日差しの強い夏場こそ使いたいスマホカメラの「HDR機能」とは

写真を撮る際、フレーム内に収まった明るい部分と暗い部分のどちらに明るさを合わせて調整すべきか迷った経験はありませんか? そんな時ぜひ活用したいのがHDR機能です。

屋外にてスマホカメラで写真を撮る際、フレーム内に収まった明るい部分と暗い部分のどちらに明るさを合わせて調整すべきか迷った経験はありませんか?
そんな時にぜひ試してみてほしいのが「HDR機能」です。
最近のスマホであれば、価格を問わず幅広い機種に搭載されているこの機能。
とくに夏場には活躍の可能性大なだけに、自分のスマホカメラにも備わっていないか、ぜひ確認してみてください。

HDRとは

HDR機能の「HDR」は「High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ)」の略称で「えいちでぃーあーる」と読みます。
スマホのカメラにおいては「ハイダイナミックレンジ合成」を意味する言葉として使われることが多いですね。
HDR機能では、1枚の写真を撮影する際にも、実際には露出(光の取り込み方)の設定を変えた複数枚の写真を撮影。
それぞれの写真のよいところを生かして1枚合成写真に仕上げます。
全体的に明るさのバランスがよい写真が撮れるほか、実際に目で見た景色に近い仕上がりになるといったメリットがあります。
ちなみに1度の撮影で実際には複数枚の写真を撮影するため、例えば動く被写体の撮影に向く機能ではありません。
また夜の屋外をはじめとする暗い場所での撮影においても、手ブレがおきないような工夫は必要となります。

HDR機能オフ・オンで撮影した写真を比べてみる

HDR機能付きのスマホの場合、おもにはカメラの撮影画面、あるいは撮影モードの選択画面や設定項目の中に、HDR機能をオフ・オンする項目が用意されています。
ここでは例として、実際にHDR機能オフおよびオンで撮影した写真を見ながら、どのような効果が得られるのかを確認してみましょう。
まずはHDR機能をオフにして撮影した写真。

この写真を撮影した日は空が暑い雲で覆われ、太陽を直接確認することはできず。
ただしそれでも空はかなり明るかった印象。
写真でも空の明るさにフォーカスしたことで、街路樹の下は真っ黒に潰れてしまいました。
これをHDR機能をオンにして撮影したのが次の写真。

HDR機能を使うことで、まず街路樹の下にある道路、そこを走る車の姿もしっかり確認できるようになりました。
加えて全体的に雲がかかった空も影の濃さにより、雲の厚い部分と薄い部分が確認できるように。
このように全体の明るさのバランスが整った写真を撮ることができるのが、HDR機能の特徴です。
HDR機能が特に効果を発揮するのは、今回のように被写体と背景のコントラストが大きいシーン。
日差しの強い日中の屋外、あるいは逆光の場面でも活躍します。
とくに夏場は屋外でアウトドアやレジャーを楽しむ機会が増えるとともに、写真に映り込む太陽の日差しも強くなります。
まさにHDR機能が活躍する季節です。
なおHDR機能による写真の仕上がりはメーカーや機種によって異なります。
中には少し色がきつめに出てしまう場合も。
また撮影シーンによってもHDR機能を使わないほうがよい色味に仕上がるケースもあります。
便利な機能であることは間違いないですが、シーンを問わず万能に使えるものではないので、臨機応変な使い分けもぜひ意識してみてくださいね。

まきはら とよかず

1986年生まれ。仙台在住。スマートフォンをはじめとする「ガジェット」に関心を持つフリーランスのブロガー/ライター。中でも特に関心が強いのは海外向けのSIMフリー製品で個人輸入なども楽しんでいます。ややマニアックなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」もほぼ毎日更新中。