この1、2年で、ビジネスシーンでも定着しつつあるオンライン会議。最初こそ設定に戸惑っていたという方も、今やすっかり使い慣れているのではないでしょうか。
ただ、一口に「オンライン会議」と言っても、使うサービスにはいくつかの選択肢があります。すでに慣れている人ならばまだしも、これから導入するにあたって、どれを選べばいいのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、代表的な3つのWeb会議サービスをピックアップ。
「Zoom」「Google Meet」「Microsoft Teams」の特徴を紹介しつつ、それぞれを比較してまとめました。サービス選びに迷っている方の参考になれば幸いです。
Web会議の定番サービス「Zoom」
Web会議サービスの代名詞といえば、Zoom。最近は書店に行くと、Zoomの使い方をまとめたハウツー本が並んでいる光景もよく見かけますよね。
まず最初に選択肢に挙がるWeb会議サービスの定番、Zoomの特徴は「シンプルでわかりやすい」こと。同様のサービスを初めて使う人でもパッと見で操作がわかりやすく、ミーティングの主催も参加も難しくありません。
一時期はセキュリティの問題が指摘されたこともありましたが、即座にアップデートして対応しています。その後はセキュリティの問題について大きく報道されたことはないようです。
Google関連サービスとの連携も簡単な「Google Meet」
Google Meetは、その名のとおりGoogleが提供するWeb会議サービス。以前から「Google ハングアウト」というサービスがありましたが、こちらは終了が決定しており、Web会議の機能はGoogle Meetに置き換えられつつあります。
Web会議サービスとしての基本的な機能は取り揃えており、Googleアカウントさえあればすぐに使い始めることが可能。GmailやGoogleカレンダーからすぐに会議のURLを生成できるなど、関連サービスと連携しているのも特徴です。セキュリティは個別にカスタマイズして強化することもでき、気になる方は追加で設定できるのも嬉しいポイント。
Web会議以外にも多彩な機能を搭載した「Microsoft Teams」
「Microsoft Teams」は、Microsoftが提供するコラボレーションツール。Microsoftアカウントがあれば無料で利用できますが、追加機能やストレージ容量が増える有料版も提供されています。
無料版でも機能面は充実しており、むしろ他のサービスよりも多機能であると言えるほど。会議中でなくてもチャットでのやり取りができるほか、WordやExcelといったMicrosoft 365のツールと連携してファイルを共有することができます。
Web会議に特化したサービスというよりは、仕事・学校・作業などで使えるコラボレーションツールと言ったほうがいいかもしれません。チームでの共同作業に適した、多機能サービスです。
4つのポイントで比較!
それぞれに以上のような特徴を持つ3つのサービスですが、細かい部分ではどのような違いがあるのでしょうか。ここでは4つのポイントで比較・整理してみました。
① 参加者数の上限は?
Zoom | 100人 |
Zoom(有料プラン) | 100人(プロ)、300人(ビジネス)、500人(企業) |
Google Meet | 100人 |
Google Meet(有料プラン) | 100人(Google Workspace Individual)、250人(Google Workspace Enterprise) |
Microsoft Teams | 100人(※当面は300人) |
Microsoft Teams(有料プラン) | 300人(Microsoft 365 Business Basic)、300人(Microsoft 365 Business Standard) |
参加人数の上限は、いずれも無料版だと100人になっていますので、基本的には無料版でも事足りそうです。
違いを挙げるとすれば、Microsoft Teamsのみ、当面は有料プランと同じく300人の同時接続が可能、という点でしょうか。また補足として、ビジネス向けのGoogle Workspace Enterpriseにはライブストリーミング機能もあります。
② 連続で接続できる時間の上限は?
Zoom | 40分 |
Zoom(有料プラン) | 30時間(プロ)、30時間(ビジネス)、30時間(企業) |
Google Meet | 1時間 |
Google Meet(有料プラン) | 24時間(Google Workspace Individual)、24時間(Google Workspace Enterprise) |
Microsoft Teams | 60分(※当面は30時間) |
Microsoft Teams(有料プラン) | 24時間(Microsoft 365 Business Basic)、24時間(Microsoft 365 Business Standard) |
3人以上のグループミーティングを行う場合、連続して会議を行えるのはZoomが40分、Google MeetとMicrosoft Teamsが1時間となっています(※Teamsは当面のあいだ30時間の接続が可能)。
特にZoomの40分制限は、ビジネスシーンで使う場合は短く感じるかもしれません。ビジネス用途で頻繁に取引先との会議がある場合は、いずれのサービスにしても有料プランを検討する必要があるでしょう。
ちなみに、上記の接続時間は「3人以上のグループミーティング」が対象ですので、1対1の通話は含まれません。1対1で接続する場合、Google MeetとMicrosoft Teamsは24時間、Zoomは無制限で通話が可能となっています。
③ 画質は?
360p | 720p | 1080p | |
Zoom | ○ | ○(プロ、ビジネス、企業) | ○(ビジネス、企業) |
Google Meet | ○ | ○ | × |
Microsoft Teams | ○ | ○ | ○ |
画質については上記のとおりですが、いずれも条件付きとなっています。
まずZoomについては、「有料プランなら高画質設定にできる」形。
一方、Google Meetはいずれのプランも1080pに対応していませんが、「無料プランでも手動で720pの高画質設定にできる」というメリットがあります。
Microsoft Teamsは、「1080pに対応しているが、手動で切り替えられない」ようになっています。高画質になるかどうかは環境にもよりますが、基本的には360pがデフォルト。また、「高画質になると動作が重くなる」という声もあります。
ですので、「画質にこだわるなら、無料プランでも手動で高画質にできるGoogle Meetがおすすめ」と言えるでしょうか。
④ スマホやPCへの対応状況は?
Zoom | Google Meet | Microsoft Teams | |
Webブラウザ | ○ | ○ | ○ |
Windowsアプリ | ○ | ○ | ○ |
MacOSアプリ | ○ | ○ | ○ |
Androidアプリ | ○ | ○ | ○ |
iOSアプリ | ○ | ○ | ○ |
比較するまでもありませんが、いずれのサービスも主要なデバイスに対応しています。当初はGoogle Meetのみパソコン用のアプリがなかったのですが、2021年8月に単体アプリとしてもリリースされました。
また、どのサービスにしても、Webブラウザからすぐに参加できる手軽さは嬉しいところ。「アプリをインストールする手間もなく、気軽に試せる」とも言い換えられます。
まとめ
以上、代表的な3つのWeb会議サービス「Zoom」「Google Meet」「Microsoft Teams」の特徴を、4つのポイントから比較しつつ説明しました。
いずれのサービスも「Web会議サービス」としての基本的な機能は取り揃えており、無料で使うことができます。個々の要素は比較しても大きな差異がありませんので、あとはそれぞれの特徴や好みで選ぶ形になるでしょうか。
最後に、各サービスの特徴を改めて整理してみましょう。
- Zoom: とにかくシンプルでわかりやすい。ハウツー本も多い
- Google Meet: Google関連サービスとの連携が簡単。セキュリティ面も強い
- Microsoft Teams: Microsoft 365と連携。ビジネスチーム向けのコラボツール
「サクッとWeb会議をしたい」なら、やはりZoomは定番。普段遣いでGoogleの関連サービスと連携してスケジュール管理をするなら、Google Meet。Web会議に限定せず、チームで情報を共有するためのビジネスツールとしては、Microsoft Teams。
あくまでも簡単な説明ではありますが、このようにまとめられます。
使ったことのないサービスも、この機会に試してみてはいかがでしょうか。