激安ライトニングケーブルは「MFi非認証」かも?それ大丈夫?

iPhoneユーザーにとって必須な「ライトニングケーブル」。これがないと充電もできなければ、PCに接続もできません。しかし、このケーブルはとても壊れやすいのです。

iPhoneユーザーの悩みの種の一つに、充電・データ接続用のケーブル(以下 ライトニングケーブル)の破損がある。
iPhoneの充電がうまくいかない……と思ってケーブルを見たら、ビニールの被膜が破れて、中身がコンニチハ! ということはよくあります。TwitterやFacebookはもちろん、私の友人・知人でも「ライトニングケーブルが壊れた」というトラブルは日常茶飯事です。
壊れたら買い直せば良い! という意見もあるかもしれませんが、このライトニングケーブルのお値段はそこそこ高いのです。公式サイトを見ると、1メートルの長さでお値段は2200円(税別)。USB-Cタイプは2800円(税別)もします。安くないですね!
Apple公式のライトニングケーブルの値段は高いにもかかわらず、なぜか100円ショップや通販サイトでは激安のライトニングケーブルが販売されています。
果たして、これらの激安ケーブルを使って大丈夫なのでしょうか? 今回はその謎に迫ってみます。

安い理由は非認定品

Amazonで「ライトニングケーブル」と検索して「安い順」に並べると、なんといちばん安い製品は9円! 激安ですね。9円は破格ですが、100円台の製品は沢山ヒットします。

▲Amazonで販売されている激安のライトニングケーブル
なぜこれほどまでに安いライトニングケーブルがあるのか? それは安いケーブルは全てAppleの「MFi認証」を受けていないからです。
MFiとはMade For iPod/iPhone/iPadの略。Appleの公式サイトではMFi認証についての説明がされています。
Apple公式サイト【iPhone、iPad、およびiPodのアクセサリについて】
「MFi認証」を受けたアクセサリーは、「Apple社がその商品の性能を公式に認めた」というものです。しかし、MFi認証を受けるには、Appleが認める性能基準をクリアし、認証の手続きをしなければなりません。つまり、MFi認証を取得するにはお金がかかるわけです。そのため、認証を受けた製品にはそこまで激安なものがでてこないのです。
「充電ができればMFi認証がついてない製品でもいいじゃん」と考える人もいるでしょう。しかし、MFi非認証のケーブル類は、「ある日突然、使えなくなる」というリスクがあります。これは製品が壊れたのではなく、iOSが「このケーブルはMFi認証の製品ではない」と判断して、使えなくなってしまうのです。こうなってしまったら対処方法はなく、ライトニングケーブルは単なる「紐」になってしまいます。この危険性は非MFi認証のケーブル類を使っているかぎり、ずっとついてまわります。

性能もよろしくない

次に、格安のケーブル類は「性能が低い」といった問題もあります。「性能が低い」といっても、二つの要素があります。
一つはケーブルが千切れたり、中のケーブルが断線したり、システムが認識しなくなったりといったハード的な面。もう一つは電気的な面で、充電する際の電流が低く、充電するのに時間がかかったり、電圧が安定せずにiPhone本体を壊してしまったりすることも。
通販サイトの購入者のレビューを見ると、格安ケーブルを買ったユーザーは「すぐに壊れてしまった!」という書き込みは珍しくありません。さきほど紹介した9円のライトニングケーブルには、当記事執筆時点で2件のレビューがついていますが、やはり「あっという間に壊れた」といった内容になっています。

安いケーブルは「非常時」の選択肢レベル

ハッキリ言いましょう、安いライトニングケーブルは使わない方が良いです。購入するなら、MFi認証された製品を選びましょう。しかし、「旅先でライトニングケーブルが破損してしまった」「いまだけ、ライトニングケーブルが必要」といった「いま、急遽必要になった非常事態」の場合は、安いライトニングケーブルを選択肢に入れるのありでしょう。例えば、バッテリーの残量が10%を切っていてモバイルバッテリーはあるけどケーブルはない。そこで100円ショップで購入して、とりあえず充電をしてしのいだ……といった利用方法です。
しかし、できることなら認証品を使った方が安全です。MFi認証を受けた製品も、時々セールなどで安く売られている時があるので、iPhoneユーザーはもしもの時のために、認証を受けたライトニングケーブルを複数買っておくのがベストでしょう。
ちなみにケーブル故障時が、保障期間内であれば、Appleに連絡してみましょう。もしかしたら、無償で交換してくれるかもしれません。

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江原顕雄

PC、インターネットが得意ジャンルのフリーの編集・ライター。「ぁゃιぃわーるど」「下水道」で誕生して、「あめぞう」で乳児期を過ごし、「壺」で育ててもらいました。