「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当てるドキュメント企画「Member」。第五弾は11月25日にメジャー2枚目のアルバムをリリースした九州発のアイドルグループ・LinQ所属の山木彩乃さん。組織の中で生きる中、自分との戦いを繰り広げていた彼女が手に入れた立ち位置とは。
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山木彩乃


LinQが2015年9月にリリースしたシングル「LinQuest~やがて伝説へ...」は、特命プロデューサーシリーズ第三弾として、前山田健一をプロデューサーに迎えた。LinQメンバーとしても普段なかなか接することの少ない、東京のクリエイターとの出会いの場となったのだが、彼が同席したレコーディングで、山木彩乃はいきなり呼び止められた。

「『何かやってた?』と言われて『実は小さいときから演歌をしていて歌がすごく好きなのですが、こういう個性を出してしまうと合わなくなっちゃうので普通に波がないように歌います、すみません』って言ったんです。」

ところが帰ってきた言葉は意外な言葉だった。

「なんで消すの?」
「個性を消しちゃいけないよ。自分の最大限の個性をこの歌にぶつけてみて。」

その言葉通り、LinQに入って初めて、何も隠さず全力でレコーディングに挑んだ。彼は絶賛した。

「『この個性を誰が消していたの?』って前山田健一さんがスタッフさんに言ってくださって、それがとてもうれしくて泣きそうになっちゃって。『個性って消さなくていいんだな』って思って、とてもありがたい言葉をいただいたなって。」

それまで彼女にとって、個性は隠すもの、だった。ソロパートではいいが集団行動の中では個性は消さないといけない。ところが「隠しちゃダメだ」と言ってくれる人と出会えた。それは、自分が初めてLinQのメンバーだと認められた瞬間だったのかもしれない。本当の意味で、LinQの一メンバーとなれた瞬間だったのかもしれない。

「前山田健一さんは一人一人にきちんと指導してくださって。(新木)さくらちゃんだったら『ナチュラルでいいね』とかみんなを褒めてくれて、一人一人の良さを出してくださって、そして見破ってくださって、すごい方に出会えたなあって。それは本当にターニングポイントでしたね。」

そして何より前山田健一が作った「LinQuest~やがて伝説へ...」という曲自体が彼女にとっては貴重な出会いだった。

山木彩乃


「歌っているときにすごくジーンって来るんですよね。『運命は切り開くんだ』とか『誰でもない私の究極系』とか、セリフ含めて全て歌いながら感動していて、泣いちゃいそうになります。他のメンバーにとっても自分たちの応援ソングというか、やっぱり27人いたら自分ってどういう立場なんだろう、とか他のメンバーと比べることもたくさんあるだろうし、すごくイヤなこともあるし、うれしいことももちろんたくさんあるだろうし。そのうれしいことを増やせるように前山田健一さんがこの曲を作ってくれたんじゃないかなと勝手に思いますね。マイナスではなくプラスをたくさん歌っているので。」

それは何より彼女自身だった。これまでマイナスだと思っていたことがそのままプラスになった。-10がそのままひっくり返って+10になった。癖があることでマイクを持たされても歌うことすらしなかった彼女。それが、その癖を個性として認めてもらえたことで、彼女には恐れるものがなくなった。

「マイク持って煽ったり、存在というか、『私、ここにいる』というのを声出してファンの方に伝えられるようになったときに自信って初めて生まれるなって思ったんですよね。」

マイクを通して何かを発するということは、自分の口から自分の言葉で直接何かを伝えるということである。その機会が増えるたびに、彼女にはどんどん自信が積み重なっていった。

山木彩乃


「発信したいですね。でもそれはマイクを持たなくても、ダンスだけでも『彩乃って今何を伝えたかったんだろうな』というのをある程度見たらわかってくれる人も増えてきたので、表現力とかを超えた何かエンタメ性みたいなものを出せるように、ちょっと余裕出てきたんじゃないかなって最近思います。」

2015年9月のシルバーウイークに特別企画として行われたLinQのユニット祭りでは、いろんなメンバーのソロコーナーもあったが、彼女は唯一歌わずにダンスパフォーマンスだけを披露した。出番が来ると椅子を持って一人ステージに現れ、洋楽の曲をバックにひたすら踊り続け、曲が終わるとさっと引き上げていった。あまりの圧巻のステージに、観客は拍手を送ることすらためらった。

「一人で踊ってみたいというのがずっとあったので、ユニット祭りのタイミングでやりたいと言ってJAZZの先生に振り付けしていただいて、初めて一人で踊ったのですが、もう、今までじゃ考えられないですね(笑)。一人でやりたい、なんてことは。ダンスは元々やっていたので、ダンスは見せられるかなあと。

私は歌とダンス両方したくて。三浦大知さんがとても好きなので、歌って踊れるような人になりたいのですが、まだそこまでの自信はないです。でも好きなダンスを見せていきたいなと常に思っているので。発信力のある人になるというのが一番の目標なので。」

元々彼女は自己紹介で「変幻自在のエンターテイナー」と言っていた。マイクを通して、だけでなくダンスでも、言葉がなくても何かを伝えられる発信力のあるメンバーを彼女は目指している。

そしていずれは自らの活動を通してLinQを発信できるように。それは、自らの経験が生んだ一種の使命感なのかもしれない。

山木彩乃


「私もLinQに初期の頃からいるので、メジャーデビューを発表したときの感動もとても覚えているし、自分も田舎から出てきたから、いろいろな夢もあったのですが、なんですかね、良くも悪くも慣れが最近あって。LinQは大人数が見せ場なので、遠征で選抜メンバーで東京に出てきたときに他のアイドルさんに比べると、少人数でライブをしたときに強みが出にくいなって最近とても感じるんですよね。

でも、慣れって別に悪いことではないと思っているんです。東京に来て『わあーうれしい』って感覚がなくなったとしても、レベルが上がったってことだから。そこでさらにスキルをもっと身につけられるグループになったらいいなって思うのですが、実際人数が多いので一人一人につけるのって本当に難しくて。今すごく自分の中でも悩んでいるポイントです。」

LinQは27人という大人数が特徴のグループである。一方ではそれはまとまりの難しさ、でもある。27通りの考えを一つにまとめるのは難しい。そしてまた、個性をつぶしては結果的にグループとして輝けない。それは何より、自らが身をもって経験したからこそ、の考えなのだろう。

「率直に言うと、私はLinQがとても好きなんですよね。でもLinQの柱というか、『今のLinQはどうですか』と聞かれたときに何を見せたらいいのかイマイチよくわからなくて、私も最近とても悩んでいるのですが...。

個性が強いというのはわかっているのですが、それをステージでまだ活かせていないなって。もうちょっと具体的に、LinQってこういうグループなんですよって言えないとダメだなって思うんですよね。Love in QushuでLinQ、なのでやっぱり第一は九州を大事にしないといけないと思うので。

どれだけLinQが九州を広められているかというのをもっとアピールしていきたくて。東京に出てきても常に九州のことを話しているとか。九州感がたぶんまだ薄いんですね。今、福岡弁でみんな話しているし、私も福岡弁になりがちで熊本が薄くなっているのも残念で。」

山木彩乃は熊本出身。LinQのメンバーは27人いるが、ほとんどが福岡の出身であり、他の九州出身メンバーは少ない。だからこそ彼女は、もっと九州全土に根ざしたいと考えている。地元である熊本県山鹿市の一大祭り「山鹿千人灯篭踊り」への出演など、着実に熊本での活動も増えている彼女にとって、彼女の発信はLinQを九州全土に広めるためには欠かせない存在だ。

「最終的には九州をジャックしたいんです。街角の大画面にはLinQが常に流れていて、ポスターもメンバー一人一人、全員のが貼ってあって。そのためにも私がLinQを広められるくらいの存在になりたいなって常に思っていて。いつ何で売れるかわからないじゃないですか。誰かの目にとまって『あ、山木彩乃ちゃんっていうんだ』『LinQにいるんだ』『LinQ行こう』みたいな人増えればいいなって常に思っていて。発信力のあるメンバーになりたいなってとても思うので、遠征でのライブは人一倍気合い入っています。初めて触れる人が多いときとかはすごく緊張するんです。『頑張らなきゃ』って。」

彼女はライブ前には大好きな音楽を聞いて、ライブでの自分をイメージするという。完全に入り込むという。発信するために、気合いを入れるために。彼女は基本的に自分と対峙するタイプなのだろう。

そしてそんな彼女はもうすぐ20才を迎える自分と対峙している。そしてその中で自然と、大きな夢が生まれていた。

山木彩乃

続編を公開しました

ライブ情報
2016年1月9日(土)二部 LinQ第750回 山木彩乃Birthday公演「Ayano Yamaki Shines Forever 20th anniversary party」 http://ameblo.jp/loveinq/entry-12086349694.html

「LinQ 全国出前公演~始めました~」
※全国出前公演の情報は以下のURLで随時更新
http://ameblo.jp/loveinq/entry-12102023471.html

【2016年1月】
2016年1月28日(木)【関東】開催予定
2016年1月29日(金)【名古屋】大須TOYS
2016年1月30日(土)【京都】※後日発表
2016年1月31日(日)【大阪】HOLIDAY OSAKA

【2016年2月】
2016年2月11日(木)【関東】開催予定
2016年2月12日(金)【京都】京都MOJO
2016年2月13日(土)【兵庫】※後日発表
2016年2月14日(日)【大阪】※後日発表

2016年2月19日(金)【熊本】B.9 V2
2016年2月20日(土)【宮崎】SR-BOX
2016年2月21日(日)【鹿児島】SR HALL

2016年2月25日(木)【関東】開催予定
2016年2月26日(金)【千葉】ANGA
2016年2月27日(土) ※後日発表
2016年2月28日(日)【神奈川】横浜BAYSIS

【2016年3月】
2016年3月4日(金)【佐賀】GEILS
2016年3月5日(土)【長崎】Drum Be-7
2016年3月6日(日)【大分】Drum Be-0

2016年3月10日(木)【関東】開催予定
2016年3月11日(金  ※後日発表
2016年3月12日(土)【愛媛】松山 KittyHALL
2016年3月13日(日) ※後日発表

「LinQ NEW ALBUM「FRONTIER~LinQ 第三楽章~」初回限定盤A/B付属Blu-ray ダイジェスト映像

リリース情報

LinQ

LinQ メジャー2ndアルバム 「FRONTIER~LinQ 第三楽章~」

発売日:2015年11月25日
ワーナーミュージック・ジャパン

【初回限定盤A】
価格:\4,167(本体)+税 WPZL-31116/7
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<Blu-ray>
LinQの「わ」拡大!! ~海外編~
ドキュメンタリー映像収録


【初回限定盤B】
価格:\4,167(本体)+税 WPZL-31118/9
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<Blu-ray>
1.ナツコイ -Music Video-
2.ウェッサイ!!ガッサイ!! -Music Video-
3.ハレハレ☆パレード -Music Video-
4.LinQuest~やがて伝説へ・・・ -Music Video-
5.ナツコイ -Dance Video-
6.ウェッサイ!!ガッサイ!! -Dance Video-
7.ハレハレ☆パレード -Dance Video-
8.LinQuest~やがて伝説へ・・・ -Dance Video-


【通常盤】
価格:\3,000(本体)+税 WPCL-12271
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

【九州盤】
価格:\3,241(本体)+税 WPCL-12269/70
<CD1>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<CD2>
1.HYBRIDOLL/桃咲まゆ
2.SUMMER DAYS/天野なつ
3.N and F/深瀬智聖
4.SHAKARIKI GROOVY/志良ふう子、新木こころ(Fu-Coco)
5.Hands/一ノ瀬みく

■Information■

LinQ OFFICIAL WEB
http://loveinq.com/

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編集部有本

元エンジョイ!マガジン編集長(2014年10月時点)。かつてBIGLOBE MUSICを担当していた経験を活かし、よりエンジョイ!でウェッサイ!!なマガジンを目指していきます。

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