WiMAXとポケットWi-Fi ってどう違うの?おすすめはどっち?

WiMAXとポケットWi-Fiの違いが分からない方もいるのではないでしょうか。この記事ではWiMAXとポケットWi-Fiとの比較から、高速インターネットが工事不要で利用できるWiMAXの特徴や速度、メリットデメリットまでご紹介します。

モバイルルーターについて調べていると必然的に目に入る、「WiMAX」と「ポケットWi-Fi」の文字。

いずれも「モバイルルーター」の一種ですから、一見すると同じようなサービスにも見えますが、実は多くの相違点があります。なんとなく別物だとは理解していても、具体的な違いとなると説明できない人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「WiMAX」と「ポケットWi-Fi」を比較してご紹介。

そもそも何が違うのか、基本的な部分を整理しながら、それぞれの特徴とサービス内容について説明します。

「WiMAX」と「ポケットWi-Fi」は何が違うの?

まず、WiMAXとポケットWi-Fiは、いずれも「モバイルルーター」の一種です。

モバイルルーターとは、持ち運び可能な通信端末のこと。スマートフォンと同じくらいのサイズのデバイスで、パソコンやスマホと接続してインターネットを使うことができます。コンパクトで気軽に持ち歩けるため、喫茶店などで使っている人もたびたび見かけますね。

ただし、同じように見えても「WiMAX」と「ポケットWi-Fi」は、異なる通信方式による別のサービスです。

それぞれどのような特徴を持っていて、何が違うのか、順を追って整理していきましょう。

「WiMAX」とは?

「WiMAX」は、UQコミュニケーションズが提供する通信回線サービスの名称です。街中で「UQ WiMAX」の単語を目にした覚えがある人も多いのではないでしょうか。
「WiMAX」はUQ WiMAX以外にも、BIGLOBEなど複数のプロバイダでも契約可能。どのプロバイダで契約しても回線自体はUQ WiMAXと同じWiMAX回線なので、速度や通信制限、エリアに違いはありません。

WiMAXの最大の特徴は、独自の通信技術を用いた回線を持っていること。
私たちは普段よく「4G」や「Wi-Fi」といった無線通信技術を使ってインターネットに接続しますが、WiMAXではそれらとは別の「WiMAX 2+」という専用の回線を利用しています。

さらに、auの回線を併用できるのも大きな特徴。auの5G/4G LTE回線に切り替えてネットに接続できるため、WiMAX 2+が繋がりにくくなった際にも安心です。こちらは大手キャリアの回線ですので、全国の広いエリアで使えるのもメリットですね。

WiMAXではモバイルルーターだけではなく、自宅に設置して使うホームルーターも提供しています。以下にそれぞれの最新機種の比較表を記載しますので、参考にどうぞ。

モバイルルーター(Speed Wi-Fi 5G X11) ホームルーター(Speed Wi-Fi HOME 5G L12)
対応ネットワーク 5G (Sub6/NR化) / 4G LTE / WiMAX2+ 5G (Sub6/NR化) / 4G LTE / WiMAX2+
最大速度 受信2.7Gbps / 送信183Mbps 受信2.7Gbps / 送信183Mbps
連続通信時間 約490分(初期設定時) 無制限
最大同時接続台数 16台 40台 (5GHz:20台+2.4GHz:20台)
サイズ 約136.0×68.0×14.8mm 約101×179×99mm
重量 約174g 約446g

「ポケットWi-Fi」とは?

対する「ポケットWi-Fi」は、ワイモバイルが提供するモバイルルーターの名称です。

モバイルルーター全般を指してこのように説明している記事もありますが、厳密には「ポケット型Wi-Fi」という表現のほうが適切。「型」のない「ポケットWi-Fi(Pocket WiFi)」はソフトバンクの登録商標ですので、なるべく使い分けたほうが良いでしょう。

「ポケットWi-Fi」の初代製品は2009年に発売されており、10年以上にも及ぶ歴史と実績があります。近年は他社の類似製品も増えていますが、今もサービスを展開し続けており、モバイルルーターの代名詞的存在ともなっています。

これらポケット型Wi-Fi(モバイルルーター)は、一般的には4G/LTEなどの通信方式でインターネットに接続しています。仕組みとしては、スマートフォンなどと同じですね。同じモバイルルーターでも、WiMAXは独自の回線を利用しているため、通信方式に違いがある、ということです。

WiMAXとポケットWi-Fiの違いを整理してみよう!

では、モバイルルーターとして比較した場合、WiMAXとポケットWi-Fiにはどのような違いがあるのでしょうか。もちろん機種ごとの差もあり、一概にどちらが優れているとは言えませんが、ここではそれぞれの最新機種を例に挙げて比べてみました。

WiMAX Speed Wi-Fi 5G X11(WiMAX) Pocket WiFi 5G A102ZT(ワイモバイル)
対応ネットワーク 5G (Sub6/NR化) / 4G LTE / WiMAX2+ 5G / FDD-LTE / AXGP / TDD-LTE
下り最大通信速度(5G) 2.7Gbps 2.4Gbps
速度制限 なし 3日間で約10GB以上
バッテリー容量 4,000mAh 5,300mAh
サイズ 約136.0×68.0×14.8mm 約141×69×15.9mm
重量 約174g 約240g
対応エリア エリアマップ エリアマップ

データ通信方式

通信方式については、独自の回線を持つWiMAXのほうが選択肢の幅は広いと言えそうです。

WiMAX回線は、環境によっては4G通信よりも速度が出ることもありますし、もし通信障害などで4Gが繋がらなくなった場合も、独自回線に切り替えてインターネットに接続することが可能です。これは、WiMAXならではの強みと言えるでしょう。

通信速度&速度制限

通信速度は、下り最大2.7GbpsのWiMAXに軍配があがります。

ポケットWi-Fiも決して遅いわけではありませんが、通信量が上限を超えると速度制限がかかるのがネックです。WiMAXも以前は同様の速度制限があったものの、現在は撤廃されており、ストレスなく無制限のデータ通信を行えるようになっています。

対応エリア

それぞれのモバイルルーターを使えるエリアは、各社の公式サイト上で確認できます。

WiMAX:https://join.biglobe.ne.jp/mobile/wimax/5g/#area
ワイモバイル:https://www.ymobile.jp/area/

シンプルに「対応エリアの広さ」を比較した場合、両者に大きな差はないと言えそうです。

歴史のあるポケットWi-Fi(ワイモバイル)のほうが広そうな気もしますが、先ほども説明したように、WiMAXの5G/4G LTEはauの回線を使用しています。どちらも大手キャリアの回線ですので、若干の対応地域の違いはあれど、大きな差はないと言えるでしょう。

ちなみに、WiMAXの対応エリアのマップの見方は下記記事で説明しています。自分の生活圏が対応しているかどうかをチェックしたい人は、参考にしてみてください。

WiMAXのサービスエリアを確認する方法!マップの見方をチェック

本当にWiMAXのほうがおすすめ?メリット・デメリットをチェック!

モバイルルーターの比較結果を見ると、総合的には「WiMAXのほうがおすすめできる」と言えそうです。

とはいえ、WiMAXも良いところばかりではありません。ここからは、WiMAXの特徴を改めて整理しつつ、そのメリットとデメリットを紹介します。

WiMAXを使う4つのメリット

ざっくりと箇条書きにしてまとめると、WiMAXには以下の強みがあります。

・固定回線に匹敵する高速通信が可能
・WiMAXとauの回線を切り替えて使える
・工事不要ですぐにインターネット環境が手に入る
・モバイルルーターなら外出時にも使える

本記事の前半部分の繰り返しになる部分もありますが、まず何よりも「通信速度の速さ」は大きな強みと言えます。数値上は、光回線レベルの通信速度を実現しています。また、「工事不要」で「持ち運び可能」な点はモバイルルーター全般に当てはまるメリットです。

WiMAXを使う3つのデメリット

逆にデメリットとしては、主に以下の3点があげられます。

・障害物に弱く、繋がりにくい場所がある
・オンラインゲームなどには向いていない
・海外では使えない

特に無視できないのは、やはり「障害物に弱い」点ですね。WiMAXの回線は高速通信を実現している一方、地下や建物の影ではインターネットに繋がりにくくなることがあります。

とはいえ、このデメリットはWiMAXの強みを生かせば解消できます。障害物に弱いのはWiMAXの独自回線の特徴なので、auの5G/4GLTEに切り替えてしまえばOK。周囲の環境に応じてうまく使いこなすようにしましょう。

ただ、WiMAXのモバイルルーターは海外では使えません。他社のモバイルルーターには対応しているものもありますが、残念ながらWiMAXは非対応ですから国外でもモバイルルーターを使いたい人にはおすすめできません。

BIGLOBE WiMAX +5Gとは?

BIGLOBE WiMAXは、その名の通りBIGLOBEが提供しているWiMAX回線のサービス。同様のプロバイダはほかにもありますが、BIGLOBEはKDDIのグループ会社であり、プロバイダ歴25年以上の実績があります。

また、BIGLOBE WiMAXには最低利用期間と契約解除料がありません。クレジットカード決済だけでなく口座振替にも対応しているなど、契約・解約ともにハードルの低いサービスと言えるでしょう。

WiMAXの契約を検討されている方は、選択肢のひとつとして考慮してみてはいかがでしょうか。

▼BIGLOBE WiMAXの詳細はこちらから

強みが明確なWiMAXは、モバイルルーターの選択肢としておすすめ!

現在は数多くのモバイルルーターが複数の事業者から発表されていますが、その違いはちょっとわかりにくいかもしれません。基本的には対応エリアかどうかを確認したうえで、通信速度と料金プランを見比べて検討することになるのではないでしょうか。その点、WiMAXは強みがはっきりしており、選択肢としてもおすすめしやすい印象です。

本記事では主に「WiMAX」と「ポケットWi-Fi」の違いに絞って説明しました。少しでもモバイルルーター選びの参考になりましたら幸いです。

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けいろー(@Y_Yoshimune)

フリーライター。ネット大好きゆとり世代。趣味のブログをきっかけに依頼をもらうようになり、勢いで独立。書評・アニメ・グルメ・旅行など何でもござれ。 ⇒ぐるりみち