無線を使ってカメラからスマホ・PCへ!写真転送に役立つアイテムたち

観光・行楽の機会にデジカメで撮った写真。家族や友達と送る際、カメラから写真を取り出す、さらにはリサイズせずにシェアするのって意外と面倒ではないですか? そんな悩みを解消しましょう。

気候も涼しくなり、観桜・行楽の機会が増える秋の季節。
楽しい思い出はどうせならキレイに残しておきたい!とスマホカメラでなく、性能のよいデジタルカメラを持ち出す人も多いことでしょう。
しかしいざ撮影した写真をみんなに送ろうと思っても、デジカメからスマホやパソコンへ転送する手間、面倒に感じたことはありませんか?
また写真を取り出したとして、データをLINEやFacebookメッセンジャーでそのままシェアすると、写真データに自動でリサイズも施されてしまいます。
せっかくこだわってデジカメを選んだのならなおさら、シェアする画質も大切にしたいですよね。
そこで今回は、無線を使ってデジカメからスマホ・PCへ写真を転送するために役立つアイテムたちを紹介します。

まずはデジカメがWi-Fi対応か確認しよう

本題に入る前に、まずは「そもそもアイテム(周辺機器)が本当に必要?」かを忘れずチェックしておきましょう。
デジカメからスマホやPCへ写真を転送する際、もっとも手間がかからないのは「使っているデジカメ自体がWi-Fi機能に対応している」ことです。
スマホやパソコンは大概がWi-Fi機能は搭載しているので、デジカメもWi-Fi機能が使えれば、他にアイテムを使わなくとも手っ取り早く写真が転送できます。
自分のデジカメがWi-Fi機能に対応しているか確認する一番確実な方法は取扱説明書を確認すること。メーカー公式サイトの製品ページでもよいでしょう。
またデジカメの設定画面を開き、「Wi-Fi設定」などと書かれた項目が無いか、端から順に見ていくのも賢い方法です

もし設定画面に「Wi-Fi」の文字を見つけることができなければ、続いて紹介する二つのアイテムをチェックしてみましょう。

Wi-Fi非対応モデルならこんなアイテムを使おう

持っているデジカメがWi-Fi機能には非対応であった場合、「デジカメを買い換えるしか方法はないの?」と思ってしまうかもしれませんね。
ですが実は写真データを記録するSDメモリカードを考えて選べば、デジカメを買い換えずとも写真を無線で転送できますよ。
早速デジカメを無線通信に対応させることができるSDメモリカードを2種類、紹介していきます。

FlashAir(フラッシュエアー)

デジカメを無線通信に対応させるアイテム、一つ目は「FlashAir(フラッシュエアー)」です。
FlashAirは無線LAN機能を内蔵するSDメモリカードです。デジカメ本体のかわりに、SDカードが無線LAN(Wi-Fi)機能に対応することで、無線での写真転送を実現する製品ですね。
▲東芝 無線LAN搭載SDHCメモリーカードFlash Air 32GB SD-WD032G
FlashAirの使い方ですが、デジカメに挿し込んで写真を撮影したら、デジカメの電源をオンに。あとは写真を受け取りたいデバイス(スマホなど)にあらかじめ専用アプリをインストールしておき、FlashAirのSSIDにWi-Fi接続するだけでOKです。

FlashAirは複数デバイスへの転送が可能

FlashAirの特長として、写真の転送は1対1通信だけでなく、最大7台のデバイスへ同時に転送が可能。
またフォトシェア機能を使えば、写真と動画のサムネイル画像の一覧に特定の日付の写真と動画だけを表示する、なんてこともできますよ。
SDカードの中に入っているすべての写真を友達に見られるのは恥ずかしい……。そんな場合にも簡単に対応できるので安心ですね。
ほかにもFlashAirでは、転送先デバイス同士を直接Wi-Fiで接続するため、4G/LTE/3Gといったモバイル通信が使えない環境でも使うことができます。
もちろん周囲にWi-FiスポットがなくてもOKです。

TransferJet(トランスファージェット)

デジカメを無線通信に対応させるアイテム、二つ目は「TransferJet(トランスファージェット)」対応アクセサリーです。
TranferJetは「近接無線転送」技術の名称で、Wi-Fiとは異なる無線技術に対応させることができるアイテム。
デジカメ本体にTrasferJet対応SDメモリカードを挿し込むとともに、写真データを受信するデバイス側にもレシーバー(受信機)を外付けして使います。
下の写真は普段から筆者がデジカメ→PCへ写真を転送する際に使っている私物。レシーバー(写真右)はパソコンに差し込むため、一般的なUSB(USB Type-A規格)のものです。

なおデジカメ→スマホへ転送する際には、レシーバーもスマホ用のものが必要です。MicroUSB規格やLightning規格のレシーバーも販売されていますよ(※ごく一部のスマホではレシーバー機能を内蔵するものもあります)。
TransferJetは筆者も実際に毎日愛用しているので、ここでは実物の写真も載せつつ、例としてデジカメからPCへ写真を転送する際の使い方を紹介していきますね。
まずはデジカメにTransferJet対応SDメモリカードを挿し込み。この状態で写真を撮影します。

続いて受信側となるパソコンにレシーバー(受信機)を装着。

デジカメの電源をオンにして、受信機とTransferJet対応SDメモリカードを近づます。

写真を見て「こんなに近づける必要があるの?」「想像していた以上に近い……」などと思うかもしれませんが、ずばり「近づける必要あり」です。
TransferJetが対応する無線での通信可能距離は数センチ程度なので、SDカードとレシーバーの距離はなるべく近づけることがスムーズに転送を済ませるコツといえます。
この状態でPCで専用アプリを起動。すると自動で認識がおこなわれ、即写真データの転送が始まりますよ。

TransferJetは対応速度が速い!

先に紹介したFlashAirと比べると、TransferJetでは受信側にレシーバーを装着するという一手間が必要です。
がしかし、デメリットだけでなく、当然TranssferJetを使うことならではのメリットも。
まずは転送速度が他の無線通信と比べて圧倒的に速いということ。例えば、1時間のTV番組(MPEG4形式。ファイルサイズ:170MB)を転送する場合も、わずか数秒(!)で転送を終えることができます。
また基本的に近い接続距離でのみ使える通信方式であるため、他の無線の影響を受けづらい、通信を第三者に傍受されにくい、といったことも特長ですね。
もちろんTransferJet対応SDメモリカードとレシーバ(受信機)さえあれば、4G/LTE/3Gといったモバイル通信やWi-Fiが使えない環境でも使うことができますよ。

利用シーンを想像して選ぼう

FlashAirとTransferJetはいずれもデジカメを無線通信対応にしてくれるアイテム。しかしここまで説明した内容を読めばわかるとおり、特徴は異なります。
もしこれからこの二つのアイテム、いずれかを購入しようと検討するのであれば、どちらを選ぶかは「利用シーンを想像」して決めましょう。
FlashAirは最大で1対7の同時転送が可能なので、撮影した写真を友達などとその場でシェアする場合に活躍してくれます。
一方でTransferJetは1対1の転送にしか対応しません。撮影した写真をシェアするのは後からだけど、取り出しは簡単にしたい。あるいは撮影した写真は自分がSNSにシェアするだけ。こんな場合はTransferJetにより強い魅力を感じることができることでしょう。

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まきはら とよかず

1986年生まれ。仙台在住。スマートフォンをはじめとする「ガジェット」に関心を持つフリーランスのブロガー/ライター。中でも特に関心が強いのは海外向けのSIMフリー製品で個人輸入なども楽しんでいます。ややマニアックなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」もほぼ毎日更新中。