今年は60年に1度の好機! 伊勢の太陽パワーを浴びる「おかげ参り」へ

2014年は60年に1度の「おかげ年」。参拝の朝に、神々しい「日の出」を見ることができるスポットを紹介します。

太陽にも例えられる「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」が祀られている伊勢神宮。昨年は、神宮の建物などを20年ごとに新調する「式年遷宮」で賑わい、過去最高の参拝客を記録した。厳かな雰囲気が漂う聖地に一度は赴きたい、という人は多いが、実は今年は参拝には絶好の1年となる。
伊勢参りは、遷宮の翌年の方が御利益があると言われている。神様の引越しが終わり、エネルギーが新しいお宮で再生されるためだ。しかも今年は、「遷宮の翌年」の中でも、およそ60年に1度の「おかげ年」と呼ばれる年にあたる。
おかげ年の伊勢参りは「おかげ参り」と呼ばれ、江戸時代に始まった習慣だ。文政13(1830)年のおかげ年には、当時の人口の1/6にあたる460万人が参拝したと伝えられる。奉公人が主人に無断で(陰で)参拝したり、(神様のお陰で)強い御利益があったという噂から、「おかげ参り」と呼ばれるようになったという。
今回は、おかげ参りに加え、天照大御神の象徴である太陽の神々しさを味わうべく、「日の出プラン」をぜひオススメしたい。日の出を拝むにふさわしい場所は、「伊勢神宮内の宇治橋」と「二見の夫婦岩から昇る日の出」の2スポット。
冬至前後の宇治橋からは大鳥居の中に日の出が拝め、また、夫婦岩の向こうから昇る太陽は、天照大御神を祀った皇女がその美しさに二度見したといわれている。
しかも、伊勢に昇る日の出は、ただの日の出ではない。この地方では、正月に飾る「しめ縄」を1年を通して飾る習慣がある。1年の始まりの元旦と同じくらい、日々生まれる太陽に感謝し、毎日を大切にしているためだという。つまり、伊勢では「毎日が元旦」であり、毎日が「初日の出」と言っても過言ではないのだ。
厳粛な神宮に参拝する朝、早くから起き出して眺める太陽は、御利益をさらに高めてくれるに違いない。

「おかげ参り」で一緒に見たい。極上の「日の出」スポット

【夫婦岩】 4月〜8月がおすすめ

伊勢湾に面した二見興玉神社の沖合に佇む、大小2つの岩。夏至の前後4カ月は夫婦岩の間からの日の出が拝める。さらに夏至前後2週間は、はるかに望む富士山頂付近から太陽が昇る絶景が見られることも。※2014年の夏至は6月21日

【宇治橋】 11月下旬〜1月下旬頃

冬期は、伊勢神宮内にある宇治橋が絶好の日の出スポット。この時期に見られる鳥居の中から昇るご来光は、まさに「神々しい」のひと言。人生で1度は見ておきたい日の出といえるかも。

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安川幸利(やすかわゆきとし)

元サーイ・イサラ編集部員。旅に出ることが好きで、学生時代には貧乏旅行で国内外を周遊した。お金があると使ってしまう性格なので、未だに貧乏旅行が多い。