最近よく聞くスマホの「ベゼル」って何?

「スリムベゼル」「ベゼルレス」など、スマートフォンの説明でよく聞く「ベゼル」(Bezel)という言葉は、ディスプレイの周囲を囲む場所を示す言葉ですが、そもそもは、どういう意味なのかを説明します。また、ベストなベゼルの設計とはどんなものか、なんのためにベゼルはあるのか、なども解説!

新しい技術を採用した機種が次々と発表されるスマートフォン。
そんななかでも最近とくに、機種の特徴を説明する際に使われるケースが増えているのが「ベゼル」という単語。
いわれてみると「スリムベゼル」「ベゼルレス」なんて言葉は目にしたり、耳にしたりしたことがあるかも……。
でも、それって何のことなの?
今後のスマホ選びで重要なポイントのひとつとなってくるであろう「ベゼル」について、復習しておきましょう。

「ベゼル」とは画面周囲の枠のこと

ベゼル(Bezel)とは、英語で「枠(わく)」「縁(ふち)」といった意味を持ちます。スマートフォンやタブレットにおいてはディスプレイの周囲を囲む場所を示して使われる単語です。
下の写真を例に見ると、ディスプレイ周囲のエリア(白い部分)一帯をベゼルと呼びます。

ベゼルは何のためにあるの?

ベゼルの主な役割はディスプレイの保護、あるいは外装の強度を確保することです。基本的に操作や表示などの役割は持ちません。
最近のスマートフォンは、多くの機種でディスプレイを保護する素材にガラスが使われています。傷への耐性を備えるガラスですが、落下時に直接衝撃が加わると割れやすいといった弱点も。これを補うため、落とした際に真っ先に衝撃をうけやすい角の部分にはベゼルを設け、ディスプレイを保護しています。

また多くのスマホではベゼル部分にマイクや物理ボタン、サブカメラ(自撮りカメラ)、センサー類を配置しています。
こういった装置を収める場所としてもベゼルは活用されています。

大きくなりすぎても難点が……

一方でベゼルの幅や面積がムダに広くなると、それだけディスプレイ周囲に何もないスペースが増えることに。結果として端末の本体サイズが大きくなってしまいます。
これは逆にいえば、ベゼルを上手に狭く設計できれば、大きなディスプレイを搭載しつつ、スリムで持ちやすい端末が実現できるともいえます。
例をあげると、最近ではSamsungが「Galaxy S8/Galaxy S8+」という機種でベゼル面積を大きくカットした新デザインを採用。
下の写真はGalaxy S8+の実物ですが、大きなディスプレイと持ちやすさの両立に成功していることが見た目にもわかります。

また2017年9月に発表されたAppleのiPhone「iPhone X(アイフォーン・テン)」でも、ベゼルを大きく省いたデザインが採用され注目を集めています。

今後のスマホの「ベゼル」、注目ポイントは?

ディスプレイサイズは最近どんどん大型化の傾向に。
一方で、大きくなりすぎて携帯性が悪くなると、そもそも「”携帯”電話」という根本がおかしくもなりますね。
そこで「大きな画面をいかにコンパクトに搭載できるか」がこれからさらに注目ポイントになっていくことでしょう。
とはいえ先ほども触れたとおり、ベゼル部分には多くの装置が配置されることも多く「よし狭くしよう!」と簡単に面積を狭くすることはできません。
つまりは各メーカーの腕の見せどころに。
今後新しいスマートフォンをチェックする際にはぜひ、「ベゼル」の存在にも注目してみてください。

まきはら とよかず

1986年生まれ。仙台在住。スマートフォンをはじめとする「ガジェット」に関心を持つフリーランスのブロガー/ライター。中でも特に関心が強いのは海外向けのSIMフリー製品で個人輸入なども楽しんでいます。ややマニアックなガジェット系ブログ「そうすけブログ.com」もほぼ毎日更新中。