インドカレーと一口に言っても、実は北と南で大きく異なります。「北インドカレー」と「南インドカレー」のそれぞれの特色とは? また、なぜ北と南でカレーの特色が違うのか、理由についてもふれてみたいと思います。
こってり濃厚「北インドカレー」
インドカレーというとまず思い浮かべることが多いのが、いわゆる北インドカレーです。
とろみの強い濃厚なルーが特徴で、ガラムマサラといういくつかの香辛料をブレンドしたスパイスを使用します。牛乳や生クリームなどの乳製品を使い、具材もチキンやマトンなど肉類が中心なので、こってりとした味わいに。
日本でも人気のバターチキンカレーは、北インドカレーに該当します。
あっさりで辛口「南インドカレー」
南インドカレーは、北インドカレーと比べると水分が多く、スープ状なのが大きな特徴です。
辛みは強いのでスパイス類ももちろん使われていますが、ココナッツミルクや酸味のあるフルーツも使われるのであっさりした食感に。具材は肉類よりもシーフードや野菜、豆類が使われることが多いのも、北インドカレーよりはさっぱりと食べられる特色となっています。
北と南でこんなに違う理由は「気候」にあり
同じインドカレーでも、北と南でどうしてこんなに違うのでしょうか?
その理由は「気候」にあります。1年を通して暑い南インドに比べ、北インドでは冬期は5~8度も気温が低いのです。そのため、北インドでは脂肪分の多いこってりしたカレーで体を暖め、反対に南インドでは水分の多いあっさりしたカレーで暑さをしのいでいるんですね。
また、カレーと一緒に食べる主食も、北インドではナンやチャパティなどパンに近いもので、南インドでは米。寒い時期もある北インドでは小麦の栽培が盛んで、温暖な南インドでは稲作がポピュラーなのです。
こってり濃厚でナンといただく北インドカレーと、あっさり辛口でごはんと混ぜる南インドカレー。それぞれ好みはあると思いますが、どちらもおいしいですよね。その日の気分に合わせて食べ比べてみるのも、面白そうですね。
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