絶対見たい!世界に誇る「日本庭園」5選

日本には、世界に誇る美しい庭園がたくさんあります。でも、実は行ったことがないという人は意外に多いはず。いつかは行きたい個性豊かな庭園を、厳選して紹介します!

皆さんは日本庭園に行ったことがありますか? 「いえ・・・」と答える人は意外に多いのではないでしょうか。
でも、日本には世界に誇る美しい庭園がたくさんあるんです。海外から高い評価を受ける庭園、宿泊して楽しめる庭園など、それぞれに個性溢れる庭園を厳選して紹介します!

御船山楽園(佐賀県武雄市)

つつじが、こんなに美しく咲き誇る風景を見たことがありますか?

佐賀県にある国登録記念物・御船山楽園。まさに楽園という名がふさわしい、目を奪われる美しさです。
鍋島藩の第28代武雄領主・鍋島茂義公が、日本を代表する狩野派の絵師を京都から招いて完成予想図を描かせ、約3年かけて1845年に完成。池を中心に造られ、その周囲をめぐる路を回遊して鑑賞する、池泉回遊式庭園です。
約15万坪の敷地内には数十万本の植物が植えられており、春になると、20万本のツツジが、標高210mの御船山の断崖を背に咲き乱れるそう!
ツツジの見頃は4月中旬。2015年3月20日から5月6日まで開催される「花まつり」の期間中は、九州最大級の桜のライトアップも。2000本の桜、樹齢170年の大藤など、花が好きな人もそうでない人も、ぜひ一度観に行ってみたいものです。
▼御船山楽園のなかに静かに佇む「御宿竹林亭」に泊まることもできます

栗林公園(香川県高松市)

まるで昔話に出てくるお姫様のような気分になれそうな、こちらの庭園。

国の特別名勝に指定されている庭園の中で最大の広さを持つ、香川県の栗林公園。その広さは東京ドーム16個分。この橋、渡ってみたいですよね・・・!
江戸時代、元亀天正の時代に当時の豪族佐藤氏によって築庭されたのが始まり。讃岐高松藩の歴代藩主により百年余りの歳月をかけて完成された、日本を代表する回遊式大名庭園です(園内を回遊して鑑賞する回遊式庭園の中でも、大名が築造した庭園を指します)。
旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では「わざわざ旅行する価値がある」を意味する三つ星に格付けされています。
栗林公園を案内するiPhoneアプリもApp Storeで配布中。Googleストリートビューで見る栗林公園で予行演習するのも楽しいです!
▼栗林公園に隣接している宿はこちらで確認できます

足立美術館(島根県)

目の前に広がるのは、まるでリアルな水墨画。

What a beautiful Teien・・・! 思わず呟きたくなるこちらは、島根県にある足立美術館
創設者は、農家に生まれ、裸一貫から日本一の横山大観コレクションを有するようになった足立全康氏。日本庭園と日本画の魅力を知ってもらいたいという願いを込めて、昭和45年、71歳の時に創設されました。
米国の日本庭園専門誌「Sukiya Living/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が、全国900カ所以上の名所旧跡を対象に実施した「2013年日本庭園ランキング Shiosai Rankiing」で、「11年連続庭園日本一」に選ばれています。
四季折々の美しさを見せる枯山水庭をはじめ、5万坪におよぶ6つの庭園で味わえる自然と人工の調和美。外国人でなくても、実際に訪れて体感したくなりますよね。
ちなみに枯山水庭とは、禅寺に多く見られる庭園様式。水を用いず白砂や石組みなどで山や水の風景を表現しています。「なるほど、水なしの山水だから枯山水か」「白砂に描かれている模様は水なのね」などと理解した上で見ると、さらに味わいが増しそうです。
▼足立美術館の近隣に泊まれる宿はこちらで探せます

石亭(広島県)

日本庭園を眺めながらくつろげる宿、ないかなぁ・・・。

・・・あるんです! 広島県の宮島を一望する斜面に佇む庭園の宿、石亭。こちらも前述の「Shiosai Rankiing」上位にランクインしています。
垣根越しに臨む瀬戸の島々、山水画さながらに広がる山々の稜線。まぶしい朝日と共に、のどかな午後の日差しと共に、そして夜はライトアップされた庭園と共に、ゆったりと過ごせる宿。海も山も庭園も、すべてひとりじめできるなんて、贅沢この上ないですよね。
宿に並ぶのは、家具作家の作り出すテーブルのほか、ハンス・J・ウェグナーのベアーチェアー、フィン・ユールのチーフティンチェアーなどなど。名作チェアに腰掛けて、読書を楽しみながら日本庭園を眺める・・・そんな過ごし方ができる宿は、世界でここだけかもしれません。
外国からやってくる友人をアテンドするもよし、記念日に宿泊するもよし。時と共に表情を変える庭園と共に楽しいひとときを過ごせば、帰る頃には日本庭園が大好きになっているかも。
▼庭園の宿「石亭」へのご宿泊予約はこちら

起雲閣(静岡県)

最後にお届けするのは、筆者が唯一訪れたことのある庭園です。

静岡県の熱海市指定有形文化財、起雲閣。1919年に実業家の別荘として築かれ、岩崎別荘、住友別荘と並ぶ「熱海の三大別荘」として知られています。
1947年には旅館として生まれ変わり、山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治など、日本を代表する文豪たちにも愛されてきました。2000年からは熱海市が所有し、一般公開されています。
庭園を臨む建物は、日本・中国・欧州などの装飾や様式を融合させた洋館で、独特のたたずまいを持っています。特に、目が覚めるような群青の壁に囲まれた和館「麒麟・大鳳」の座敷は、一度見たら忘れられないインパクトです。
そして、そこから見下ろす庭園がまた優雅で良いのです。「お殿様気分とは、こういうものだろうか」と、初めてそんなことを思いました。熱海といえば温泉地として有名ですが、ここを訪れると訪れないとでは熱海の印象が大きく違ってくるかもしれません。
▼「起雲閣」の近くに泊まれる宿はこちらで探せます
・・・いかがでしたか? おそらく今回紹介したどの庭園も、写真より実際に訪れたときの方が何倍も素敵だと思います。なぜなら、訪れたことのある起雲閣がまさにそうだから! 百聞は一見にしかず。気になった庭園があったら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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ダヨリン(ヨダエリ)

パソコン通信からネットに親しみ、ユーザー視点に立ったデジタル活用術の記事を『日経新聞』『日経ネットナビ』など多数の媒体で手がける。「イマ・ヒト・ココロ」が執筆テーマで、恋愛アナリストとしての著書も。思春期はドイツ在住。好物はお茶とROCK。 ⇒ダヨリン普通日記