坂井朝香

2011年4月17日、福岡IMSホール。九州発のアイドルグループ・LinQが産声を上げたデビュー公演のメンバー33人の中に、当時14才の坂井朝香の姿があった。それはLinQだけでなく、彼女にとってもLinQ一期生として芸能界デビューの場でもあった。

「アイドルというより元々モデルさんになりたくて。『芸能人って言われたいな』という(笑)、中学生なりの目標だったのかなと思いますけどね。人前に立ちたいとか目立ちたがり屋だったので、人と違うこともしたかったですし。アイドルやモデルのオーディションを受けたりしていて、その中にLinQがあったんですよ。...最後にLinQというのが正直あって、LinQにもし落ちていたら芸能界という言葉を自分の中で絶対消していたと思います。」

オーディションを受けるにあたって決めていたのは「たくさん受けない」ということだった。

「自分なりにちゃんと考えていたと思います。オーディションを受けるにしても交通費がかかったり親にも心配かけるし、受験するかどうかの時期だったのでさらに心配かけるから『LinQに落ちたらもう芸能界はあきらめる』と。」

14才にしてこれだけの強い覚悟があったことにも驚かされるが、思えばこれが坂井朝香という人間なのかもしれない。物怖じしない、堂々としている。そして、冷静。ライブでのMCやテレビ出演などでは明るい無邪気な印象のある彼女からはなかなか垣間見られないが、これも立派な彼女の一面である。

LinQのオーディション募集が始まったのは2011年1月。福岡は今でこそご当地アイドルの一大拠点だが、当時はHKT48の結成すら発表されておらずまだまだアイドルブームは下火で、LinQは先発組だった。「ちゃんと成立できるのか」誰しもがLinQの行く末に半信半疑だった。

「一期生って作られたものに乗っかるのではなく『自分たちで作れるんだ』と思って、そこを魅力に感じてやっていたんですよ。LinQが売れるのかもわからないし、それ以前にそもそもどんなグループなのかもわからない状態で入って。そこを私たちとお客さんと一緒になって作ってきたのがLinQだから、誰よりも一期生はLinQのことが好きだと思うし...いろいろあったし、一期生であることはやっぱり誇りですね。」

やがてLinQは2年後の2013年にメジャーデビューを果たすなど、ご当地アイドルブームの牽引役の一人として、今では九州を代表するアイドルグループになった。一方でその頃坂井朝香は苦しい時期に突入していた。

「17才のときが正直一番つらくて。伸び白がなかったというか、平坦で。『華の17才』って言われていたから、もっといろんなことがあると思ったし、いろんな経験をして自分が魅力的な人になれるって勝手に思っていたんですよ。それがあっという間に過ぎてしまって、華の17才の『は』の字もないのかなと。」

2014年8月に18才になると、秋吉台のポスターに起用されたり、モデルとしての仕事が増え始めた彼女。趣味であるカメラの仕事も入ったり、自分の個性がより発揮できるようになってきて、自信もついてきた。そんな中で迎えた2015年に、彼女に大きな転機が訪れた。

坂井朝香

モデルとして起用された秋吉台のポスター

「LinQ LIVEHOUSE CIRQUIT 2015」(以下サーキットツアー)。

このツアーはLinQのメンバーの中から選ばれた大庭彩歌、山木彩乃、新木さくら、新木こころ、そして坂井朝香の5人が、2015年5月から北海道や福島、千葉、三重等々、九州を拠点に活動するLinQが普段なかなか行かない都道府県に出向くというもの。普段は30人近くいるグループで、たった5人だけ、全国津々浦々を毎日車移動してライブをして、翌日また移動してライブ...この繰り返しだった。

5人の中で一期生は坂井朝香だけだったが、ツアーでは最年長の大庭彩歌がメンバーを引っ張ってきた。誰よりも長くLinQに携わっている身として、もっと引っ張っていかなければならない存在なのでは...。もっと人間として大きくならなければいけないのでは...。

ツアーを終え福岡に戻ってきた彼女はそんな話を同じ一期生で最年長メンバーである一ノ瀬みくにすると、こう言い放たれた。


「一期生で4年もやってきて今更気付いたの?」


今までの坂井朝香だったら、そんなことを言われてひどく落ち込んでいただろう。ところが今の彼女にはそれをプラスに変える力があった。

「そんな強い言葉って、メンバーどころか他人に言えないと思うんですよ。だからその言葉を『そういう風に言われた...』ではなくて『ありがとう』と感謝して自分の(心の)中に入れました。そう言ってくれるみくさんは本当に心から信頼できる仲間だなと思ったし、『自分のために怒ってくれているんだな』とか、全部プラスに考えられるようになりました。」

ではなぜプラスに考えられるようになったのか...

「『今日最高のライブにして次の日のライブはそれより最高のライブにしよう』というのがツアーの目標だったんですよ。前から後ろの人まで全員キラキラした笑顔で私たちを見てくれていて、ファンの人の期待が増してくし、待ってくれている、と感じていてそれに応えたいと思って。それはちゃんとできたと思っているんですよ。もちろん反省点もありましたけれど、目標は全部高くしていたので。

...そうですね、その影響で『昨日やったライブよりはいいライブ』『一部より二部の方がいいライブ』にしたいという自分の中での、LinQのライブに対して求めるところがより高くなったかなとは思いますね。」

昨日よりも今日、一部より二部、もっといいライブを。反省を引きずるのではなくすぐ次に活かす。もっと「いいライブ」をしなければ、そしてもっと引っ張らなければ。サーキットツアーを通してついてきたこの意識が、自然と彼女を変えてきた。

「ツアーで変えてもらったから、これから私が引っ張っていける人になれたらと思います。...確かに気づくのは遅かったなと思ったし、でも自分は後悔していないです。今こうして変われたことに後悔はしていないから。」

その意識は、彼女を変えていった。徐々に、じわじわと、まるで浸食していくかのように。

坂井朝香

続編を公開しました


「LinQ 4th Anniversary ~ Welcome to the LinQworld!!」ダイジェストムービー

ハレハレ☆パレード(4th Anniversary ~ Welcome to the LinQworld !!)

BATON(4th Anniversary ~ Welcome to the LinQworld !!)

ダイジェスト(4th Anniversary ~ Welcome to the LinQworld !!)

リリース情報

LinQメジャー7thシングル
「LinQuest~やがて伝説へ・・・」

発売日:2015年9月9日 
ワーナーミュージック・ジャパン

<通常盤>価格:¥926+税 WPCL-12184
M-1 LinQuest ~やがて伝説へ・・・
M-2 アイ、スクリーミン。
M-3 LinQuest ~やがて伝説へ・・・ -instrumental-
M-4 アイ、スクリーミン。 -instrumental-

<初回限定版>価格:¥1,852+税 WPZL-31071/2
【CD】
M-1 LinQuest ~やがて伝説へ・・・
M-2 Jump Jump Jump!
M-3 LinQuest ~やがて伝説へ・・・ -instrumental-
M-4 Jump Jump Jump! -instrumental-

【DVD】
LinQ Lady Super Live Tour 2014
M-1 LinQ Theme (CLUB NIGHT REMIX)
M-2 Going my way!(SHiNTA PLANET REMIX)
M-3 笑顔にLinQ (SHiNTA RAINYDAY PLANET REMIX)
M-4 手をつないで (SHiNTA PLANET REMIX)
M-5 マケナイガールズ(SHiNTA PLANET LADY REMIX)
M-6 Let's feel together (SHiNTA PLANET REMIX)
M-7 Bye-bye baby love (SHiNTA PLANET REM
IX)
M-8 My Letter (SHiNTA PLANET REMIX)

LIVE DVD & Blu-ray
「LinQ 4th Anniversary ~ Welcome to the LinQworld!!」

発売日:2015年09月09日
ワーナーミュージック・ジャパン
<DVD>価格:¥5,800(本体)+税 WPBL-90344/5
<Blu-ray>価格:¥6,800(本体)+ 税 WPXL-90105

主なライブ情報

2015年8月8日(土)
LinQ第670回公演 伊藤麻希Birthday公演「伊藤祭祭~ITOSAISAI2015~」

2015年8月9日(日)
LinQ第671回公演 坂井朝香Birthday公演「あ~誕祭2015」
※いずれも福岡・天神ベストホール

首都圏の主なイベント
2015年8月26日(水)
しずる館Festival 2015 in 亀有

2015年8月29日(土)
@JAM EXPO 2015

2015年8月30日(日)
汐留ロコドル甲子園2015 決勝戦


■Information■

LinQ OFFICIAL WEB
http://loveinq.com/

ピックアップ

編集部有本

元エンジョイ!マガジン編集長(2014年10月時点)。かつてBIGLOBE MUSICを担当していた経験を活かし、よりエンジョイ!でウェッサイ!!なマガジンを目指していきます。

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