Dropboxは、もともとはローカル(パソコン側)のファイルをクラウド上にあるストレージに保存するサービスとしてスタートしました。しかし、その後、さまざまなサービスを付加して、価値を高めています。
機能について紹介する前に、まず料金体系を整理しておきましょう。
無料の「Basic」プランは2GBまでのストレージ容量を利用できます。有料のプランには「Plus」「Family」「Professional」「Stadard」「Advanced」の5種類があります。正確にはもうすこしありますが、教育用やエンタープライズ用は省きました。
Plus | Family | Professional | Stadard | Advanced | |
対象 | 個人向け | 家族向け | 個人事業主向け | 成長中のチーム向け | 複雑なチーム向け |
ストレージ容量 | 2TB | 2TB | 3TB | 5TB | 必要なだけのスペースを購入 |
ユーザー数 | 1人 | 6人 | 1人 | 3人以上 | 3人以上 |
料金 | 1,200円/月 | 2,000円/月 | 2,000円/月 | 1,500円/月 | 2,400円/月 |
料金は月払いと年払いの二通りがありますが、年払いのほうがお得になります。
以下、特別の注記がない限り、紹介する機能はすべてのプランにおいて利用できます。
ファイル形式を変換する
私たちはふだんパソコンやスマホで文書、画像、音声、動画などのファイルを利用しますが、これらのファイルには複数のファイル形式があります。画像形式ならbmp、png、jpeg、gifといった具合です。通常の場合、たとえばbmp形式の画像ファイルをjpeg形式に変換するには、一旦ダウンロードしてから画像編集ソフトを使って変換作業を行う必要があります。
しかしDropboxでは、クラウド上に置かれた画像ファイルを、ユーザーがよく利用する「png」「jpeg」「pdf」のいずれかの形式に直接変換して保存することができます。つまり、画像編集ソフトを開く手間を省けるわけです。ファイル形式の変換は任意のファイルを選択後、「…」をクリックして「名前を付けて保存」を選び、新しいファイル形式を選択することで行えます。
2022年4月、ここに新しく追加されたのは、音声形式のサポートです。たとえば、動画のMOV形式から、MP3、WAV、M4Aなどの音声形式に直接変換して保存することができます。動画から音声だけ抜き出したいときなどに便利ですね。また、より汎用的なMP3の動画形式に変換することも可能です。
▲movファイルを開き、画面上部の「名前を付けて保存」を開いたところ。MP4、MP3、WAV、M4Aの4つの形式に変換してダウンロードできる
大容量ファイルを送信する
2019年11月にリリースされたのが、「Dropbox Transfer」という大容量ファイルの送信サービスです。パソコン内にあるファイルをコピーして送信することができます。
「Dropbox」にもともとある共有機能と異なるのは、受信者がダウンロードしたかどうかを確認できる点です。仕事などで使う場合、確認ができるかどうかは重要ですね。
「Dropbox Transfer」はプランによって、利用方法が異なります。
まずは容量の違い。「basic」プランは100MBまで、「Plus」「Family」「Standard」プランは2GBまで、「Professional」「Advanced」プランは100GBまでのファイルを送信できます。
次に有効期限とパスワードの設定。「Professional」以上のプランであれは、共有ファイルにダウンロードの有効期限、パスワードを設定することができます。「basic」、「Plus」プランの場合、ダウンロード期限は一律に1週間となり、パスワードは設定できません。
▲送信したいファイルを右クリックし、「Dropbox」から「Dropbox Transfer」を選ぶ。「転送を作成」をクリック。メールアドレスを入力するか、リンクをコピーしてメッセージソフトなどで相手に伝える
Officeファイルの保存場所に指定する
もともとDropboxはどんな形式のファイルでも保存できますので、Word文書やExcel文書のバックアップも可能でしたが、新機能により、作成中のOffice文書を直接、Dropboxに保存することも可能になりました。
「アカウント」→「基本設定」→「全般」で「Microsoft Officeで保存先としてDropboxを表示する」をチェックします。
Word文書の「ファイル」から「名前をつけて保存」を選択。選択先の候補として「Dropbox」が表示されます。
Dropboxに保存したWordファイルを開きます。閲覧だけでなく、編集も可能。編集アプリは「Word for the Web」(無料)、「Google Docs」(無料)、「Word」の三つから選ぶことができます。
スマホで新規ファイルを作成する
ふつうDropboxではパソコンでファイルを作成、スマホでファイルを参照という流れになることが多いですが、逆パターンも可能です。スマホのDropboxアプリで新規ファイルを作成し、それをパソコンで参照あるいは編集して続きを書くという流れです。
この機能が便利なのは、作った新規ファイルがDropbox上に保存されるので、デスクトップパソコンやノートパソコンなどいろいろな環境で開ける点です。どこでアイデアを練り、書こうと、つねにすべての端末で最新バージョンを扱えるわけです。
新規ファイルを作成するためには、「Dropbox by Paper」というアプリをインストールしておく必要があります。Paperは画像やその他のメディアファイル、表、タイムライン、個条書きなどを挿入できる多機能なメモ管理アプリで、Webブラウザ上で利用します。
▲「作成」ボタンをタップし、次に「ファイルを作成/アップロード」ボタンをタップ。「Paper」を選び、保存場所を選択。画面上の「作成」をタップする
パスワードを保存する
有料プランで提供していたパスワード管理ツールが無料になりました。「Dropbox Basic」プランの利用者は限定版を利用できます。Chromeの機能拡張である「Dropbox Passwords」を追加すると、推測しにくいパスワードを作成し、保存できるようになります。
▲Chromeに機能拡張を追加すると表示される画面
ファイルを集める
クラウドストレージの使い方のひとつに共同作業があります。
たとえば、複数人が一箇所に写真を集めたいとします。このとき、メールの添付機能を使って集めるのはあまりにも面倒です。代表者はいちいちファイルをダウンロードし、圧縮してあれば解凍作業を行い、ファイルを特定のフォルダに移動させなければならないからです。
そんな時に役立つのが、Dropboxの「ファイルリクエスト」機能です。新機能ではありせんが、覚えておくと便利な「技」と言えるでしょう。この機能では、メンバーに一斉にファイル送信のお願いを発信し、目的のファイルをアップロードしてもらいます。「ファイルリクエスト」を使えば、形式を問わず、すべての関連ファイルを一箇所にまとめることができます。
画面左側にあるメニューから「ファイルリクエスト」を選び、「新しいリクエスト」をクリックしてタイトルと説明を入力します。タイトルはそのままサブフォルダのタイトルになるので、注意深く名づけましょう。「作成」ボタンをクリックして、次の画面に進み、メンバーのメールアドレスを入力します。リクエストURLをコピーすることができるので、LINEやメッセージソフトなどで伝えてもOKです。
送信する側はDropboxにログインする必要はありません。ファイルを選び、名前と宛先のメールアドレスを入力して「アップロード」をクリックするだけで複数のファイルを送信できます。
集まったファイルを閲覧できるのは自分だけですが、フォルダに共有設定を行えば、メンバー全員で閲覧することも可能です。
▲「ファイルリクエスト」をクリックし、作成画面に必要事項を記入する。次の画面ではリクエストする人のメールアドレスを書き足していく。あるいはリンクをコピーし、別の方法で伝えてもOK
▲「ファイルリクエスト」フォルダの直下に「サブフォルダ」が作成され、そこに集まったファイルが蓄積される
スクリーンショットを共有する
新機能ではありませんが、スクリーンショット(画面キャプチャ)をよく使う人に便利なのが、「Dropboxでスクリーンショットを共有」機能です。「Print Screen」キーを押すと画面全体が、「Alt」キーと「Print Screen」キーを同時に押すと注目ウインドウが、画像としてDropbox内の「スクリーンショット」フォルダ内に保存されます。
通常はこれらのキーを押しても、画像イメージがクリップボードに保存されるだけなので、自動的に画像ファイルとして保存されるのはありがたい機能です。この機能をオンにするためには、「アカウント」の「基本設定」から「バックアップ」を開き、「Dropboxでスクリーンショットを共有」にチェックを入れます。
▲「アカウント」→「基本設定」から「バックアップ」を開き、「Dropboxでスクリーンショットを共有」にチェックを入れる
以上、Dropboxの便利そうな新機能を紹介してきました。
Dropboxは指定したフォルダだけを選択的に同期する機能を備えています。複数のパソコンやスマホを利用する場合、それだけでもたいへん重宝するのですが、今回紹介したような機能を使いこなすと、より一層便利さが増すのではないかと思います。
なかなか奥深いDropboxの世界、ぜひ探求してみてください。
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*1 IPv6に対応していないサービス/サイトはIPv4接続となります。
*2 最大通信速度は光回線タイプによって異なります。最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。