ここ2年ほどの間で、テレビやネットで目にする機会が増えた映像があります。それは上空から撮った空撮動画。比較的安価なドローンが手に入りやすくなったからと言われてます。
ドローンとは無人の飛行機の総称ですが、最近では、ここ数年で普及してきたスマートフォンでコントロールする電動の小型ヘリコプターを指してこう呼ぶことが増えています。

2010年にフランスのパロット社が発売した、iPhoneで操作ができるドローンが火付け役と言われています。2014年には多くのメーカーから、カメラを装備したドローンが発表され、空撮ブームがやってくるとマニアの間では噂されていました。

ところが、日本では2015年の4月に首相官邸にドローンが侵入するという事件が発生。これをきっかけに、ドローンは危険な機械というイメージが浸透してしまいました。翌月には、三社祭にドローンを飛ばすとネットで発言した少年が逮捕されるという事件も。東京都は都立公園など119カ所でドローンの持ち込みや操縦を禁止しました。


2015年の12月10日には改正航空法が施行され、人がいる場所のほとんどで、ドローンを使った撮影はできなくなってしまいました。そこで、ドローンが飛ばせないのなら、ドローンから撮ったような動画を、別の方法で撮影しようと思ったわけです。

ドローンを使った空撮映像の特徴に沿って説明します。

1.高所からの撮影

これについては、飛べない以上おのずと限界があります。そこでカメラをめいっぱい高い位置に保持する方法として、物干しざおのような長い棒を使ってみることにいました。でも、本物の物干しざおでは、電車などに持ち込むこともできないし、街を歩いていても目立ち過ぎます。

なので、今回はカメラ用の一脚とセルフィースティック(自撮り棒)を、つないで使ってみることにしました。これならば、どうにか街中で昆虫採集をしている人間に見えないこともないかな? カメラや各パーツについては、このあと詳しく説明します。

渋谷スクランブル交差点上空→センター街へ


伸ばした寸法が約2メーター40センチほど。この折りたたみ物干しざおをバッグに入れ、渋谷のスクランブル交差点に行って撮影してきました。手に持って3メートル少々の高さからの撮影ですが、広角レンズの効果か、実際よりも高い位置から撮ったように見えないでしょうか? また、アーケードの入り口など、実際に普段見上げて通る物が、普通の目の位置に入ってくると高さを感じるものです。

2.スムーズな視点移動

ドローンで撮った映像のように見えるポイントはもう一つあります。実は、多くの撮影用ドローンには、カメラを支える部分に3軸電子制御ジンバルと呼ばれる部品がついています。これは、風などでドローンの機体が揺れても、撮影している方向が安定するように高速で微調整してくれるもの。

実は、今回使ったカメラは、今最も人気のあるドローンメーカーDJI社のOSMOというカメラ。手で持った時も、上下左右のブレを補正しスムーズな映像を撮ることができます。普通であれば、ブレてしまう歩きながらの撮影でも、大変スムーズに撮ることができます。ドローンで撮ったような雰囲気作りは、高い場所からの撮影以上に、この"ブレない撮影方法"が重要なのです。

陸橋をヌルヌル横移動しながら電車の通過を撮る

このカメラは全体が変わった形をしていて、ファインダーがありません。ファインダーの代わりに、iPhoneをwifi接続して、撮影画面をモニターしたり、遠隔でシャッター操作などをします。

このあたりが、iPhoneを遠隔操縦コントローラーに使うドローンのメーカーらしいところ。一見使いにくそうなのですが、先の物干し竿状態の写真を見ると分かるように、カメラとモニターを離して使えるメリットがあるのです。まさにドローン感覚です。

物干し竿セットは、バラすとこんな感じ。左からカメラ、サードパーティ製の接続アーム、セルフィースティック、一脚、カメラ付属のiPhoneホルダーとサードパーティ製の接続アーム付属のクランプ+カメラに付属するiPhoneホルダー。

3.自分が動いて撮る新しい動画

余談になりますが、この「ブレない撮影方法」は、映画や番組制作でもよく使われいる方法です。映画ではスタンリー・キューブリックの『シャイニング』で、三輪車に乗った子供がホテルの中を駆け回るシーンが有名です。三輪車をカメラを持ったカメラマンが追い続けています。同様の撮影スタイルは、テレビ番組では、NHKの「世界ふれあい街歩き」がよく知られています。

動きながら撮る映像の魅力は、映しだされた世界の中に自分も参加しているような錯覚を感じることでしょう。家族旅行の記録などでも、これまでにない「実感」が記録されると思います。

低空飛行的坂道下り・移動しながら撮ると自分の動きが記録される

これらの撮影に使われているプロ用の手持ちカメラはステディカムと呼ばれています。OSMOはこのステディカムを手軽で手頃な価格にしたものと言ってよいでしょう。これまで、プロのカメラマンでなければ撮れなかった「撮る者が歩きながら撮る映像」を、誰もが気軽に撮れるようになってきました。

ピックアップ

よしざわ りゅう

天体写真やタイムラプス動画を撮影しつつ、バンド活動も謳歌している遊び大好 中年。スマホ活用からマニアックな撮影までレポートします。本業はWEBマーケ ティング会社役員。

記事(8本)を見る

  • PC右カラム300×100
  • Twitterでつぶやかれている記事

    • Twitterで最新&注目記事をチェック
    • Facebookで最新&注目記事をチェック
    • メルマガで最新&注目記事をチェック