自宅のWi-Fiがつながらない・不安定なときの解決方法とは?

煩わしいケーブルなしに、家中どこからでもインターネットに接続できるWi-Fiは、今やなくてはならない家庭内インフラのひとつです。とはいえ、見えない電波を操るためトラブルが多いのも現実。不安定になったときの対処法を紹介します。

街ナカでもよく見かけるようになった「Wi-Fi」という言葉。「Wi-Fi使えます」「Free Wi-Fi」などの看板を見かけたこともあるのでは?

もちろん、お店や公共施設だけでなく、自宅でWi-Fiを設定している人もいることでしょう。Wi-Fiは、無線LANのこと。ケーブルレスでPCをインターネットの世界に接続するだけでなく、家中のWi-Fi対応機器をつなげることもできます。

とはいえ、目に見えるケーブルを使っていないだけあって、つながらない、つながりにくい、不安定になるなどのトラブルがつきもの。この記事では、Wi-Fiにつながりにくいときの対処法をまとめました。

なお、インターネットにつながらないという根本的な問題がある場合は、別記事「インターネットがつながらない!ときの解決チェックポイント」を参考にしてみてください。


▲Wi-Fiルーターとの不安定な接続を解決するには、ほとんどの場合ルーターの設定画面を開く必要があります。上図はそのような設定画面のひとつです

Wi-Fiルーター側の設定をチェック

Wi-Fiルーターとの距離を見直す

Wi-Fiの規格 IEEE 802.11には2.4GHz帯と5GHz帯という2つの周波数帯があります。2.4GHz帯では、壁や床といった障害物を通り抜けられるため電波が届きやすいといったメリットがある反面、電子レンジやIHクッキングヒーターでも使われるため、電波干渉を受けやすく、電波が弱くなるというデメリットがあります。

5GHz帯は、Wi-Fi専用の周波数帯なので、ほかの電子機器の影響を受けづらいというメリットがありますが、障害物があると電波が弱まってしまうというデメリットがあります。

主に利用している周波数帯が5GHz帯であれば、Wi-Fiルーター(またはモバイルルーター)との距離や障害物の有無によって、電波が弱まっており、そのため不安定になっている可能性があります。

「インターネット接続が不安定だ」「通信速度が遅いような気がする」という場合は、電波状況を確認してみましょう。

Wi-Fiルーターとの距離に問題がないか確認するには?

確認方法は簡単です。通知領域のアンテナの本数を見るだけで良いのです。

Windows OS搭載PCであればディスプレイ下部のタスクバー(右側の通知領域)に、macOSを搭載したMacBookシリーズやiMacであればディスプレイ上部のメニューバー(右側のステータスメニュー)に、それぞれ表示されています。

▼Windows


▼macOS


▼スマホ


アンテナの本数が少なければ電波は弱く、多ければ電波が強い状況を表しています。

もし、弱いようであれば中継器またはメッシュWi-Fiを構築するサテライトルーターまたはメッシュ中継機を追加してみましょう。

中継器は、Wi-Fiルーターの親機からの電波を中継することで、電波のつながる範囲を広げる役割があります。親機と異なるメーカー製のものでもWPS(Wi-Fi接続の設定をワンタッチで行える機能)に対応していれば使えるため、比較的に導入のハードルが低いといえます。

しかし、自動的に接続先(ホスト)を切り替えられないため、接続端末(クライアント)を別の部屋で使う際に、手動でより電波の強いホストに切り替えなければならないというデメリットがあります。

サテライトルーターは、親機と同様の役割を、親機から離れた場所で担う機器です。PC作業する場所に設置すれば、たとえそこが親機から離れた場所であったとしても、すぐ近くに親機があるのと同じ電波強度を保つことができます。

また、同じ接続先名(SSID)、同じパスワードで接続でき、クライアントが場所を移動すれば、自動的にホストを切り替え、常に最も強度の高い電波をつかめるというメリットも。


▲サテライトルーターを利用したメッシュWi-Fiの例(NEC プレスリリースより)

サテライトルーターのデメリットは、ほとんどのものが同じメーカー製品しか組み合わせられないということ。Wi-Fi EasyMesh規格に非対応の製品では、「親機は高いメーカーのものを買ってしまったけど、こっちのメーカーのサテライトルーターのほうが安いからこっちにしよう」ということができません。

また、中継器に比べると高価なこと、導入によりわずかではありますが速度が落ちることなどもデメリットとなるでしょう。

同時接続の台数を確認する

Wi-Fiルーターなどには、同時に接続できる台数に制限があります。取扱説明書を読み、同時に接続できる台数を確認しましょう。

特に、最近ではスマート家電が増えつつあります。インターネットに接続するPCやスマートフォンの台数が家族の人数分しかないとしても、照明器具、自動調理器、エアコンなどとつなぐことがあるため、Wi-Fiルーターの同時接続可能台数を簡単に超えやすくなっています。


▲ひとつのWi-Fiルーターに接続されているデバイスリストの例。同時接続台数には上限があります

中継器では、親機への台数負荷を減らせませんが、メッシュWi-Fiであれば負荷を分担させることができます。「接続台数が増えたな……」と心当たりがあるのであれば、親機から取り替えることを考えるタイミングかもしれません。

ファームウェアやドライバーを最新にアップデートする

Wi-Fiルーター等、通信機器のファームウェアを更新することで不具合が解消されることがあります。使用している製品のファームウェアをダウンロードし、書き換えを行いましょう。

同じように、パソコン側にインストールされているルーターのドライバも、最新にアップデートしておきましょう。

なお、最近のWi-Fiルーターでは夜間など利用していない時間帯を指定して、自動的にファームウェアアップデートを行う機能を持つものもあります。取扱説明書、またはメーカーサイトで確認してみましょう。

チャンネルの設定を見直す

Wi-Fiの規格には2.4GHz帯と5GHz帯があり、それぞれの周波数帯はさらに細かく(2.4GHz帯では14あるが実際に使えるのは4、5GHz帯では19)に分割されています。それをチャンネルと呼びます。チャンネルに分けることで、複数の利用者が同時に同じWi-Fiルーターに接続してもインターネットにつながる、というわけです。

基本的に、クライアントがWi-Fiルーターに接続しようとするときに、最も状況の良いチャンネルへと自動的につながる仕組みになっています。しかし、最初は調子が良くても、接続しっぱなしにしていると状況が変わり、混雑してきて電波干渉を起こし、接続が不安定になることも。

そのようなことにならないためにも、チャンネルの自動切り替え設定を行っておきましょう。

具体的なチャンネルの切り替え方法は、Wi-Fiルーターの取扱説明書を確認してください。以下に挙げたリンク先でもおおよその方法を確認できます。チャンネルを切り替えられるWi-Fiルーターでは、チャンネルの選択肢にある「自動」という項目を選ぶようにしましょう。

  • Atermシリーズをご利用の方はこちら
  • BUFFALOのルーターをご利用の方はこちら
  • IO DATAのルーターをご利用の方はこちら

Wi-Fiルーターのステルス機能をオフにする

Wi-Fiルーターにつなごうとすると、場所によってはいくつもの接続先名(SSID)が表示されることがあります。電車の中などでFree Wi-FiにつなげるためWi-Fi設定を開くと「ヒロシのiPhone」などと表示されるのがそれです。

言い換えてみれば、自宅のSSIDが、家の前を通っている人、お隣さんなどからも見えてしまう、ということです。

それを嫌って、「ステルス」つまり、自分のWi-Fiルーターを他人から見えなくするのが「ステルス機能」です。

ステルス機能を使うと、他人から自分のSSIDが見えなくなるため、不正アクセスされにくくなる、と言われていましたが、最新のWi-Fiルーターは、パスワードの総当り攻撃を防ぐ「WPA3」というセキュリティ規格に対応しているものがほとんど。たとえSSIDがわかったとしても、不正アクセスされる恐れはほとんどありません。

むしろ、ステルス機能をONにすることで、接続が不安定になる、つながらないといったトラブルを招くことが報告されています。

また、ステルス機能をONにしたからといって、セキュリティ強度があがるわけではありません。つまり、ステルス機能をONにしたところで、自宅のSSIDが他人から見えなくなること以外のメリットがなにもないのです。

見えなくしたことで、セキュリティ対策をおろそかにするより、見えた状態でセキュリティを強化することのほうが、安心してインターネットを楽しめます。

もし、ステルス機能を有効にしていることがWi-Fiルーターとの接続を不安定にしているのであれば、この際、無効に切り替えてしまいましょう。

MACアドレスのフィルタリング設定を確認・変更する

パソコンやスマートフォン、プリンタなどWi-Fiを受信できる端末は、それぞれMACアドレス(マック・アドレス)を持っています。「アドレス」という名称からわかるとおり、これは各機種を識別するための住所で、数字と「a〜f」のアルファベットから構成される2桁×6セクションで構成されています。

Wi-Fiルーターに、クライアントのMACアドレスを登録しておけば、それ以外の機器を接続できなくなるため、電波の無断使用、不正アクセス、ネットワークへの不正侵入を防止できます。

しかし、新しい端末を買った際、または端末不具合で修理に出したものの戻ってきた端末が別のMACアドレスを持つ同型の端末の場合、ネットにつながらずにイライラする、ということになりかねません。

また、前項で触れたように、最新のWi-Fiルーターは、不正アクセスを許可しない強固なセキュリティ機能が搭載されています。

よほど漏れてはいけない機密事項を扱っている、という場合でない限り、MACアドレスの制限を解除しても問題ないでしょう。


▲MACアドレスを無効にしている例。有効にした場合、右側の「MACフィルターリスト」に、接続可能端末を追加していくことになります

MACアドレスの制限をかけ続けたいのであれば、接続が不安定になっているクライアントのMACアドレスが登録されているかどうかを見直し、設定を変えることで、安定してつながるようになります。

クライアント? それとも……?

上記のものを見直してもつながらない、またはつながっても不安定な状況が改善しない場合はどうすれば良いでしょうか。原因を究明するために、問題を切り分けましょう。

つながらない、あるいは不安定なのは、ルーターに問題があるからでしょうか。それとも接続先の端末、つまりクライアントの設定が間違っているのでしょうか。もしかしたらルーターが故障しているかもしれませんし、場合によってはIPS(インターネットプロバイダ)側で障害が起きているのかもしれません。

クライアントの設定をチェック

手元のクライアントがWi-Fiに接続されなくなったという場合は、ほかのクライアントを起動させ、つながっているかどうかを確認しましょう。もし、ほかのクライアントがルーターとつながっているのであれば、原因はそのクライアント自身にあると考えられます。

解決方法

かんたんにできるものから解決方法を見ていきましょう。

機内モードのオンオフ

まず、機内モードが搭載されている場合は、いったんオンにして、Wi-Fiとモバイル通信の接続を遮断してみましょう。数秒待ってから、再度同じボタンをタップ(クリック)してオフにします。これで解決される場合があります。

▲Windows PCの機内モード切り替えの場所

▲Androidスマホの機内モード切り替えの場所

Androidスマホでは、ステータスバーを下へスワイプし、再度下にスワイプすることで、クイック設定パネル内の機内モードボタンを表示できます

▲iPhoneの機内モード切り替えの場所

iPhoneの場合、iPhone X以降では、画面右上隅から下へスワイプして、iPhone SEとiPhone 8以前では画面下端から上にスワイプすることで、コントロールセンター内の機内モードボタンを表示できます。

接続先であるSSIDの変更

前述のように、Wi-Fiの規格 IEEE 802.11には、2.4GHz帯と5GHz帯という2つの周波数帯があります。お使いのWi-Fiルーターが、周波数帯ごとにSSID(ネットワーク名。簡単にいえば接続名)を設定する必要のあるタイプであれば、クライアントの設定から接続先を切り替えてみてください。Wi-Fiルーターからの距離や環境によっては、これで改善する場合があります。

最近では、SSIDを変えなくても、つながりやすい周波数帯へ自動切り替えする「バンドステアリング機能」を搭載したWi-Fiルーターも登場しています。毎回切り替えるのが面倒だと感じるのであれば、Wi-Fiルーターの買い替えを検討してみてもいいかもしれません。

クライアントを再起動する

一昔前であれば、PCをシャットダウンして「作業終了!」という気分に浸っていましたが、最近ではスマホだけでなく、PCでもよほどのことがない限り、次に使うまでスリープ状態にしておくことが増えています。

しかし、あまりに長い期間、完全に電源を落とすシャットダウンを行っていないと、作業領域であるメモリにタスクが溜まって、クライアントの動作が不安定になってしまうことも。
それをリセットしてスッキリさせるのが、再起動という操作です。もしかしたら、これでWi-Fi接続が安定するかもしれません。

セキュリティ対策ソフトの見直し

スマホと異なり、ウイルスに感染しやすいPCでは、セキュリティ対策ソフトをインストールしている人も多いでしょう。Windows 10とWindows 11を搭載しているPCを使っているのであれば、セキュリティ対策ソフト「Windows Defender」が標準でインストールされています。

もしかしたら、それらのセキュリティ対策ソフトの干渉により、Wi-Fiに接続できなくなっているかもしれません。確認するには、いったんオフにしてみましょう。一時的にオフ(無効)にする方法は、「メーカー名」+「オフ」という検索ワードで表示されます。

Windows Defenderをオフにするには、次の手順で行います(Windows 11の場合)。

ネットワークアイコンを右クリックして表示される「ネットワーク設定とインターネット設定」をクリックします。

次に、最下部にある「ネットワークの詳細設定」をクリックします。

最下部にある「Windowsファイアウォール」をクリックします。

すると、「ファイアウォールとネットワーク保護」ウィンドウが開くので、「プライベート ネットワーク(アクティブ)」をクリックします。自宅用Wi-Fiなのに「パブリックネットワーク」がアクティブになっているようであれば、設定し直してから、このステップに戻りましょう。

「プライベート ネットワーク」が表示されるので、「Microsoft Defender ファイアウォール」をオフにします。

「ユーザーアカウント制御画面」で「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら「はい」を選択します。その後、戻るボタンで「ファイアウォールとネットワーク保護」画面に戻り、「パブリック ネットワーク」でも同様の操作をしておきます。

ルーター周りの設定をチェック

どの端末もつながらない場合は、ルーターに問題がありそうです。どうすれば良いでしょうか。

Wi-Fiルーターとつながっている線を確認する

まず、Wi-Fiルーター機器周辺をチェックしてみましょう。AC電源のプラグは外れていませんか? コンセントからプラグが抜けていないでしょうか? モデムと接続しているLANケーブルは抜けたり緩んだり断線したりしていませんか?

▲電源との接続やモデムとの接続をチェックする

線が抜けていないか、断線していないか、接続部が緩んでいないかなど、しっかり確認しましょう。
抜けや緩みといった、物理的な問題がないようであれば、Wi-Fiルーターを再起動してみましょう。これで接続できるようになるかもしれません。

有線LAN接続でもつながらない

何をやってもWi-Fiがつながらない・不安定だという場合、次に行いたいのはWi-Fiだからつながらないのか、有線接続でもつながらないのか、ということです。
これを確認するために、Wi-Fiルーターと端末を有線LANケーブルでつなげてみましょう。

有線LAN接続するには、端末側にイーサネットポートが必要です。PCであれば、ほとんどの機種が搭載していますが、スマホにはありません。USB Type-C搭載のAndroidスマホでも有線LAN接続できるイーサネットアダプタなどを1つ持っておくと便利でしょう。

例: Anker USB-C to イーサネットアダプタ USB Type-C機器対応 

これでつながるようであれば、Wi-Fiルーターを初期化し、Wi-Fiの設定を最初からやり直しましょう。手順は、各メーカーサイトで確認してみてください。

モデムやプロバイダの問題かも?

Wi-Fiルーターの各ケーブルが正常な状態なのに、どの端末もWi-Fiでつながらない、有線LAN接続でもつながらない、という場合は、モデムまたはプロバイダに問題があるのかもしれません。

ルーターとモデムをつなげているLANケーブルをPCなどのイーサネットポートに挿してみましょう。これでつながるようであればWi-Fiルーターが故障してしまった可能性があります。購入したのはいつのことでしょうか。「形あるものは壊れる」の理どおり、Wi-Fiルーターも経年劣化で壊れてしまいます。買い替えの検討を勧めます。

もし、モデムと端末を有線LAN接続してもインターネットにつながらないのであれば、モデムが壊れている、またはプロバイダ側に障害が起きている可能性があります。プロバイダに連絡して、解決を図ってみてください。

まとめ

電波は目に見えないため、いったん不調になってしまうとサジを投げたくなってしまいがち。そのため、Wi-Fiルーターの設定が苦手、という人もいることでしょう。

でも、単に端末とWi-Fiルーターの場所が離れていてつながりにくかった、Wi-Fiルーターの接続上限台数を超えていた、チャンネルが混雑していた、そもそも接続端末として登録していなかったなど、原因が簡単な場合も多いものです。チェックリストを作り、ひとつひとつ原因と思われるものを根気よくつぶしていけば、解決することでしょう。

それでも解決しなかった、という場合は下記から各メーカーのQ&Aサイトをチェックしてみてください。

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*1 IPv6に対応していないサービス/サイトはIPv4接続となります。

*2 最大通信速度は光回線タイプによって異なります。最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。

 

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渡辺まりか

デジタルガジェットをこよなく愛するフリーライター。専門学校で約10年の講師経験あり。小型船舶操縦士免許2級、乗馬5級、普通自動二輪免許など趣味多し。