマート充電機能により、電力が満タンになったときには自動で充電を停止します。さらに、ブレーカーも搭載しており、タコ足配線による電力オーバー時も安心です。万が一発熱した場合でも、難燃性最高ランクの防火素材を採用しているため、発火のリスクを最小限に抑えられます。
容量を守って正しいタコ足を!
1つの電源タップにたくさんのコンセントがささっているタコ足配線でも、1,500wを超えない範囲の電力であれば問題なく利用できます。タコ足配線は見た目の派手さではなく、あくまでも電力の限界容量を超えないことが大切だということを覚えておきましょう。