仕事でエクセルを始めとする表計算ツールを使う方は多いのではないでしょうか。表計算ツールには、データの抽出や分析を自動化に設定できる「関数」機能が搭載されています。皆さんはどのくらい使いこなしていますか?
「ちょっと自信ないかも……」という方のために、この記事ではエクセルとGoogleスプレッドシートで共通で利用できる基本的な関数を紹介します。
数値の合計を求める(SUM/SUMIF)
表データを取り扱う際によく使うのが「値の合計」です。関数には、特定の範囲の数値を合計する「SUM」と、条件に合った数値を合計する「SUMIF」が用意されています。
SUM関数はセルに「=SUM(合計範囲)」と記入します。
下の画像では合計範囲を「D3:D9」としていますが、これで「D3からD9」の合計を算出しています。
その他、「=SUM(E1,F3,G10)」のようにカンマで区切ることで、離れたセルの合計を算出することもできます。
SUMIF関数はセルに「SUMIF(検索範囲,検索条件,合計範囲)」と記入します。
SUMIFは、検索範囲のなかから特定の条件に一致するセルを検索。対応する数値を抽出し、その合計の値を算出します。
下の例では「B列の分類に「惣菜」と指定されている売上データのみ抽出する」という作業を行っています。関数の指定はこのようになります。
=SUMIF(B3:B9,”惣菜”,D3:D9)
数値の平均を求める(AVERAGE)
AVERAGE関数は、範囲内の数値の平均値を算出できます。
計算式は「=AVERAGE(数値の範囲)」と記入します。
下の画像では、C3からC6の範囲の値の平均値を出しています。
最大値・最小値の検出(MIN/MAX)
任意の数値の範囲のなかから、最大・最小の値を検出するのがMIN関数とMAX関数です。
MIN関数は「=MIN(セルの範囲)」と記入します。下の画像では、C3からC6の範囲で一番小さい値を検出しています。
MAX関数は「=MAX(セルの範囲)」と記入します。下の画像では、C
3からC6の範囲で一番大きい値を検出しています。
同じ行の値の検出(VLOOKUP)
表の中から、特定のデータに対応した別の列の値を抽出する場合に使用できるのがVLOOKUP関数です。
VLOOKUPは「=VLOOKUP(検索値,検索する範囲,列番号,検索方法)」と記入します。
下の画像では、E3の値(さんま)を、B2からB9の範囲で検索し、対応する金額を範囲の中の左から2番目の列(C列)から抽出しています。
VLOOKUPを使用するうえで間違いやすいのは以下の三つのポイントです。
- 列番号には(検索範囲の中で)「左から数えて何番目か(1から数える)」を指定する
- 検索範囲は検索値と検索対象の値の入っている範囲全て(例ではB列からC列の値が入っている範囲)を指定する
- 検索方法は特に指定がなければ「FALSE(完全一致)」を入力する
- 検索値の含まれる列が左端にくるよう範囲を指定する
検索方法の指定は「品番に対応する価格を出す」などの使い方であれば「FALSE」を指定します。省略も可能ですが、その場合はTRUE(近似一致)として計算が行われます。完全一致の場合とは異なる値をピックアップする可能性があるため注意してください。
値の入ったセルのカウント(COUNTA)
指定範囲の中で、値の入っているセル、つまり空白ではないセルをカウントするというシンプルですが便利な関数です。
COUNTAは「=COUNTA(セルの範囲)」と記入します。
条件に一致する値のカウント(COUNTIF)
値が入っているセルを無条件に全て数えるCOUNTA関数に対し、指定の条件を満たすものだけカウントするのがCOUNTIF関数です。
COUNTIFは「=COUNTIF(セルの範囲,カウントするセルの条件)」と記入します。
たとえば、下の表では、C3からC9の範囲で価格が5万円以上の高額商品の数を数えています。
=COUNTIF(C3:C9,”>=50000″)
※「>=」で「〇〇以上」の指定が可能。
数値の他に文字列や文字を指定することも可能です。下の例であれば、検索条件に「”A*”」と指定することで、Aから始まる品番の入ったセルをカウントすることもできます。
関数を使いこなして業務を効率化
表データを業務で扱うのであれば、関数は効率化に非常に役立ちます。今回紹介したものはエクセルとスプレッドシート共通で使用できます。
使いこなせれば大幅に作業が効率化しますのでぜひ試してみてください。