LinQ・杉本ゆさ「女神、帰還」(1)【Member】

「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当てるドキュメント企画「Member」。第七弾は九州発のアイドルグループ・LinQ所属の杉本ゆささん。5周年を迎える中で彼女がたどり着いたLinQにおける立場、に迫ります。

「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当てるドキュメント企画「Member」。第七弾は九州発のアイドルグループ・LinQ所属の杉本ゆささん。5周年を迎える中で彼女がたどり着いたLinQにおける立場、に迫ります。

2015年12月13日。福岡の中心部・天神にあるベストホールで行われた、九州発のアイドルグループ・LinQのメンバー、杉本ゆさの生誕公演。この日まで彼女は悩んでいた。生誕公演恒例の一人MCで何を言うか。それは同時に、自分はこれからどうあるべきか、という自分自身への問いへの答え探し、でもあった。
杉本ゆさは2011年に結成されたLinQに一期生として加入した。オーディションによって選ばれたメンバーは、アイドルとしての活動経験があるわけでもなく、杉本ゆさもアイドルというよりは芸能人になりたいと思ってオーディションを受けた。
「どうしてもアイドルになりたくていろんなオーディションを受けてLinQに入った、というわけではないんです。LinQで初めてオーディションを受けたらトントン拍子で行っちゃって。私は当時ちょうど就職の時期だったのですが、就職したくないし、福岡で芸能人したいな、というノリで。でも受かってLinQに入ってからデビューまでの一ヶ月で”あ、これめっちゃガチやん”と。しかも当時のLinQって選ばれた人たちだけ(が出られる)、ということが多かったのでその中に入るのに必死で。だからその頃は”LinQとしてこうなりたい”ということを真剣に考えたことはなくて、それよりまずLinQの中で負けたくないという気持ちが強かったですね」
さすが九州の女、というところか、彼女の持ち前の根性に火がついた。練習では必ず鏡の一番前に立つようになった。東京に遠征する最初の選抜メンバーにも絶対に入りたいと思った。まずはLinQの中で目立てるように。元々ダンスは得意だった彼女は、結果的に最初からメンバーを引っ張る立ち位置にいたのかもしれない。

LinQが結成された2011年はアイドルブームに火がつき始めた頃。特にご当地アイドルは早くから注目を集めた。LinQはその先駆け的な存在としてデビュー直後から脚光を浴び、すぐに東京に進出した。その中で迎えた2012年の一周年ライブはいきなり2,000人クラスのZepp Fukuokaだった。
「一周年ライブまではとても駆け抜けた気がしていて。一年目でZeppってすごくないですか?メジャーデビューまでは正直トントン拍子だったから、LinQって苦労を知らなかったって思うんですよ」
だが、その勢いは鈍り始める。二年目の楽詣の会場は福岡市民会館だったが、その後三周年、四周年、そして熊本地震の影響で5月5日に開催が延期された五周年…ライブ会場は変わらずZepp Fukuokaだった。
「…だって、五周年も一年目と同じ場所に立つんですよ。だから、”ダメかも”って思ったのは今なのかもしれません。周年ライブのたびに考える”一年後はこうなっているだろうな”という姿には毎回ならないです。『ハレハレ☆パレード』(※)がオリコン一位になったときはうれしかったですけれど、あれからもうすぐ一年ですよね。”何が変わった?変わってないよ何も”って。ネガティブになっちゃいますね」
※…LinQが2015年4月にリリースしたシングル。ナオト・インティライミプロデュース曲として話題になった。
LinQは毎週末、福岡の中心部にある天神ベストホールで定期公演を行っている。それはつまり、毎週必ず観客数というのが結果として示されるということでもある。何か大きなライブやツアーがあったり、メディア出演などで注目を集めたときに、それがどんな効果があってどうお客さんが増えたか、というのが毎週数字として示される。つまり自分たちの活動の指標になるということでもある。自分たちのしていることが集客につながっているのか?ファンが増えているのか?
「普段の自分たちがそこでわかるんですよ。だから、大きなライブがあった次の週のベストホールが何で満員じゃないの?と。そこで落ち込みますね。大きなステージに立つたびに、そのときだけ夢を見ている気がするんですよ。
だからLinQって正直今も軌道に乗っていないと思うんです。”LinQっていろんなところで聞く””東京でもすごいよね”ってよく言われるのですが、ふたを開けてみればそんなことない、って思っているので」
一方、杉本ゆさ個人としては「福岡の看板娘になりたい」という目標の元、早くから福岡のテレビやラジオに出たり、グラビアDVDを出したり、個人としての仕事も多かった。福岡に拠点を置く地元企業が生んだ人気調味料・ソースコのキャンペーンガール「ソース娘。」など、地元企業とのコラボも多いLinQならではの活動も行っている。自分のしたいことは叶っていった。
ところが、その充実感はやがて彼女の中である思いを徐々に生み始めていった。
そしてそれはやがて疑問に変わり、彼女は悩み始める。

続編を公開しました

ライブ情報

『LinQ 5周年祭 うちらのどんたQ~博多名物になりたいっちゃん!~』
日時:2016年5月5日(祝) 開場16:00 開演17:00
会場:福岡・Zepp Fukuoka
※熊本地震の影響で、当初の4月17日から延期開催。チケットは払い戻し分を4月29日から再販売
<料金>
S席 見やすかチケット(指定席 4~8列目)6000円(ドリンク代別)
A席 よかチケット(指定席 9~14列目)4500円(ドリンク代別)
2F椅子席 6000円(ドリンク代別)
1Fスタンディング 2000円(ドリンク代別)
その他毎週末は福岡・天神ベストホールにて定期公演を開催。
LinQオフィシャルサイト
http://loveinq.com/

イベント情報

「博多どんたく 港まつり」にLinQが出演
GW期間中に日本全国でもっとも人が押し寄せる、毎年5月3、4日に行われる福岡市民の祭り、「博多どんたく」に今年もLinQが出演。
※出演スケジュールはこちら
http://ameblo.jp/loveinq/entry-12153151658.html

リリース情報

LinQ  13thシングル「Supreme」
発売日:2016年3月23日
【通常盤】linq11007 \1,200(税込)
1、Supreme
2、Sweet Dream
3、ポ!ジ!ティブ!!(映画EDIT)
4、Supreme (Instrument)

【楽曲派盤】linq11008 \1,200(税込)
1、Sweet Dream
2、Supreme
3、キミがいたから(映画EDIT)
4、Sweet Dream (Instrument)

【初回限定盤】linq11009 \1,200(税込)
リバーシブルジャケット仕様
1、Supreme
2、Sweet Dream
3、青い珊瑚礁(映画「みんな好いとうと♪」挿入歌)
LinQオフィシャルサイト
http://loveinq.com/

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エンジョイ!マガジン編集部