※PowerPoint2019で説明します。
ピクセルでサイズ指定された画像を作成するには
ホームページや印刷物の素材として、1200ピクセル×800ピクセルといったサイズを指定された画像を求められることがあります。そんなときにパワーポイント(PowerPoint)には通常のファイル保存以外に、スライドを画像として保存する機能があり、これを使うと簡単に作成することができます。
最初にスライドのサイズをピクセルで指定する
まずはじめに通常のスライド作成と同様に「新しいプレゼンテーション」を作成します。1枚目のスライドを下図のように、「ホームタブ」>「レイアウト」を開き、白紙のスライドレイアウトにします。
この白紙のレイアウトを、最終的に作成する画像のサイズに変更します。
「デザイン」タブから「スライドのサイズ」をクリックし、「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択します。
パワーポイントのスライドサイズはセンチメートル(cm)またはインチで指定することになっており、ピクセル数での表示はできません。以前は必要なピクセル数×0.02646……といった計算をしていたのですが、最新の2019バージョンでは必要なピクセル数にpxという単位を加えて入力すると、自動でcmに換算し直してくれるようになりました。
この例では、820px(幅)×360px(高さ)というFacebook(フェイスブック)のカバー写真を想定してサイズを指定しました。入力前の単位はpxですが、入力後はそれから換算したcmの表示になります。
自由に写真をレイアウトする
820px(幅)×360px(高さ)を入力するとスライドは横長の長方形になります。このスライドサイズが最終的に作る画像サイズになりますので、枠内に自由に画像を配置します。1枚の画像をあとでご紹介するフィルターなどを使って仕上げてもよいですし、複数の写真を枠内にレイアウトして1枚の画像に仕上げてもよいでしょう。
この例では、6枚の写真ををレイアウトして、1枚の画像に仕上げます。
まず「挿入」タブの「画像」から挿入します。「図の形式」タブ>「図のスタイル」から斜めに傾けた枠を選んで編集してみました。この「図の形式」タブは、画像を選択していないと表示されません。
これを6回繰り返し、スライドに配置し、スライド全体の背景として四角形を描き、色をつけ、最背面に配置しました。これで準備完了。
JPEG画像として保存する
「ファイル」タブから上書き保存(または名前を付けて保存)を選び保存します。このとき保存形式を「JPEGファイル変換形式(*.jpg)」を選択します。保存する際に、このスライドだけを保存するか、全スライドを保存するかを尋ねられるので適宜に選択してください。
保存されたJPEGファイルのプロパティを確認します。無事に820ピクセル×360ピクセルになっていれば完成です。
指定のサイズのJPEG画像になりました!
フィルター感覚で写真を加工する
パワーポイントの「図の形式」タブの中には、画像を加工するためのツールが用意されています。この中で写真の加工に便利なものを紹介します。
アート効果で写真をイラスト風に加工する
まずは「挿入」タブ>「画像」から加工する写真を選択して、スライドに配置します。
次に配置した画像を選択して、「図の形式」タブ>「アート効果」を開くと、様々な効果の候補がサムネールで表示されます。たとえば「カットアウト」という効果を選択すると下図のとおり、イラストのような画像になります。
単色にしてスッキリ見せる
アート効果とは別に、写真の鮮やかさやトーンや単色表現などを調整できる「色」という効果もあります。今回はモノクロに仕上げてみました。
写真を切り抜く
これまで写真から必要な部分だけを切り取るには、高価な画像処理ソフトが必要でしたが、最近のパワーポイントには専用の機能が備わっています。代表的なふたつの方法をご紹介します。
写っているものの輪郭で切り抜く
背景が植物の葉でいっぱいの写真から花だけを切り出す。この作業は画像処理のプロにとっても長らく難しいものでした。PowerPoint2019では非常に簡単に作業が行なえます。
まず、加工する写真を用意し選択したら「図の形式」タブから「背景の削除」をクリックします。
すぐに削除対象の背景部分が紫色に表示されます。この際、アプリが「残さなければいけない部分」「削除しなければいけない部分」の判断を間違えることがあります。その場合、メニューに表示されている「保存する領域としてマーク」と「削除する領域としてマーク」それぞれのツールを使い手動で修正します。
ツールをクリックすると鉛筆型のアイコンに変わりますので、対象となる領域に持っていきクリックします。(範囲を囲むようにも使えますが、大抵は1点をクリックするだけでよいようです)下図では、上の黄色い指差し部分が「保存する領域」で、下が「削除する領域」です。
削除する背景部分が決定したら「変更を保持」をクリックして終了です。
おなじみの図形で写真を切り抜く
パワーポイントには描画用の図形があらかじめ用意されていて、チャート作成などで使用される方も多と思います。この図形で写真を切り抜くこともできます。「図の形式」タブ>「トリミング」に続き、「図形に合わせてトリミング」を選択します。
すると写真が仮に切り抜かれた状態になります。ここで再び「トリミング」をクリックすると図15のように削除する範囲がグレーアウトされます。
この状態でサイズ等を調整したあと、再度「トリミング」をクリックすると切り抜きが完了します。
パワーポイントの画像編集力は大変強力なものですが、使い方はあまり知られていないようです。基本的な操作感覚はプレゼン資料作成などで使うのと大きく変わらないので、パワーポイントになれた人にとっては一般的な画像処理ソフトを新たに覚えるより使いやすいかもしれません。
まずは、なにか写真を一枚用意していろいろ試してみてください。あっという間に、画像加工があなたの得意領域になりますよ!
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