「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当てるドキュメント企画「Member」。第五弾は11月25日にメジャー2枚目のアルバムをリリースした九州発のアイドルグループ・LinQ所属の山木彩乃さん。組織の中で生きる中、自分との戦いを繰り広げていた彼女が手に入れた立ち位置とは。
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山木彩乃


2016年1月にはいよいよ20才を迎える山木彩乃。LinQでのデビューも4周年を迎える彼女は、大人への入り口を間近に控え、一人の女性として何を考えているのだろうか。

「むちゃくちゃ考えてますよ、本当に(笑)。理想の20才像と全く違いすぎて、今後どうなるんだろうって思っているのですが、不安もたくさんありますし。でも、ワクワクしています。今あまり焦ってなくて。今まではずっと焦っていて、小さいときから芸能界に入ると決めていたので、何才までにこうなって20才には、という感じで焦りすぎて空回りしちゃっていたなって今振り返ると思うので、20才になったら落ち着いた女性になって、いろんな人に憧れられるような女性になれたらいいなって。」

20才になれば振り返られるだけの人生も歩んできている。でも一方で子供の頃から抱いていた目標に対しての焦りもある。たいてい子供の頃は「20才の頃には」というのをなんとなくイメージするだけに、20才というのは複雑な時期である。

「でもまだ若干焦っているんですよね。なんか、不安ですね。4年間やってきてあっという間だったんですよ。もうすぐデビューして4周年なのですが、『早っ』て思って。私15才で入ってもう20才なので、早すぎて怖くて。自分はとてもいい経験をしてきたのですが、4年間あったらもうちょっと上に行っててほしかったなって思いがあって、それは自分がサボっていた部分もあるだろうし、自分に甘えていた4年間だったのかなって思うんですよね。結果になっていないという。

今、私自身目に見えた結果が一つもないなって思って。モデルを目指してやっているという目標もあった中でオーディションに落ちたり、100面相企画はギリギリ3位になれたのですが、投票企画のときはいつも3位なんですよね。ファンの人が応援してよかったなって思ってもらえるような結果がまだなくて、まだ中途半端な自分がとてもイヤで。

だから...でも焦ってもいいことないなって思うので、でも時間を大事にしたいなと思います。」

山木彩乃

彼女の口からは、たびたび内向きな言葉が出る。「まだなくて」「イヤで」「焦っている」...ただ、それはネガティブな発言ではあるが、一方では冷静に今の自分を見つめているからこその言葉、という気がした。というよりそうなった気がした。これから飛躍するために何が必要か。今、自分はどうなっているのか。何が足りないのか。彼女はそれを冷静に見つめ、そしてそれを秘めたパワーに変えようとしている。

きっと彼女はこれからも内なるパワーであり闘志だけは秘めたままなのだろう。

「ファッションも好きなので専属モデルになりたいという目標がずっとあるんです。もし雑誌に載ってファンの人が見たら『これ、私がずっと推している子だよ』って言えるし、一位になったら『私の推している子が一位になったんだよ!』って絶対うれしいと思うんですよね。そして何より母が一番うれしいと思うんです。だから、恩返しも含めて自分がどれだけ頑張って目に見える結果を残さないといけないなって思うんです。」

頑張って目に見える結果を。その一つが、2015年9月から始まったDJ ayano名義でのDJ活動である。DJは既にメンバーでは深瀬智聖が始めていて最初はなかなかやりたいと言えなかったそうだが、急遽イベントが決まり、チャンスを手にした。

「洋楽がとても好きなのでよく聞いていて、一人で何かできることをずっと探していて。音楽がとても好きなのでDJはいつかはやると決めていたのですが、なかなかイベントとかがすぐ来るわけではないので。でもいろんな人に『私、DJがやりたいんです-』って言うようにしたら、まさか叶ったので。みんなが音楽で楽しんでいる姿を見るのがとても好きで、DJってすごいなって思います。」

山木彩乃


思えばDJというのも基本は自分でマイクを持たず、選曲だったり曲つなぎの技術でお客さんを盛り上げる。それも言葉を使わない「発信力」である。

「最近本当に楽しいなって思うのはいろんな場所に行けることです。東京に行く前の日とかってとてもワクワクするんですよ。荷造りがとても好きで(笑)。最近LinQで海外に行くことも多くてこの前ベトナムに行ったのですが、私、海外が本当に好きなんですよ。言葉が通じないのがとても楽しくて、台湾、ベトナム、韓国...いろんな国に行けるのがとてもうれしくて。

言葉が通じないからこそライブが楽しいんですよ。だって日本語で歌っているのに『オイオイ』とか言ってくれるし、手を振ってくれたりとか反応もとてもいいんですよ。新鮮で。」

それは、マイクを持たずに自分の言葉がなくても伝わるのと同様に、言葉が通じなくても伝わる、発信力によるものなのかもしれない。

「私、よく外国人の方に道を聞かれるんですよ。でも全然話せないから『カモーン』とか言ってその場所まで連れて行ったりとか。東京でも。あまり東京は詳しくないのですが(笑)、ジェスチャーで伝えたりするのがとても楽しくて。海外でご飯に行ったらそこの店員さんに、言葉が通じないなりにこれが食べたいというのを伝えている自分が好きですし、海外にもっと行きたいです。

Facebookで海外のLinQのファンサイトがあちこちにできていて。行った国の皆さんはずっと応援してくださっていますし、もっと海外にも進出していきたいなって思ってます。」
そんな彼女の夢自体も、海外に向けられていた。

「私、今度英会話を始めるんですよ。そして22才の誕生日を迎えたら一年間アメリカに留学しようと思っていて。本当はヨーロッパに行きたいのですが、まずニューヨークで語学留学して、一年やったら帰ってきて、という人生計画を着々と進めています。」

ニューヨークといえばエンターテインメントの本場である。歌で、ダンスで発信できる人間になりたいと考えている彼女が選ぶのは当然の地、なのかもしれない。

「間近で見てみたいです。人生やっぱり楽しまないと、いろんなこと吸収したいという精神なので目で実際に見て、言葉は通じなくても一人でやるという覚悟を決めて生きたいなと思います。」


そんな彼女に最後、いつもの通り「あなたにとってLinQとは」と尋ねると、「人生の壁」と答えた。人生と答えるメンバーは多いが、壁というどこかネガティブな言葉を使ったのは彼女が初めてだった。驚いて、聞いた。えっ、壁?

「はい。元々が引っ込み思案な性格で、ネガティブな女の子だったんですよね。田舎でずっと隠れているような。LinQってキラキラしていて、大人数だし、良くも悪くも自分から前に出ていかないと見つけてもらえない環境だと思うんですよね。その中で自分の殻を壊さないといけない場所で。

でも壁って別に悪くないじゃないですか。自分にとってはマイナスな言葉ではなくてプラスで。人生において私が人間になるための壁みたいな。お母さんによく『あんた、人間になってきたね』って言われるんですよ。朝起きてもずっと無言でボーッとしていて『おはよう』も『ありがとう』も言えなくて、全然話さない子だったのにステージでこうしてハキハキ話していている姿を見て、お母さんがいつも泣いているんですよ。

私が人間になっているって自分でも感じるので、壁というか、どんどん壊していきたいところだなって思います。そしてお母さんに恩返しができるように頑張ります。これが私の一番の目標です。」


2015年10月、東京。このインタビューの翌日、彼女は東京では初めてDJ ayanoとしてステージに立っていた。元々洋楽好きの彼女は、そこでは自分の好きなR&Bよりは、お客さんが乗りやすい曲をかけているという。

中盤、彼女はある曲をかけた。Lady Gagaの「Born This Way」。和訳すれば「私はこうあるべくして生まれた」。簡単に言えば、人は誰しも生まれるべくして生まれてきたのだから、いろいろなものを受け入れて、前を向いて生きていこう、という曲である。日本でもヒットした曲であり、会場は盛り上がった。

それは、まさに今の彼女のための曲だと思った。自信がなく、いろんなものを隠してきた彼女。でも、迷い、さまよった彼女は、何より今年、LinQにおける存在感を得た。「こんな私でいいのかなあ...」だったものが「私はこれでいいんだ!」という確固たる自信に切り替わった。彼女は何よりそのままの自分自身を受け入れた。

そして彼女は、本当の意味で人間になった。

"I was born this way."

その曲はまるで本人の言葉かのように、フロアに響き渡った。どこか、力強く。

山木彩乃

【Member #6】山木彩乃 所属:LinQ
生年月日:1996年1月3日 出身地:熊本県
2012年にLinQ2期生としてデビュー。愛称はあやのん。

~あなたにとってLinQとは~
「人生の壁です。大事な青春時代をLinQに捧げているから、ちゃんとした女性になるためのステップというか、壁だなと思っています。どんどん壊していきたいですね。」


(おわり)

ライブ情報
2016年1月9日(土)二部

LinQ第750回 山木彩乃Birthday公演「Ayano Yamaki Shines Forever 20th anniversary party」
http://ameblo.jp/loveinq/entry-12086349694.html

「LinQ 全国出前公演~始めました~」
※全国出前公演の情報は以下のURLで随時更新
http://ameblo.jp/loveinq/entry-12102023471.html

【2016年1月】
2016年1月28日(木)【関東】開催予定
2016年1月29日(金)【名古屋】大須TOYS
2016年1月30日(土)【京都】※後日発表
2016年1月31日(日)【大阪】HOLIDAY OSAKA

【2016年2月】
2016年2月11日(木)【関東】開催予定
2016年2月12日(金)【京都】京都MOJO
2016年2月13日(土)【兵庫】※後日発表
2016年2月14日(日)【大阪】※後日発表

2016年2月19日(金)【熊本】B.9 V2
2016年2月20日(土)【宮崎】SR-BOX
2016年2月21日(日)【鹿児島】SR HALL

2016年2月25日(木)【関東】開催予定
2016年2月26日(金)【千葉】ANGA
2016年2月27日(土) ※後日発表
2016年2月28日(日)【神奈川】横浜BAYSIS

【2016年3月】
2016年3月4日(金)【佐賀】GEILS
2016年3月5日(土)【長崎】Drum Be-7
2016年3月6日(日)【大分】Drum Be-0

2016年3月10日(木)【関東】開催予定
2016年3月11日(金  ※後日発表
2016年3月12日(土)【愛媛】松山 KittyHALL
2016年3月13日(日) ※後日発表

「LinQ NEW ALBUM「FRONTIER~LinQ 第三楽章~」初回限定盤A/B付属Blu-ray ダイジェスト映像

リリース情報

LinQ

LinQ メジャー2ndアルバム 「FRONTIER~LinQ 第三楽章~」

発売日:2015年11月25日
ワーナーミュージック・ジャパン

【初回限定盤A】
価格:\4,167(本体)+税 WPZL-31116/7
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<Blu-ray>
LinQの「わ」拡大!! ~海外編~
ドキュメンタリー映像収録


【初回限定盤B】
価格:\4,167(本体)+税 WPZL-31118/9
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<Blu-ray>
1.ナツコイ -Music Video-
2.ウェッサイ!!ガッサイ!! -Music Video-
3.ハレハレ☆パレード -Music Video-
4.LinQuest~やがて伝説へ・・・ -Music Video-
5.ナツコイ -Dance Video-
6.ウェッサイ!!ガッサイ!! -Dance Video-
7.ハレハレ☆パレード -Dance Video-
8.LinQuest~やがて伝説へ・・・ -Dance Video-


【通常盤】
価格:\3,000(本体)+税 WPCL-12271
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

【九州盤】
価格:\3,241(本体)+税 WPCL-12269/70
<CD1>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<CD2>
1.HYBRIDOLL/桃咲まゆ
2.SUMMER DAYS/天野なつ
3.N and F/深瀬智聖
4.SHAKARIKI GROOVY/志良ふう子、新木こころ(Fu-Coco)
5.Hands/一ノ瀬みく

■Information■

LinQ OFFICIAL WEB
http://loveinq.com/

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編集部有本

元エンジョイ!マガジン編集長(2014年10月時点)。かつてBIGLOBE MUSICを担当していた経験を活かし、よりエンジョイ!でウェッサイ!!なマガジンを目指していきます。

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