面倒でもWindows Updateをするべし!その理由とは?

時間がかかるからとついつい後回しにしてしまいがちなWindows Update。でもこの作業は「やればメリットがいっぱい」「やらないとデメリットしかない」ものなんです。その理由を説明します。

パソコンで作業しているときに表示されるWindowsの「更新」の通知ほど、プチストレスになるものはありません。Windows 10では、作業中に自動的に更新のための再起動がかかってしまうということはありませんが、過去バージョンでは突然の再起動に悩まされた人も多いのでは?

Windows Updateとは、一体何でしょうか。しないとどんな問題が生じるのでしょうか。

Windows UpdateはOSを最新の状態に保つオンラインサポート

Windows Updateは、Windows OS(基本ソフト。PCを操作するのに欠かせないオペレーティングシステムのこと)を最新の状態に保つためのオンラインサポート機能のこと。OSの発売後、またはPCに組み込んだ後に見つかったシステム上の問題を修正したり、ときには新機能を追加したりするといったことをしてくれます。

世の中には他人のPCに対して重要な情報を抜き出そう、サイバー犯罪のための足がかりにしようといった、悪意ある攻撃を行う人がいます。そのような人は、PCに組み込まれたOSのセキュリティホール、つまりわずかなほころびを見つけて、そこへ攻撃を仕掛けます。

完全に塞ぐことはできないため、いたちごっこではありますが、既知のセキュリティホールを塞ぐことが、Windows Updateには含まれます。

つまり、Windows Updateとは、PCを快適に操作できるようにするだけでなく、費用をかけずに自分のPCを守ることのできる機能だ、というわけです。

Windows Updateの具体的な内容

Windows Updateには、次の5種類があります。

  • 機能更新プログラム
  • 品質更新プログラム
  • サービススタック更新プログラム
  • ドライバーの更新プログラム
  • Microsoft製品の更新プログラム

品質更新プログラムが配信されるのは月に1度、日本時間では第2水曜日または第3水曜日となっています。これには、セキュリティとセキュリティ以外の修正プログラムが含まれ、前述のPC保護に役立ちます。

サービススタック更新プログラムは、簡単にいえば、Windows更新プログラムをインストールするためのコンポーネント(部品のようなもの)を最新状態にするもので、毎月のWindows Updateとは違うタイミングで配信されることがあります。

気になるのは「機能更新プログラム」。俗に大型アップデートと呼ばれるものです。こちらは年に2回行われ、ちょっと使い勝手が良くなったり、全く新しい機能が追加されたりします。

最新のもの(Windows 10 October 2020 Update)では、次のようなものが追加されました。

Windows Updateで追加された機能とは?

ダークモード表示

スマホでおなじみのダークモードは、クールな印象を与えるだけでなく、場合によっては省電力になります。また、夜間の作業では目に入る光を抑えるため、ぐっすり眠れるようにするのに貢献するかもしれません。このとき追加された機能としてはカラーモードを「白」「黒」から選べるようになりました。

▲上画像が「白」、下画像が「黒」を選んだもの

タスクバーにサイトをピン留め

よく開くサイトを保存するのに、ブックマーク、デスクトップへのショートカットの作成などがありますが、新たにMicrosoft Edgeでは、保存したいサイトを開いているタブをタスクバーにピン留めすることができるようになりました。

これにより、「ブックマークのどのフォルダに入れていたっけ?」「ウィンドウだらけで、デスクトップのショートカットアイコンになかなかたどり着けない」といったプチストレスから解放されるでしょう。

拡大鏡機能でテキスト読み上げ

Windows OSにはもともと拡大鏡という機能(アプリ)があります。これは「虫眼鏡」のツールを使って、よく見たいところだけを大きく表示するというものです。

画面解像度を下げる(1文字ずつが大きくなる)ことや、ブラウザーやExcelといったアプリの表示を拡大することとの違いは、「表示情報量そのままで、虫眼鏡でなぞった部分だけが拡大表示される」というところでしょうか。

その拡大鏡が、さらにアクセシビリティをアップして、テキストの読み上げも可能になりました。使い方は簡単で、拡大鏡アプリを起動したら、拡大鏡ツールの「ここから読み上げ」ボタンをクリックし、Webブラウザー上の読み上げたいテキストをクリックするだけです。

タスクバーのカレンダーから予定を追加

タスクバー右側に表示されている時刻と日付をクリックして、スケジュールを入力できるようになりました。Microsoftアカウントで予定を管理していない人でも、とりあえずメモしておくのに便利でしょう。

画像を素早く切り取って共有

ネットサーフィンをしていて、興味深いと思った箇所を、素早くSNSに共有したり、集合場所の地図に矢印を入れたいというようなことがあるでしょう。そのようなときに便利なのが切り取り&スケッチ機能です。

タスクバーの検索窓に「切り取り&スケッチ」(“&”は半角。前後に半角スペースを入力)と入れて呼び出すこともできますし、より簡単に切り取りたいなら、Windows+Shift+Sキーのショートカットで呼び出せます。

なお、切り取ったものはクリップボードにコピーされているだけなので、書き込みをしたい場合は切り取り直後に右側に表示されたサムネイルをクリックして「切り取り&スケッチ」アプリを開き、作業してから保存しましょう。書き込まないのであれば、メールやドキュメント、ペイントなどに貼り付けます。

自分のPCを守る

魅力的な新機能が追加されることもあるWindows Updateですが、地味であっても、セキュリティ上の問題を修正する毎月の品質更新プログラムも忘れずに取得するようにしましょう。

数万人規模の個人情報が漏洩した、というニュースを耳にしたり目にしたりすることがありますが、わたしたちが使っているPCも決して対象外ではありません。

特に、会社から貸与されている、または業務で使っているPCであれば、たとえ面倒であっても必ず更新したいものです。

「重要な機密情報など、持っていない」「バレて困るものはない」と思う人もいるかもしれません。ここは、メールやSNSでやり取りしている相手に迷惑がかかることまで想定したいものです。

また、自分のPCを踏み台にして、大企業のサーバーへサイバー攻撃を仕掛けられることもあります。犯罪の片棒を担がないためにも、塞げる穴(セキュリティホール)は塞いでおきましょう。なんと言っても無料なのですから。

Windows Updateの方法は?

Windows Updateは、Windows 8以前のOSやMac OSのように自動的に行われません。自分の好きなタイミングで行うことができます。

例えば、更新プログラムを一時的に(7日間)停止させたり、更新を完了させるための再起動する時間帯を、普段使わない時間に設定したりさせられます。

また、「再起動のスケジュール」から、任意の時間に設定し、その時刻になったら自動的に更新を完了させられるようにすることもできます。

ここでは、終業後、PC作業を行わない時刻を設定してみました。

更新プログラムの有無は、[Windows]>[設定]>[更新とセキュリティ]>[Windows Update]から確認できますし、タスクバーでもチェック可能です。

更新プログラムがあることを確認したら、都合の良いタイミングでPCを再起動して更新を完了させましょう。

タスクバーに表示されている通知をクリックするか、[Windows]>[設定]>[更新とセキュリティ]>[Windows Update]へとクリックしていき表示されたWindows Update画面内にある「今すぐ再起動する」ボタンをクリックするだけです。

更新プログラムのダウンロードとインストールにかかる時間は、ネット環境とPCの性能によって変わってきます。

例えば、筆者宅では光回線を引いていますが、テストに使ったPCのCPUがIntel Celeron N4100という、安価なものだったこと、さらには普段使わない端末のため、数カ月の間、アップデートしておらず、更新する内容が多かったことから、22分もかかってしまいました。

もちろん、頻繁にアップデートを行なっていて、CPUも高スペックのものであれば、そんなにかからないはずです。

更新作業自体はクリックひとつで終わるのに、実際にかかる時間は長い。それこそがWindows Updateを渋る原因でしょう。更新プログラムが配信されていることはタスクバーを見ればわかります。その都度こまめにアップデートするようにしましょう。

途中で電源を切るとどうなるの?

なお、更新時には「コンピューターの電源を切らないでください」と表示されます。もし、バッテリー不足などが原因で切れてしまったらどうなるのでしょうか。

最悪の場合、起動しなくなる、ソフトウェアが壊れる、といったことが生じますが、ほとんどの場合、次回のPC起動時に、Windows Update機能が働き、更新プログラムが適用されたかされていないかを自動的にチェック。必要があれば、再度、アップデートする、という流れになります。

これは二度手間なので、できるだけ電源に接続した状態で行ったほうが良さそうですね。

また、Windows UpdateはOSを最新の状態に保つオンラインサポートのひとつです。更新プログラムも、オンラインで入手できます。そのため、安定したインターネット回線に接続した状態で行いましょう。光回線であれば安心ですね。

まとめ

Windows Update機能を利用した更新プログラムの適用には時間がかかるもの。とはいえ、新機能が追加されたり、悪意あるサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ上の問題を修正したりと、わたしたちにとってメリットのある機能です。

「PCを開いたら突然アップデートが始まってしまい作業できない!」という困った仕様から、任意のタイミングでできるように、ユーザーに寄り添ったものに改善されていますので、自分の身を守るためにもきちんと行っていきたいものです。

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渡辺まりか

デジタルガジェットをこよなく愛するフリーライター。専門学校で約10年の講師経験あり。小型船舶操縦士免許2級、乗馬5級、普通自動二輪免許など趣味多し。