【Excel】さまざまな集計を簡単に行えるピボットテーブル

Excelにはいろいろな集計機能がありますが、なかでも覚えておきたいのがピボットテーブルです。数式や関数を使わなくても、大量のデータを集計したり、分析したりすることができます。

Excelを使って大量のデータを集計したり、分析したりしたい時に便利なのがピボットテーブル機能です。
たとえば、たくさんの項目からなる「売上表」があるとします。売上げは毎日立つので、表は膨大なものになるでしょう。

ここから有意義な分析をするには、「視点」をもつことが大切です。たとえば、店名を軸にして必要な項目を表示すれば、地域属性の分析が行えます。

ピボットテーブル機能を使うと、ただの数字の羅列が、仕事で使える集計表に生まれ変わります。操作はマウスだけで行うことができ、数式や関数を使う必要がありません。

まずはシンプルな作例でご説明しますが、行や列が増えるほど、ピボットテーブル機能は本領を発揮しますよ。

ピボットテーブルを作ってみよう

元データとして、デザートの売上高の集計表を作ってみました。

この表を眺めているだけでは、どのメニューがどの季節によく売れているのか、単価と個数の関係はどうなっているのか、といったことまではわかりません。そういった「視点」をもって表を眺めるのが、ピボットテーブルの役割です。

表は一行目に「商品名」「販売日時」「価格」「販売個数」「合計」と項目名を入れています。この時、セルの結合などの凝ったレイアウトを使わないことが大切です。

では、ピボットテーブルを作ってみましょう。ピボットテーブルは、「挿入」タグの中にあります。

▲商品名の最初のセルを選択してから、「挿入」タブをクリックし、「テーブル」から「ピボットテーブル」をクリックする

▲「ピボットテーブルの作成」ダイアログがあらわれたら「OK」をクリックする

▲別シートにピボットテーブルのフィールドの作業ウインドウがあらわれる

「ピボットテーブル」をクリックすると、別シートが開き、ピボットテーブルのフィールドの作業ウインドウが表示されます。作業ウインドウは上部に項目の一覧が、下部にフィルター、列、行、値の欄があります。上部の項目を下部の欄にドラッグすることで操作します。

まず、「値」の欄に「合計」をドラッグしてみましょう。画面左側にすべての合計金額が表示されます。

▲「値」の欄に「合計」をドラッグする

次に「商品名」を「行」の欄にドラッグしてみます。すると、総計の内訳として、商品名ごとの合計が表示されます。便利ですね。

▲「商品名」を「行」の欄にドラッグする

この数字が単価によってどのように変化しているのかを見てみましょう。今度は「価格」を「列」欄にドラッグします。

▲「価格」を「列」欄にドラッグする

いろいろな角度から表を眺める

数字はいろいろな並べ替えができます。並べ替えたい数字の入っているセル(ここではF5)を右クリックすると、「並べ替え」や「計算の種類」といった項目が出てきます。まず「並べ替え」を試してみましょう。「昇順」をクリックすると、数字が小さい順番に並び変わります。

▲セルを右クリックすると、メニューが表示される。その中から「並べ替え」を選択

▲商品名が価格の低い順に並び変わる
また、「計算の種類」をクリックすると、合計だけではなく、データの個数や平均、最大値、最小値、積などを表示させることができます。

▲セルを右クリックして「値の集計方法」を選ぶと、いろいろな数値を表示させることができる

いろいろな計算方法を選べるのも面白いですね。たとえば「成績表」の分析をするときには、ここでの「平均」が役立ちます。

日時を表示する

項目の中でも「日付」を集計する場合は、少し特殊な集計になります。まず「行」に入っている項目「商品名」を「列」に移動します(ドラッグすればOKです)。次に「販売日時」を「行」にドラッグします。すると、年ごとの商品名の合計額が表示されます。

▲「商品名」を「列」に移し、「販売日時」を「行」にドラッグする

月ごとや日ごとにデータが入っている場合は、「四半期」や「販売日時」のデータも隠れています。年の前に付いている「+」をクリックすると、細かい情報が表示されます。

▲年の前の「+」をクリックすると、四半期ごとの合計が表示される
もし、四半期が邪魔なようなら、「行」内の「四半期」を削除しましょう。自動的に年の下に月ごとの情報が表示されるようになります。

分析の中で時間軸は大切な要素です。たとえば、「在庫管理」や「売上表」など多くの表で、季節による変化を見ることができますね。

フィルターを使う

作業ウインドウの「フィルター」は、特定の項目を隠すことができる機能です。たとえば、「列」にあった「商品名」をフィルターにドラッグしてみましょう。

▲「商品名」を「列」から「フィルター」に移動する

それまで表示されていた商品名の列が消え、一行目に「商品名(すべて)」という表示があらわれます。右端の「▼」をクリックすると、すべての商品名にチェックの入ったウインドウが表示されます。このうち、見たいデータ(ここではバニラアイス)以外のチェックを外していきましょう。

▲一行目の「商品名(すべて)」の右端にある「▼」をクリックする。商品名がすべて選択された状態のウインドウがあらわれる

▲「バニラアイス」以外のチェックを外し、「OK」ボタンをクリックする

▲表に「バニラアイス」のデータだけが表示される

これで「バニラアイス」だけのデータが表示されます。退勤管理などの表で、特定の社員の出退状況を取り出したりする時に便利に使えますね。

以上、ピボットテーブルについてざっと見てきました。データをさまざまな観点から見直す機能であるということがおわかりいただけたかと思います。「顧客データ」や「在庫管理」「退勤管理」「売上げ管理」などさまざまなデータを見やすく加工するのに役立つ機能です。ぜひ、実際に利用してみてください。

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深川岳志

1960年、兵庫県生まれ。大学時代はSF大会(Daicon3、4)の運営にのめり込む。卒業後、編プロを経てITライターに。ショートショートを書くのが趣味。note:https://note.com/fukagawa