Microsoft PowerPoint(以下、パワポ)で動画が作れることはあまり知られていません。たとえば動画をパワポに挿入し、アニメーション機能で解説(キャプション)を加えると、動画ソフトを使うことなく操作説明動画が作れます。
今回は、パワポのアニメーション機能を使った、スライドショーで再生する操作説明動画の作り方を紹介するのでぜひマスターしてください。
動画をパワポに取り込む
まずは、操作説明を行う動画を準備しましょう。今回はiPhoneの画面録画機能で「Googleレンズ」の使い方を撮影した動画を準備しました。
iPhoneの画面右上から下にスワイプして(ホームボタンのあるiPhoneでは下から上にスワイプ)コントロールセンターの画面を表示し、右下にある丸いボタンをタップします。すると、3秒後に画面の録画がスタートします。動画はiPhoneに保存されるので、やりやすい方法でPCに共有しましょう。
パワポを起動し動画を挿入したいスライドで、「挿入」タブの「ビデオ」をクリックして、先ほど作成した動画を選択しましょう。
スライド上に動画が挿入されますので、大きさやレイアウトを調整します。
説明用のオブジェクトを作成
次に動画の進行に合わせて、説明用のテキストや画像といったオブジェクトを作成します。
今回、動画内には大きく3つの動作があります。
1:Googleアプリを起動
2:Googleレンズを起動
3:シャッターボタンをタップ(被写体に合わせて)
この3つの動きに合わせ、矢印のオブジェクトにコメントを付けたものを作成します。
「挿入」タブ→「図形」から「左矢印」の図形を選択して、上記3つのコメントを入力して色分けしたものを準備します。
動画の進行に合わせ、適切な場所にオブジェクトを配置しましょう。「再生」タブか動画の下ある再生ボタンや早送りボタンを使うことで、場所が確認できます。
アニメーションの追加
最後は動画の進行に合わせてオブジェクトが動くように、オブジェクトの表示・非表示を行うタイミングである以下の秒数に合わせて、動画やオブジェクトにアニメーションを追加します。
今回は、
秒数 | アニメーションの内容 |
0: | 動画 再生 |
0.5: | 左矢印 スライドイン |
1.25: | 左矢印 フェード |
3.50: | 左矢印 スライドイン |
5.0: | 左矢印 フェード |
9.0: | 左矢印 スライドイン |
11.0: | 左矢印 フェード |
のアニメーションを追加してみます。
「アニメーション」タブ→「アニメーション ウインドウ」で一番上の動画をクリックしましょう。
「タイミング」タブの「開始」で「直前の動作と同時」を選択します。
今度は「1.Googleアプリを起動」のオブジェクトをクリックした状態で、「アニメーション」タブ→「アニメーションの追加」→開始「スライド」をクリックしましょう。
挿入したアニメーションをクリックして、「タイミング」タブの「開始:直前の動作と同時」、「遅延:0.5秒」(オブジェクトにアニメーション効果を付加するタイミング)に設定、「効果」タブの「方向:右から」に設定します。
もう一度「1.Googleアプリを起動」のオブジェクトをクリックした状態で、「アニメーション」タブ→「アニメーションの追加」→終了「フェード」をクリックしましょう。
「タイミング」タブの「開始:直前の動作と同時」、「遅延:1.25秒」に設定します。残り2つのオブジェクトについても、上記秒数以外これまでと同じように設定すれば説明動画が完成です。
この手順で作成した動画がこちらです。
スライドショーで再生確認・動画書き出し
最後に「スライドショー」タブの「現在のスライドから」をクリックして、設定した通りに動画とオブジェクトが動けばOKです。想定通りの動きをしない場合は、各アニメーションの設定を見直す必要があります。
動画の書き出し方法
もちろん、ここで作成した動画を、動画ファイルとして書き出すこともできます。
動画を書き出すためには、「ホーム」→「エクスポート」から「ビデオの作成」をクリックします。
次に、「記録されたタイミングとナレーションを使用する」→「タイミングとナレーションの記録」をクリックしましょう。
「記録」をクリックして、スライドに書き込みや指示、ページ送りなどの動作をレコードし、終了したら「停止」をクリックします。なお、このときマイクがオンになっていれば音声も録音することが可能です。
最後にファイルの種類を選択して「ビデオの作成」をクリックすれば動画ファイルが書き出されます。
動画にアニメーションを挿入することで、いつものプレゼンがグレードアップするのでぜひ試してみてください。