両親や祖父母ともっとコミュニケーションを取るためにスマホを持って欲しいと思っても、キャリアではシニア向けスマホを勧められがちです。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
試しにシニア向けスマホを買ってみたけど、気に入らなくてすぐに使わなくなった、という話をよく聞きます。
本当はシニアにはどんなスマホが喜ばれるのか、ちゃんと使ってもらうにはどうしたらいいのか、考えてみましょう。
シニアはシニア向けスマホを使わない?
実際、シニア向けスマホを使っているシニアは少ないようです。
MMD研究所の「2017年シニアのスマートフォン利用に関する調査」によると、60歳~79歳のシニアの46.8%はシニア向けではない普通のスマホを使っています。次に、41.6%が普通のフィーチャーフォン(ガラケー)を使っています。
シニア向け仕様の端末を使っているユーザーは少なく、シニア向けスマホのユーザーは1.4%、シニア向けフィーチャーフォンのユーザーは4.1%です。
出典:2017年シニアのスマートフォン利用に関する調査(MMD研究所)
シニア向けのスマホを使わない理由
周りのシニア層にシニア向けのスマホを持たない理由を聞いてみると、次のような答えが返ってきました。
「まだそんな年じゃない」
「いかにもシニア向けなものは恥ずかしいので持ちたくない」
「もっとかっこいい機種がいい」
シニア向けスマホはどうも「かなり高齢の方向けで、ちょっと恥ずかしい商品」という位置づけのようです。
つまり、普通のスマホを普通に使えるようにしてあげれば、もっと使ってもらえるのではないでしょうか?
シニアに向いたスマホってどんなの?
では、シニアにはどのような端末が向いているのでしょうか?
シニアに勧めるスマホには、いくつかのポイントがあります。
iPhoneかAndroidか?
iPhoneかAndroidかは、あまり気にする必要はありません。本人が気に入ったものであれば、それが一番です。
家族や友人が多く使っている方を選ぶのもいい方法です。わからないことがあっても聞きやすいからです。代わりに設定するときも、同じOSなら簡単です。
格安スマホでも大丈夫?
筆者の周りを見ると、シニアの初めてのスマホは「子供や孫からのおさがり」+格安SIMでの契約が多いです。格安SIMはデータSIMだけにして、通話はこれまでのフィーチャーフォンを使っていることもあります。
格安スマホはショップのサポートが少ないのでそのままでは使いにくいことも。最初の設定は子供や孫がしてあげたり、その後必要なサポートをしてあげれば、充分普通に使うことができます。
ただし格安スマホでデータSIMの契約にすると、SMSが使えないため、LINEの認証ができません。
その場合は、次のような手段で最初の認証を行いましょう。
- 最初は音声通話SIMを契約する(最低1年間の契約が必要です)
- FacebookでIDを作成し、Facebookで認証を行う
これらの方法でIDを作ることはできますが、キャリアによる年齢認証ができないので、ID検索はできません。友だちの追加には「ふるふる」やQRコードを使います。
画面の大きさはどのくらい?
年齢が上がると細かい文字が見づらくなるので、大きな画面のほうが便利です。しかし、多くのシニアには普通のサイズのスマホがおすすめです。大きなスマホはその分重たくなったり、持ちにくくなったりするからです。とくに女性はバッグに入りやすいサイズを好むことが多いですよね。
また、設定で文字を大きくすることで、小さな端末でもある程度見やすくできます。
シニアがスマホをスムーズに使うにはサポートが重要
両親や祖父母と気軽にスマホで連絡を取り合えたらとても便利です。
しかしただスマホを渡すだけでは、初めての操作に戸惑い、苦手意識を持たれることもあります。そこで、近くにいる子供や孫から次のようなサポートをしてあげましょう。
- メールソフトなどの設定をやってあげる
- 天気予報やQRコードリーダーなど、使いやすいアプリを勧めてあげる
- 文字の大きさや明るさを変えて目に優しい画面設定にする
- 迷惑メールや悪質な広告への対策をアドバイスする
そうすれば、両親や祖父母もスムーズにスマホを使えるようになり、連絡もコミュニケーションもしやすくなるでしょう。
関連記事
・親にiPhoneをプレゼントするときのおすすめ設定&アプリ
・プロが教える、スマホ初心者のシニアに伝える5つのコツ
・「ウイルスを検出しました」スマホで突然現れる画面に注意!