Excel関数が苦手な人は「関数の挿入」機能を使ってみよう

「エクセルの関数はややこしくて苦手……」こんなときは、関数を整理しながら記述できる「関数の挿入」機能を使ってみませんか?使い方を紹介します。

「仕事でExcelを使う機会が多いけど、関数は複雑で苦手……」こんな方、意外と多いのではないでしょうか。

実はExcelには、ややこしい関数を整理しながら記述できるサポート機能「関数の挿入」機能があります。「正しく書いているはずなのにエラーになる」「関数を見ただけでは何が何だかわからない」という方はぜひ参考にしてください。

関数の挿入機能とは

関数の挿入とは、関数の内容や値を整理し、解説とともに表示してくれる補助機能です。たとえばVLOOKUP関数であれば、こんな画面で内容を一覧表示してくれます。

各引数には何が指定されているのか明確に表示してくれるため、ミスに気付きやすくなりますし、内容の把握も簡単です。横並びの関数を見る場合と比べ、ずっとわかりやすいのではないでしょうか。

関数の挿入機能の使い方

具体例を見てみましょう。こちらの表からデータを取り、商品番号の入力で商品名を自動表示できるようにします。

こういったケースではVLOOKUP関数を使用することが多いです。基本の記述方法は次のとおり。

【VLOOKUPの記述】
VLOOKUP(検索値,範囲,列番号、[検索方式])

今回も、このように商品名のセルに関数が入っています。

しかし、VLOOKUPは引数が多く、指定の方法も少々わかりにくいため、慣れない場合はつまずくことも多いです。そこで「関数の挿入」を使って、引数を整理しながら関数を書いてみます。

Excelの画面上部に、入力内容が表示されるバーがあり、その隣に関数マーク(fx)のボタンが表示されています。

関数を入力したいセルを選択している状態でこのボタンをクリックし「関数の挿入」ダイアログボックスを表示してください。

関数の検索で、関数でやりたいことや関数名を指定し「検索開始」を選ぶと、候補が一覧で表示されます。

VLOOKUPの場合は、関数名や「検索」などと指定すると一覧に出てきます。

一覧に表示された関数名を指定しOKをクリックすると、選択した関数の画面に切り替わります。VLOOKUPの場合はこんな感じです。

ここで「検索値」「範囲」「列番号」「検索方法」の各引数を入力していきます。

直接入力もできますが、関数の引数画面では、セル番地や範囲を指定する場合、シート上で直接選択することで自動表示も可能です。今回の例では、検索に使用する商品番号はC11に入力することになるので、C11セルをシート上でクリックします。

このように、各引数を順に埋めていきます。画面下部に、各引数に何を入力すればよいか解説が記載されているので、そちらも参考に進めていきましょう。

引数欄が全て埋まりました。見ていただければわかるように、この画面では、指定した引数それぞれに、入力内容に応じた結果が表示されます。

現在の指定内容でどのような値が返るのかも表示されますので、想定通りの結果になっているか、確認しながら進めましょう。

この関数をこのまま実行すると、前述のとおり次の結果になります。

「関数の入れ子」が必要なとき

関数を利用する場面では、しばしば関数のなかに関数を入力する「入れ子」が必要なケースがあります。このときも、関数の挿入機能は便利です。

たとえば、先ほどの例は、商品番号欄を空にしたり、存在しない商品番号を入力したりすると「#N/A!」「#VALUE!」などのエラーが表示されます。

そこで、IFERROR関数を使って、エラー表示が出ないようにしてみましょう。

【IFERROR関数の記述】
IFERROR(値, エラーの場合の値)

今回は、エラーにならない場合のみVLOOKUPで処理を行い、エラーの場合は何も表示しません。関数の記述は次のとおりです。

IFERROR(VLOOKUP(C11,B4:D9,2,FALSE),””)

関数の挿入機能を使って書いてみましょう。先ほどの手順に沿ってIFERROR関数の画面を表示し、VLOOKUP関数を「値」の部分に入力します。今回はエラーの際は何も表示しないため「エラーの場合の値」には、空の文字列を表す「””」を指定します。

このまま実行すると、何も入力しなくてもエラーは表示されなくなります。

Google スプレッドシートの類似機能

現状、Google スプレッドシートには、紹介したようなサポート機能は実装されていません。そのかわり、関数の入力時に参照できる「関数のヘルプ」機能があります。

Google スプレッドシートで関数を呼び出すと、入力セルの隣に「?」マークが表示され、クリックすると関数の説明を確認できます。

 

「何の値をどこに指定すればよいかわからない」といった場合は活用してみてください。

分かりにくい関数は整理しながら使おう!

「関数の挿入」機能は、ややこしくなりがちなExcel関数を、整理しながら書くことができる優れものです。関数に苦手意識を持っている方、ぜひ試してみてください。

いちはら

今日の晩御飯から不動産・転職までこなすマルチジャンルライター。Twitterでも活動中。Twitter:@IchiharaMakiwo