今や世界的な人気を誇る、韓国の音楽グループ・BTS。
普段はあまり音楽を聞かない、あるいはK-POP事情に詳しくないとしても、「名前は聞いたことがある」「友達が好きで知ってる!」という人も少なくないのではないでしょうか。
その活躍は韓国国内にとどまらず、アメリカのビルボードチャートでは何度もランクインするほどの人気ぶり。2018年には、アジア圏出身のアーティストとしては初めてビルボード1位に輝きました。
本記事では、そんなBTSについて簡単にご紹介。「名前を聞いたことはあるけれどよく知らない」という人にも伝わるよう、BTSの特徴と魅力をまとめました。
世界中の若者から人気!BTS(防弾少年団)の来歴をチェック
BTSは、韓国の男性音楽グループ。2013年にヒップホップグループ「防弾少年団」として韓国国内でデビューしました。
日本での活動にも早い段階から取り組んでおり、同年12月には来日して初ステージを披露。2014年には日本語版のシングルCDをリリースし、オリコン週間チャートで8位にランクインしています。
2015年頃から徐々に国内外で注目を集めるようになり、4thミニアルバムは約30万枚の売上を記録。ビルボード200で171位にランクインし、韓国の人気アイドルグループと並んで取り上げられるようになっていきます。
2017年には10ヶ国を巡るワールドツアーを敢行。さらにビルボード・ミュージック・アワードではトップソーシャルアーティスト賞を受賞。名実ともに世界的な人気グループとして、頭角を現していきます。2020年の12月には『ミュージックステーション』の年末特番にも出演したため、そこで知ったという方もいらっしゃるかもしれません。
そして2018年にリリースされた3rdフルアルバムが、アジア圏出身のアーティストとしては初めてビルボード1位に輝きました。そのような功績を称えて、韓国政府から花冠文化勲章を史上最年少で受章しています。
2020年に入ってもその勢いは衰えることなく、4thフルアルバムはリリースから9日間で411万以上の売上を記録。また、BTSの所属事務所が上場した際には、一時的ではありますが時価総額が1兆円を突破し、金融関係者のあいだで話題になりました。
これだけは知っておこう!BTSの基礎知識と人気のポイント
① 7人組の男性音楽グループ
BTSは、7人の男性で構成される韓国の音楽グループ。3人がラップを、4人がボーカルを務めており、あわせてダンサーを担当しているメンバーもいます。
2020年現在、メンバーは全員が20代で、1992〜1997年の生まれ。全員が芸名(ステージネーム)を持っていますが、本名も公開しており、ファンからはニックネームで呼ばれることが多いようです。
② グループ名の「BTS」が意味するもの
「防弾少年団」をしてデビューし、現在は「BTS」として世界的に知られる音楽グループとなった彼ら。この言葉には、「10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬく」という意味が込められているそうです。
そんな防弾少年団は、2017年にブランドロゴを刷新。「現実に安住することなく、夢に向かって絶えず成長していく青春」という「Beyond The Scene」の意味が新たに加えられ、正式名称も「BTS」になりました。
そして2021年。BTSはその宣言通り、世界を舞台に活躍し続けています。
③ アジア人初のビルボード1位
億単位で再生されているYouTube上のMVは言わずもがな、CDの売上も記録的なヒットとなっているBTS。それ以上に彼らのすごさがわかる実績として挙げられるのが、「アジア人初のビルボード1位」という快挙です。
ビルボードは、日本でいえば「オリコン」に相当する、アメリカの音楽チャート。音楽のジャンルを問わず、数々の人気アーティストを輩出してきた世界的なランキングであり、そのトップに立つということは大きな意味を持っています。
ちなみにアジア圏のアーティストの楽曲としては、過去に坂本九さんの「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」が1位、PSYさんの「Gangnam Style(江南スタイル)」が2位を獲得したことがありますが、これらはいずれもシングルチャートの記録です。
アルバムチャートである「ビルボード200」で1位を獲得したのは、アジア圏アーティストでBTSが史上初。そう聞くと、そのすごさがわかりますよね。
④ 韓国語の楽曲が英語圏でヒット
加えて、BTSには「韓国語の楽曲がそのままヒットした」という特徴もあります。2020年リリースの「Dynamite」が初の英語楽曲であり、それまでの楽曲は韓国語を中心に歌唱されるものばかりでした。
日本では「日本語バージョン」としてリリースされた楽曲も多くありますが、アメリカでは、韓国語そのままのBTSの楽曲が人気を集めています。先ほどのビルボードの記録も、英語以外の言語のアルバムが1位になるのは12年ぶりのことなのだとか。
ちなみにBTS以前にヒットした韓国語の楽曲としては、先述の「Gangnam Style」が挙げられます。この曲によって「K-POP」の存在が英語圏にも浸透し、韓国語の楽曲受け入れられる土壌があった、というのも、人気の一因と言えるかもしれません。
⑤ 徹底したメディア戦略
楽曲は言うまでもなく、ダンスパフォーマンスにも定評のあるBTS。彼らが実力派アーティストであることは間違いありませんが、BTSが世界規模で人気になった理由としてよく挙げられるポイントのひとつに、徹底したメディア戦略があります。
というのも、もともと世界を視野に入れて活動してきたBTSは、ソーシャルメディアをフルに使ってグループの魅力を発信してきました。
MVや最新情報を公開するのはもちろん、SNSではメンバーのダンス練習動画やオフショットなども公開。特に「V LIVE」というライブ配信アプリでは動画投稿に力を入れており、各国の熱心なファンによって多言語に字幕翻訳もされています。
他方で特徴的なのが、Twitter。グループの情報を発信するための公式アカウントと、メンバーが投稿するアカウントの2つがTwitter上では稼働しており、メンバー個人のアカウントはありません。
後者のアカウントでは、メンバーによるオフショットを数多くツイート。自撮りや楽屋写真、メンバー同士が交流する様子などを積極的に投稿するなど、彼らの素顔が垣間見える、ファン必見のアカウントとなっています。
⑥ 人気アーティストとのコラボレーション
SNSを巧みに使いこなす一方で、BTSは海外の人気アーティストともしばしばコラボレーションしています。
The Chainsmokersと共同制作した『Best Of Me』。
Nicki Minajが出演する『IDOL』。
Halseyが参加した『Boy With Luv』。
Ed Sheeranが手掛けた『Make It Right 』。
他にはSteve AokiやLauvともコラボレーションしており、その方法もさまざま。楽曲を共同制作したり、MVに出演したり、既存曲をリミックスしたりと、クオリティの高いコラボレーションを次々に繰り出してきました。
大勢の英語圏のアーティストとコラボレーションをすることは、海外進出においてネックとなりがちな「言語の壁」を壊すことにもつながります。これらの積極的なコラボレーションも、彼らの音楽が韓国語のまま注目され、やがて英語圏のファンからも愛されるようになる一因となったと言えるのではないでしょうか。
まとめ
本記事はあくまでも「知らない人向け」ということもあり、「グループ概要」「実績」「メディア戦略」といった「情報」的な側面を主に取り上げました。ですので、興味を持った方は実際にBTSの楽曲を聞いてみてください。
公式YouTubeチャンネルでは数多くのMVが公開されていますし、圧巻のダンスパフォーマンスも高画質で堪能できます。文字情報だけでは伝えられない彼らの魅力が垣間見れますので、ぜひ見て聞いてみてください。