パソコンのキーボードを見て、「なんでアルファベット順じゃないんだろう?」と思われた方も多いのでは?
実はこれにはキーボードの歴史が関係しているんです!
一般的なキーボードの配列とは?
ほとんどの方がお使いのキーボードの配列は「QWERTY配列(クワーティはいれつ)」と呼ばれています。
なぜその名称かというと、アルファベットのキーがある段の行が、左から「QWERTY」と並んでいるため。
これは、タイプライターが作られたときに採用された配列が元になって、現在にも引き継がれているといわれています。
キーボード配列にまつわる諸説
1873年、タイプライターの開発の際にショールズ(Christopher Latham Sholes)によってこの配列の原型が提案され、試行錯誤を経て1882年に現在のキーボードのアルファベット部分と同じ配列が登場しました。
ショールズがこの配列にした理由については諸説あります。
- 早く打ちすぎるとタイプバーが絡まるので、わざと打ちにくい配列にしたという説
- セールスマンが製品のプレゼンテーションを行う際に、”TYPE WRITER”と打ちやすくした(2行目にあるキーだけで打てる)説
- “ER”や”TR”などの二重子音を、利き手でない左手に集めてタイプバーが絡むのを防止しようとした説
- 印刷業の植字工組合の制定した「活字箱の配列法」を基にしたという説
- 市場を独占するために、タイプライティングする人達にトレーニングが必要な配列として、容易に他社製品へ切り替えできないようにした説
しかし、どれも確実な根拠は乏しく、本当のところはよくわかっていません。
知られていない配列も
諸説が乱れているキーボードの歴史ですが、QWERTY配列の後にも新しい配列が生み出されています。
1936年にワシントン大学の教育心理学者ドボラック(August Dvorak)博士が、アルファベットの出現頻度に基づき、打鍵(だけん)効率の向上を徹底的に追求したDvorak(ドボラック)配列を開発し特許を取得しました。
タイプコンテストで優勝した多くの人が、このDvorak配列を使っていると言われています。指と指の距離移動が少なく、腱鞘炎になりにくいとか。
ただ、現在はQWERTY配列がスタンダードとなっているため、世界的にもそれほど普及していないそうです。
普段使っているキーボードにもこんな深い歴史があったんですね!
身近なものでも改めて考えると「そういえばなぜ?」と感じるものは多いもの。調べてみると、意外な発見があっておもしろいですよ。