七夕、土用の丑の日…7月の雑学を知って夏への準備に備えよう!

七夕って日本由来?中国由来? どうして土用の丑の日に鰻を食べるの? 夏バテになる前に知っておきたい意外と知らない「7月」の雑学をまとめました。

いよいよ初夏から夏へ!
梅雨も開けて夏に向かう7月になると、大人になった今でもなんとなく「夏休みが始まる」季節という気持ちになってしまうのは私だけでしょうか。
今回は7月にまつわる雑学をまとめてみました。

旧暦の7月は「文月(ふみつき)」

旧暦の月名でいうと7月は「文月(ふみつき)」
由来には諸説あるのですが、現在、定説とされているのは七夕の行事にちなんだもの。
短冊に歌や文字を書いて、書道の上達を祈った行事にちなみ、「文披月(ふみひらづき)」呼ばれていたものが転じて文月となったという説です。
もう一つ、穂が見えるようになる季節であるということから「穂見月(ほみづき)」が由来という説も。
どちらも「7月」らしさがあるわけではないのでちょっと覚えにくいですね。

夏っぽい7月だけど、実は「梅雨」?

すっかり夏のイメージのある7月ですが、天候の面でみると案外「夏」でもないのです。
冒頭で「梅雨も開けて夏に向かい……」と書きましたが、実は7月のほとんどは「梅雨」の時期
気象庁は「平年」(平成22年までの30年間の平均)の梅雨明けを7月21日ごろとしており、近年では2013年の7月6日と早い時期もあるものの、7月も半ばを過ぎてからの梅雨明けが多くなっています。
7月に入ってもまだジメジメした日は続くんですよね~……。

7月の記念日事情

やっぱり、7月といえば七夕!

7月の記念日といえばやはり一番は「七夕」ではないでしょうか。
実はこの「たなばた」、日本と中国の複数の伝説やならわしが合わさってできたものなんだそう。
まず言葉としての「たなばた」は、日本に古くからある禊の行事「棚機(たなばた)」
旧暦の7月15日に戻ってくるとされる祖先の霊のために乙女が着物を織って棚に備え、秋の豊作を祈ったり、人々のけがれを祓ったりする習慣があり、そのときに使われた織り機を「棚機」と呼びました。
その後、仏教の伝来に伴い、その習慣は7月7日の夜になったのだそうです。
一方、「おりひめとひこぼし」の伝説は中国由来のもの
織女(しゅくじょ)星(=琴座のベガ)と牽牛(けんぎゅう)星(=鷲座のアルタイル)の二つの星が、旧暦の7月7日に最も美しく輝くように見えるということから、中国ではこの日を「一年に一度のめぐりあいの日」と考えるようになったのだそう。
この二つの「7月7日」にまつわるものが合わさって現在の「七夕(たなばた)」の行事になっているということです。

海の日と、●●記念日

7月の祝日は一つ、「海の日」。1995(平成7)年に制定された当時は7月20日で夏休みの開始と同時というイメージの日でしたが、2003(平成15)年のハッピーマンデー制度により7月の第三月曜日に変更になりました。

今年2021年は特別に7月22日(木)が海の日となり、23日にスポーツの日が移動してきているので、祝日連休になりました。

また、ちょっとおもしろいところでは俵万智さんの短歌にある「サラダ記念日」が7月6日。
俵万智さんによる「この味がいいねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日」と詠んだことから短歌ブームが巻き起こり、また「記念日」という言葉もこの短歌から広がったのだそうです。

そういえば7月にある、土用の丑の日って一体何なの?

7月といえば、忘れちゃいけないのが「土用の丑の日」
イマイチいつなのかわからずに、毎年スーパーに行って気づく、という方も多いのではないでしょうか(はーい、私です!)。

そもそも土用の丑の日とはなんぞやといえば、まず「土用」は古来中国の哲学思想「五行(木・火・土・金・水)」のひとつで、四季それぞれの終わりの時期が「土用」とされています。
なので、正確には春夏秋冬すべてにそれぞれ「土用」があるのですが、現在は夏のみ「土用」といわれることが多くなっています。

「丑の日」は十二支の「丑」であり、じつは暦上すべての日は十二支にあてはめて「●の日」ということができます。

その二つを組み合わせて「夏土用の最初の丑の日」という日がいわゆる「土用の丑の日」。日付は毎年変わりますし、なかなか素人では算出もできないので、スーパーの店頭やニュースで日付をチェックするのが無難でしょう。

土用の鰻は平賀源内が立役者!?

でも、「丑の日」の言葉上のつながりはまったくない鰻を食べるようになったのはなぜなのでしょうか。
そもそも夏土用の時期は夏バテをしやすい時期ということで、昔から鰻に限らず「精の付くもの」を食べる習慣自体はありました。
そこで名前が上がるのが江戸中期に学者、芸術家、発明家などなど様々な才能を発揮して活躍した平賀源内
一説によると平賀源内が「夏場に鰻が売れない」ことを相談され「本日は土用の丑、鰻食うべし」と書いた看板を出させたことで客が押し寄せた……ということなのですが、ほかに平賀源内の著作にある記述を元にしたという説などもあるそう。
どれもそのことを明記した資料は残っていないそうで、”伝説”のようなものかもしれません。
でも、今や夏になるとなんとなく鰻が食べたくなるのも事実。
平賀源内の功績に思いを馳せながら、おいしい鰻に舌鼓を打ちたいものです。

体調管理には注意!

夏になりきれない、でも暑さも厳しくなる7月。湿気もあいまって過ごしにくい日もあり、体調を崩しがちになる季節でもあります。

くれぐれも夏バテや熱中症には気をつけてくださいね。

林さやか

フリーの編集者兼ライター。「本が好き」の一心で編集者になったものの、スポーツ、文学、手芸、東洋医学など興味はとことん「広く浅く」。父親のやっていたパソコン通信から中学生でインターネットにハマった1983年生まれ。