冷凍食材の解凍って、けっこう厄介だよね? 肉や魚介類は常温で解凍したらドリップが出ちゃうし、電子レンジの解凍モードでは部分的に火が通っちゃったり。かといって、冷蔵庫で解凍するのは時間がかかりすぎて、当日の解凍では間に合わないことも……。
そんなことに頭を悩ましていたら、インターネットで「コレはっ!」という冷凍食材の解凍方法を発見。ナント、生食用冷凍ホタテを生ホタテのようにプリップリに解凍する方法があるというのだ!
貝類好きのボクにとっては、神のお告げのようなこの解凍方法を見過ごすわけにはいかない! というわけで、さっそく冷凍ホタテを買ってきて、その解凍方法がどれほどスゴいかを実証してみることにした。
夏が旬のイメージがあるホタテだけれど、冬の時期も旬になるので、食べるならよりおいしくいただきたいからね!
「流水解凍」と「塩氷解凍」を比較してみた
購入してきたのは、一般的な貝柱だけの冷凍ホタテ。これを2種類の方法で解凍してみる。ひとつは、冷凍食材を時短で解凍するときによく使われる「流水解凍」。けっこう早く解凍できるわりに、味を損なわないので重宝する方法だ。
そしてもうひとつが、今回とっても期待している「塩氷解凍」(と勝手に命名!)。ボウルに氷を入れて塩を振り、そこに冷凍ホタテをそのまま突っ込んでしまうという、大胆な方法だ。
それではさっそく、ふたつの解凍方法のどちらがおいしく解凍できるのかを比較してみよう!
まずは「塩氷解凍」を開始!
冷蔵庫で解凍するほどは時間がかからないけれど、流水解凍よりは時間がかかる方法だというので、まずは「塩氷解凍」から始めていくことにしよう。
まずボウルに氷を入れる。分量はホタテがきちんと氷に埋まるほど。
そこに小さじ1杯ほどの塩を振りかける。
そして冷凍ホタテを投入! 軽くかき混ぜてホタテが氷に埋まるようにする。
そしてラップをして、常温で解凍する。神のお告げによると、2~5時間ほどで解凍できるそうだ。
というわけで、解凍具合を1時間ごとに見ることにする。
続いては定番の「流水解凍」!
定番の「流水解凍」は、ビニール袋に冷凍ホタテを入れ、水を張ったボウルに入れて解凍。水道から少しずつ水を垂らしながら行う。
こちらの解凍時間は、10~30分ということなので、15分に1度、様子を見ることにしてみる。
解凍後のホタテを比べてみよう!
室温約22℃で解凍を開始してから約3時間30分で「塩氷解凍」の解凍が完了。解凍するころには氷の大半が溶け、氷水状態になっていた。そして「流水解凍」は約30分で完了。
では、解凍したホタテをそれぞれ比べてみよう! 写真の右側が「塩氷解凍」のホタテ、左側が「流水解凍」のホタテ。見た目も触感も、心なしか「塩氷解凍」のほうが身が締まっている感じがする。
これをスライスしてお皿に盛り付けてみた。上が「流水解凍」で、下が「塩氷解凍」。こうなると、見た目にはあまり違いはないかな? ただ包丁で切っているときの感覚は「流水解凍」のほうが、身が柔らかい感じだった。
娘と一緒にいざ実食!
見た目や触感ではなんとなくの違いを感じたけれど、重要なのは味わい。果たして味に違いが出るのか、さっそく食べてみることにしよう。
と思ったら、何も知らない7歳娘が顔を出したので、食べ比べてもらうことにした。検証内容がわかっているボクが食べるより、何も知らない娘のほうがフィルターのかかっていない正直な感想が聞けそうなので。
というわけで娘、実食!
ひと口目は「流水解凍」から。「ん~、フワフワしてて、柔らかくておいしい~!」。おお「流水解凍」でいい反応。もしかしたら、味に大きな違いはないのでは……。
そして、ふた口目の「塩氷解凍」。「あっ、こっちはプリプリしてる! こっちのほうがおいしい!!」。出ました、おいしい~!
このあとボクも実際に食べてみると、娘の言っていることがよくわかった。「流水解凍」もおいしいんだけれど「塩氷解凍」に比べて食感が柔らかくて、プリッとした歯触りも弱い。食べ比べるとやはり「塩氷解凍」のほうがプリッとした食感が楽しめた。
ちなみにホタテは、切り方によっても食感が変わってくるって、知ってた? 写真の左のように繊維を切るように横方向にスライスすると、触感が柔らかくとろける感じ。繊維のなかにあるウマ味が直接舌に触れるので、味もダイレクトに伝わる切り方だ。
写真の右側は、繊維に沿って縦方向に包丁を入れる切り方。歯で繊維を切るようになるので食感がプリプリとしていて、噛むほどに味が濃くなる切り方。
解凍方法を変えて、さらに切り方も変えると、今まで食べていたホタテの刺身が、また違った食べ物になるかも? ぜひお試しあれ!