電化製品の大敵のひとつに、「雷」の存在があります。
特に夏場などは外でゴロゴロゴロ……と雷鳴が鳴り響いたり、遠くの空が光ったりする光景が日常的に見られますよね。とはいえ「そうそう雷が近くに落ちることはないだろう」と、あまり気にかけていない人もいらっしゃるかもしれません。
ですが、いざ近くに雷が落ちてしまうと、さあ大変。
しっかり対策を施していれば問題はありませんが、場合によっては一発で電化製品がダメになってしまいます。修理して直るともかぎらず、特にパソコンはハードディスクの故障も起こり得るため、仕事で使っている人にとっては死活問題です。
そこで本記事では、そんな雷が電化製品に対して引き起こす大問題「雷サージ」の対策をご紹介。そもそも「雷サージ」とは何なのか、基本的な説明に加えて、その対処法も説明します。
「雷サージ」とは?
「雷サージ(らいサージ/かみなりサージ)」とは、落雷時に瞬間的に発生する異常な高電圧や、その影響で流れる異常な電流のこと。
雷サージはアンテナや電線などを通って建物内に流れ込むため、コンセントで接続している電化製品に到達する恐れがあります。これによって、パソコン、テレビ、冷蔵庫、電話機といった、あらゆる電化製品が壊れてしまう可能性があるわけです。
とはいえ、「雷が自分の住む建物にピンポイントで落ちるなんて、そうそうないんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、雷サージは雷が直撃しなくても発生する現象です。
雷サージには、近くの電線や建物のアンテナに雷が落ちる「直撃雷」以外にも、電線の近くにある樹木や建物への落雷が電線を通って伝わる「誘導雷」や「逆流雷」という種類があります。ですので、最低限の対策はしておいたほうがいいでしょう。
雷サージ対策はどうすれば?3つのポイント!
では、雷サージによる電化製品の故障を避けるためには、どのような対策が考えられるのでしょうか。ここでは3つのポイントから説明します。
① 電源コードなどのケーブル類を抜く
シンプルかつ確実な手段として挙げられるのが、「ケーブルを抜いてしまう」方法。
電解製品のコンセントはもちろん、電話線やLANケーブルなど、外部と接続されているケーブル類はとにかく全部抜いてしまいましょう。物理的な接触を切ってしまえば当然、電化製品まで過電流が到達することはありません。
雷鳴が聞こえてくるたびに抜くのは現実的ではありませんが、被害をゼロにするもっとも確実な方法でもあります。ただ、いつ雷が落ちるともしれない状況でケーブルに触るのは危険です。絶縁性のあるゴム手袋などを使って抜くようにしましょう。
② 雷サージ対策が施された電源タップを使う
コンセントを抜くより現実的な方法としては、雷サージ対策が施された電源タップを使うのもおすすめ。
家電量販店の電源タップコーナーで、「雷ガード」「耐雷サージ機能付」「雷ブロックタイプ」などと書かれた製品を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。これらの機能を持つ製品を選べば、ある程度は対策ができます。
ただし、これらの電源タップでも雷サージを100%防げるというわけではありません。雷サージが引き起こす高電圧&過電流は通常の何万倍、何十万倍にも及ぶと言われており、製品にも限度はあるからです。特に直撃雷は、防ぐのが難しいのだとか。
とはいえ、まったくのノーガードよりは、雷サージを防げる可能性が格段に上がります。まずは自宅にある電源タップに対策が施されているかを確認してみて、もしガード機能がないようでしたら、この機会に購入してみてはいかがでしょうか。
③ 無停電電源装置(UPS)を使う
直接的に雷サージを防ぐ方法ではありませんが、停電時の緊急手段として「無停電電源装置(UPS)」を導入する、という方法もあります。
UPSがあれば、停電などで電力供給が途絶えても、一定時間は電化製品に電力を供給することができます。これをパソコンと接続しておくことによって、停電によるパソコンの故障やデータ消失を防ぐことが可能、というわけですね。
なかには、停電すると自動的にパソコンをシャットダウンするように設定できる機種もあります。パソコンを常時起動しておく必要がある場合や、大切なデータを取り扱う仕事をしている方におすすめです。
まとめ
以上、電化製品の故障につながりかねない「雷サージ」の問題と、その対策について説明しました。
基本的には、雷サージを防ぐ機能のついた電源タップを導入すればOK。ただし落雷の頻度には地域差がありますので、雷の多い場所にお住まいの方はより本格的な対策を施すことをおすすめします。