「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当てるドキュメント企画「Member」。第六弾は九州発のアイドルグループ・LinQ所属の舞川あやさん。アイドルとデザイナー。二つの顔ならぬ二つの服を着こなす彼女。そこには彼女にしかできない活動がありました。

LinQ

「ファッションショーがやりたいんです」
「えっ、ファッションショー!?」
2013年8月。自身二回目の生誕公演を1ヶ月後に控えた彼女は、あたためていたプランを初めて事務所のスタッフに明かした。残された時間は少ない。でも、今やるしかない...これが、後のLinQを代表する人気企画の始まり、だった。

アイドルグループに入るきっかけは、大抵二つに分けられる。一つは、子供の頃から大人数の前で歌い、踊ることを夢見てきた人。そしてもう一つは、アイドルには興味がなく、別の世界に入ることを夢見ていた人。九州発のアイドルグループ・LinQのメンバーである舞川あやは後者だった。

「正直に言うと、元々デザイナーになりたいという夢があって。でもそういう業界って入るのが厳しくてどうしたらいいんだろうって考えたときに、高校からの友達だった由地(成美。2015年7月にLinQを卒業)が先にLinQに入っていて、『メンバーで衣装のデザインやっている人がいるよ』って教えてもらったんですよ。それで『そういうこともするんだ』って。実際に自分が着る側になって、体験してわかることがあるじゃないですか。『デザインをこうしたらいいな』とか。そういうのにもとても興味があったんですよね。」

もちろんダンスも好きだったしアイドルにも興味があった。でも、何より、着る人の衣装をデザインするだけでなく、自らが着る立場にもなり、デザインを考える。そこに何より魅力を感じた。

LinQは定期公演の中でさまざまな企画イベントを行っているが、その中の一つが舞川あやプロデュースのファッションショー「MY☆KAWA COLLECTION」(※☆はハートマーク 以下同じ)。そのきっかけは、LinQでの個性の出し方に悩んでいた中で彼女が見つけた、自分を出せる場所だった。

「元々LinQでの個性の出し方がわからなくて。私は服が作りたい、デザインがしたいというのがあったのですが、それを出す場所がなくて。そうしたら生誕公演はその人のためのもの、みたいな感じがあったので、そこでしか主役になれないと思って(笑)。そこでやるしかないかなって思ったんですよね。」

自分で決めたこととはいえたった1ヶ月の準備期間しかなく、それから大急ぎでメンバーの洋服を作ったが、この公演が彼女にもたらしたものは何より大きかった。

「その生誕公演で『こういうことがしたい』というのを再確認できて、『絶対来年もやるぞ』って決めたんですよ。」


「MY☆KAWA COLLECTION」。その名前は舞川あやのMAIKAWAにもかかっているだけでなく、「私のかわいい=MY KAWAII」にも引っかけている、舞川あやが手がけるファッションブランドの名前である。ファッションショーといえば、そのブランドの洋服を着たモデルが、ランウェイを歩く...というものだが、まさにこのイベントそのものを彼女がプロデュースしている。

LinQ


「まず、私が単にやりたい大テーマを決めるんです。この前(2015年9月)の生誕公演だったらおとぎ話というテーマがあって、その中でメンバーを人魚姫だったり白雪姫に当てはめていくんです。そしてその中で『この子に着てもらったらこの服は引き立つな』とか考えます。メンバー全員に出てもらうというのを一番最初に決めて、衣装のデザインを考えているんですよ。

考える作業は本当に面白いです。頭の中で、もう、想像が広がりますね。企画からとても楽しいです。」

誰々にはこれが似合いそう、こんな服を着させたい...デザイナーであれば誰しもが行う作業である。だが、デザイナーとの決定的な違いが彼女にはあった。

LinQ


「私が思い描いた『これが似合う』という衣装が意外だ、というメンバーはいますね。その子がいつも着ないような洋服とかを私がセレクトすると『えっ、これを私が着るんですか?』みたいなものはありました。

でもそのメンバーの内面的なものも、私は普段近くで接しているからわかるじゃないですか。それも踏まえて考えているので、たぶん見ている方は『意外だな』と思うことはあるかなと。『こういうのもできるんだよ』というのを私は知っているから、見ている人は新しい発見があったのかなと思いますけれどね。」

基本的にファッションショーとは、モデルがいて、デザイナーがいる。出る側がいて、プロデュースする側がいる。だが、彼女はデザイナーでもあり、LinQの一メンバーでもある。いわば、外からLinQのメンバーを見ているのではなく、中から見ている。そこが決定的に違った。

「普通ファッションショーってモデルさんを呼んでくるじゃないじゃないですか。私のやっているファッションショーって、メンバーと一緒に作るファッションショーなので、だから服だけ、を見せたくないんですよ。メンバーの良さも見せたいというのがあって。『この子はこういうこともできるんだよ』というのを見せたいな、というのもあるので。ファッションショーというよりも、なんていうんだろう、エンターテインメントって言うんですかね(笑)。ライブに近いのかもしれませんね。」

メンバーの個性を見せたい。それを、洋服という一つのツールを使って手助けする。彼女はそんな発想だ。

「今のLinQって物足りないです。いいところはたくさんあると思いますし、LinQ自体が個性を重視したいという方針があるのに、その割には出せている人はそんなにいないのかなってという思いが少しですがあって。個性はあるのですが、もっと出せていけたらなという点で物足りないかなって。」

LinQ


舞川あやがLinQに入ったのは2012年6月。LinQが結成されてから1年以上がたち、軌道に乗り始めていた時期だった。そして後から入ったからこそ、LinQを外部視点で見られた。

「LinQに入る前から個性を重視したいというグループの方針は聞いていたのですが、実際入ってみて、その割には個性があるなって思う人はそれほどいなかったなって。誰がどういうキャラなんだろうな、というのはだいたいわかりましたけれど、でもステージではなかなか話す機会もないし、個性を出すのは難しいなって思いました。私の場合は服飾という個性を、生誕公演でファッションショーをできるようになって、少しずつ自分のやりたいこと、得意なことを出せるようになったかなあっていうのはあります。」

個性があるのと個性が出ていない、のは違う。誰にだって必ず個性はある。それが出ていなければあまり意味がないし、何よりもったいない。端から見る人からすればもっと個性を出せばいいのに...と思うが、一方でメンバーはその出し場がなかなかなかったりする。ライブでのパフォーマンスではなかなか違いは出せない。衣装も基本的には一緒だ。MCで話す機会も少ないし、トークで個性が出せるとも限らない。幸い自分は個性を発揮できる場所ができた。では...

ライブは大人数で行い、ソロパートがあるメンバーは数少ない。でも、ファッションショーは、一人でランウェイを歩いたり、時間は限られるが、スポットライトが当たる機会は誰にもある。

彼女がファッションショーを始めたのは、そんな考えだったからかも知れない。メンバー誰しもがスポットライトを浴びられる、個性の出し場、として。だが、そこに思い至ったのにはもう一つ、理由があるように思えた。

舞川あや

続編を公開しました

ライブ情報

「LinQ 全国出前公演~始めました~」
※全国出前公演の情報は以下のURLで随時更新
http://www.linqtour.com/

【2016年1月】
2016年1月28日(木)【関東】AKIBAカルチャーズ劇場
2016年1月29日(金)【名古屋】大須TOYS
2016年1月31日(日)【大阪】HOLIDAY OSAKA

【2016年2月】
2016年2月5日(金)【岡山】 倉敷REDBOX
2016年2月6日(土)【滋賀】 U☆STONE
2016年2月11日(木)【関東】AKIBAカルチャーズ劇場
2016年2月12日(金)【京都】京都MOJO
2016年2月13日(土)【兵庫】ダイエー甲子園店甲子園ホール
2016年2月14日(日)【大阪】京橋ライブハウスイズム

2016年2月19日(金)【熊本】B.9 V2
2016年2月20日(土)【宮崎】SR-BOX
2016年2月21日(日)【鹿児島】SR HALL

2016年2月25日(木)【関東】AKIBAカルチャーズ劇場
2016年2月26日(金)【千葉】ANGA
2016年2月27日(土) ※後日発表
2016年2月28日(日)【神奈川】横浜BAYSIS

【2016年3月】
2016年3月4日(金)【佐賀】GEILS
2016年3月5日(土)【長崎】Drum Be-7
2016年3月6日(日)【大分】Drum Be-0

2016年3月10日(木)【関東】AKIBAカルチャーズ劇場
2016年3月11日(金  ※後日発表
2016年3月12日(土)【愛媛】松山 KittyHALL
2016年3月13日(日)【山口】K:TRACK

「LinQ NEW ALBUM「FRONTIER~LinQ 第三楽章~」初回限定盤A/B付属Blu-ray ダイジェスト映像

リリース情報

LinQ

LinQ メジャー2ndアルバム 「FRONTIER~LinQ 第三楽章~」

発売日:2015年11月25日
ワーナーミュージック・ジャパン

【初回限定盤A】
価格:\4,167(本体)+税 WPZL-31116/7
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<Blu-ray>
LinQの「わ」拡大!! ~海外編~
ドキュメンタリー映像収録


【初回限定盤B】
価格:\4,167(本体)+税 WPZL-31118/9
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<Blu-ray>
1.ナツコイ -Music Video-
2.ウェッサイ!!ガッサイ!! -Music Video-
3.ハレハレ☆パレード -Music Video-
4.LinQuest~やがて伝説へ・・・ -Music Video-
5.ナツコイ -Dance Video-
6.ウェッサイ!!ガッサイ!! -Dance Video-
7.ハレハレ☆パレード -Dance Video-
8.LinQuest~やがて伝説へ・・・ -Dance Video-


【通常盤】
価格:\3,000(本体)+税 WPCL-12271
<CD>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

【九州盤】
価格:\3,241(本体)+税 WPCL-12269/70
<CD1>
1.ハレハレ☆パレード
2.Baby
3.LinQuest ~やがて伝説へ・・・
4.telephone
5.マイ・フェイバリット・ソング
6.ウェッサイ!!ガッサイ!!
7.アイ、スクリーミン。
8.ナツコイ
9.ハピ☆デリ
10.My Letter
11.White Drops
12.FRONTIER

<CD2>
1.HYBRIDOLL/桃咲まゆ
2.SUMMER DAYS/天野なつ
3.N and F/深瀬智聖
4.SHAKARIKI GROOVY/志良ふう子、新木こころ(Fu-Coco)
5.Hands/一ノ瀬みく

■Information■

LinQ OFFICIAL WEB
http://loveinq.com/

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編集部有本

元エンジョイ!マガジン編集長(2014年10月時点)。かつてBIGLOBE MUSICを担当していた経験を活かし、よりエンジョイ!でウェッサイ!!なマガジンを目指していきます。

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