BIGLOBE30周年連動企画としてお送りする「Member」。「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当ててきました。今回は「彼女たちの5周年」と題し、今年結成5周年を迎えた九州発のアイドルグループ・LinQのメンバーを通して、組織における周年というものを考えていきます。
※本取材は2016年3月に行われました。
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LinQ

組織というものは、基本的にそのメンバーが何らかしら役割を果たしている。難しく言えば存在価値。平たく言えば居場所。あなたも、会社なり、家族なり、所属している組織に何らかしら役割を果たしているはずだ。もちろん役割を果たしていないのではと思うこともあるだろう。果たして自分はこの組織の役に立てているのか。この組織に、私の居場所はあるのだろうか。


2011年1月。LinQのオーディション募集が始まった。当時の福岡はHKT48も結成されておらず、アイドルになるには東京の事務所のオーディションを受ける、というのが基本だった。実際高木悠未はモーニング娘。のオーディションを、坂井朝香もAKB48のオーディションを、それぞれ受けている。それくらい、福岡の女の子にとってアイドルになるというのは身近なこと、では決してなかった。なのでLinQのオーディションは、アイドルを目指す地元の女の子にとっては、自分の夢を地元で叶えるまたとない機会だった。

ただ、それだけではなかった。アイドルに興味のない人も惹きつけるコンセプトを当時のLinQは掲げていた。

1000名を超える応募者のあったLinQのオーディション。そこにいた岸田麻佑にとっては、LinQはまさに運命的な出会いだった。

「博多駅の大画面前で友達と待ち合わせしていたときに、LinQのメンバー募集のポスターがあって。人間は写ってないけれど大きく"九州からアジアへ"と書かれていて。元々国際交流にとても憧れがありましたし、当時はK-POPにハマっていて。なので"福岡からアジアは近いからありえるかも"と思って。

アイドルには興味なかったですし、『アイドル=キャピキャピ』みたいなイメージがあって。でも、アジアを目指すのだったらダンスも歌も一定のレベルがないと、と思っていたので"本格的にやれるかな"と。なので最初から全国、アジアで活動したいという思いが強かったです」

LinQ

同じようにLinQのメンバー結成オーディションに応募した一期生たちはたいていはアイドルに何らかしら興味があった。岸田麻佑はそうではなかった。アジアを目指す。そのコンセプトに何よりひかれた。

オーディションを通過したメンバーが集まり、レッスンが始まった。4月17日にはデビュー公演が決まっていたが、集まったメンバーは素人ばかり。しかもまだお互いがお互いを理解していない、どころかライバル関係だった。

「デビューでいきなり10曲って言われて、いざレッスンに行ったらダンスも歌もやったことない人ばかりだったので。私はダンスをやっていた方だったので、いつの間に教える側の立場になっていて(笑)、リードしていかなきゃと。

でも、デビューでも全曲に全メンバーが上がれるわけではなく、自己紹介すらも全員できるわけではなかったので、そこに入れるように必死でした。衣装も全員分ないというのが当たり前だったんです。だから、デビュー前からライバル心が強かった気がします」

バラバラなメンバーの気持ちを一つにしていたのは、実はライバル心だった。私は絶対ステージに立つ。他のメンバーには負けない。

「不安な気持ちもたくさんあったのですが、今考えたら、逆に先が見えないから今を頑張れた気がします」

LinQ

目の前のことに一生懸命。デビューしてもこれから先があるのかわからない。しかも自分がステージに立てるかどうかもわからない。そんな競争意識は一つ間違えれば組織内に亀裂を招きかねないが、そうならなかったのは、デビュー直後からLinQが注目を集め、東京にも進出するなど、上り調子だったからかもしれない。

「早い段階でポンポンポンと行ったので、お客さんも目に見えて増えていくのがわかって。『さくら果実』(2012年2月発売の3rdシングル)と『Love in Qushu ~LinQ 第一楽章~』(2012年4月発売の1stアルバム)のときはこれから楽しみだなって。逆に(メジャーデビューした)2013、14年あたりが伸び悩んだなって思います。自分の中でも勢いがないなと感じたので。そっちの方がつらかったですね」

メジャーデビューというのはアイドルグループに限らず、アーティストであれば誰しもが夢見るものだ。大手のレーベルに所属することで自分たちのCDが全国に流通する。テレビや雑誌にも出られる機会が増える。特に地方に拠点を置いている場合は、メジャーデビュー=全国進出、だ(ネットの普及で一概にそうも言えなくなってはいるが)。

だからLinQのメンバーたちも、もっとすごいことが待っていると期待に胸を躍らせた。街を歩いていたら声をかけられる、テレビに出て有名になる、世界が変わる...ところが、待っていたのは別の世界だった。

「メジャーデビューしたことで逆に(テレビやイベントなどに)出られる人数が限られてくるし、選抜に入るのに今まで以上に必死、みたいな感じになったんですよね。あと、私たちより売れている方たちとの共演ばかりになって。同じ地方のアイドルグループのSKE48さんをTIF(TOKYO IDOL FESTIVAL。毎年夏に行われるアイドルの一大フェス)で見ていたとき、お客さんの数が全然違うなって」

LinQとして試練が訪れる中で、岸田麻佑にとっても試練が訪れる。2014年7月にリリースされたメジャー4枚目のシングル「ナツコイ」。それまでのシングルのPVには必ず出ていた彼女が、初めて外れた。

LinQ

「今までずっと選抜に入っていたからこそ負けたときのショックというか。そのときも"惜しかったんだよね""もう一人入れたらね"みたいなことを言われて、じゃあその人との差は何だろうって(苦笑)。そこから自分の中での落ち込み時期になって。どうしたらいいんだろう、何を頑張ればいいのかわからない時期が長くて」

そんなとき彼女に舞い込んだ仕事が2014年10月の舞台「ヨルハ~自動歩兵人形」だった。しばらく福岡を離れ、東京で稽古の日々だった。さらに2015年5月に追加シーンなどを盛り込んだ「ヨルハ Ver.1.1」が上演され、再び出演した。

「舞台は一人一人の役割があるので、みんな勢いがあってガツガツしていて。ポジション(配役)もそうですが、舞台はみんながみんな"やらないといけない"という思いがより強くて、そういうところでLinQとの違いに悩んで。"自分は舞台とかそっちの方が向いているのかな"と。LinQではダメかも、と思っていたんですね」

私の場所は役者として舞台に立つこと、なのかもしれない。LinQに居場所はないのかもしれない。そんな思いが彼女の中に芽生えていた。ところが彼女は予想もしない形で引き留められる。

「舞台が終わってLinQに戻って最初の公演が私の生誕公演で。そのときも"(LinQでは)もうダメかも。MCで何を語ろうかな"と思って。でも、生誕公演をした後のベストホールが"おかえり"みたいな感じでみんな迎えてくれて。それで"私、LinQにいてもいいんだ"って思ったんですよね。"居場所あった"って。そこまで思いましたね」

こんな私でも待っていてくれる人がいる。LinQに私の居場所はあるんだ。その後、九州の企業であるリンガーハットの「夏の冷やしちゃんぽんキャンペーン」の推し麺バトルで、坂井朝香に続いて二位になるなど、LinQでの存在感をさらに発揮するようになる。

LinQ

今のLinQをどう思うか。その質問に彼女はこんなことを言った。

「最初の勢いがよすぎたので、その勢いがないから(逆に)大丈夫なのかなというか。新しいファンの方も増えていますし。確かに(5周年ライブを行うと約束した)マリンメッセには行けてないけれど、出前公演でも各地で"待ってたんだよ"という方もいたので、少しずつは上がってきているなって思います」

勢いがよいのはもちろんいいことだが、よすぎるとその反動で一気に失速することもある。勢いがないのは一方で地道に歩みを進めている証とも言える。しかも「待っている」と言われるということは、そこにLinQの居場所、存在価値があるということである。

だからこそ、もっともっと必要とされる存在になりたい。

「LinQって、ピザクックさん(福岡を拠点に展開する宅配ピザチェーン)やリンガーハットさん始め福岡や九州の企業さんとのコラボをたくさんしていて。少しずつだけれど福岡の方には知られているのかなと。あと、小学校で『ハレハレ☆パレード』を教えたり、そういうことができるのは福岡のアイドルグループだからかなと。東京のグループにはできないでしょうし。

私、すごいなと思ったのが、ひめキュンさん(愛媛・松山を拠点に活動するアイドルグループ・ひめキュンフルーツ缶)とご飯食べて、一緒に松山の商店街を歩いていたら、メンバーが子供からおばちゃんまで、いろんな人たちから声をかけられるんですよ。それがすごくうらやましくて。

だからLinQも福岡の人は誰でも知っている存在になりたいし、福岡の番組にもっと出たいですね。どの局をつけてもLinQの子が出ているよ、と。最近は自分にあきらめがあったけれど、これじゃダメだ、デビュー前みたいに競争意識持ってやっていかなきゃなと思ってます」

そして最後にこう付け加えた。

「でも、アジアを目指したいのでもっと上に行きたいですね」

自身がLinQに入るきっかけとなった言葉「九州からアジアへ」。
彼女は今一度、当時の自分と向き合っている。私はどうなりたいのか。LinQの活動を通してどんなことを吸収していきたいのか。どう成長していきたいのか。

そんな意欲と改めて向き合うように。


もしあのとき、彼女がLinQに居場所はないと思っていたら。「おかえり」と言われてなかったとしたら。

彼女に居場所はあった、のではない。彼女がちゃんと居場所を作っていたのだ。メンバーに、そしてファンの人に認められるものを、活動を通して彼女が残してきたから、なのだ。

LinQ

>>続いて副々リーダーが感じる組織の課題

BIGLOBE 30周年記念特設サイト

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DVDリリース情報

LinQ 5周年祭「うちらのどんたQ~博多名物になりたいっちゃん!~」

LinQ

発売日:2016年8月24日
価格:4,800円(税別)
品番:TCED-3196

結成5年を迎え5月5日(木)にZepp Fukuokaにて開催された5周年記念LIVEがDVD化。
全27曲を収録し、約1時間を超えるメイキング映像を特典として収録した2枚組でリリース!

【DVD2枚組仕様】2016年/日本/カラー/本編約163分+映像特典約63分/16:9LB/片面1層/音声:リニアPCM2.0chステレオ/字幕:なし/2枚組
※仕様は変更となる場合がございます。

発売元:ジョブ・ネット
販売元:TCエンタテインメント

映画「みんな好いとうと♪」

LinQ

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福岡県、福岡市、また地元企業の協力のもと九州オールロケを敢行!
豪華版には未公開映像満載の特典ディスクを収録。さらに初回生産限特典生写真セットを封入!

発売日:2016年8月24日
価格:
Blu-ray バリバリ豪華やけん版 5,800円(税別)
DVD バリバリ豪華やけん版 4,800円(税別)
DVD 通常版 2,980円(税別)

品番:TCBD-0566
発売元:「みんな好いとうと♪」 製作委員会

「みんな好いとうと♪」公式サイト

CDリリース情報

「ふるさとジャポン」
2016年9月28日発売

LinQ

テレビ東京系アニメ「妖怪ウォッチ」 エンディングテーマ
ニンテンドー3DSソフト「妖怪ウォッチ スシ / テンプラ」エンディングテーマ


◇「LinQ」ver. 4形態
☆スペシャル初回特典:「LinQ生写真(仮)」
※10種の内、1種ランダム封入

LinQ ver.①

LinQ

CD ONLY AVCD-55131 ¥1,000(税込)

LinQ ver.②

LinQ

CD ONLY AVCD-55132 ¥1,000(税込)

LinQ ver.③

LinQ

CD ONLY AVCD-55133 ¥1,000(税込)

LinQ ver.④

LinQ

CD ONLY AVCD-55134 ¥1,000(税込)


◇「妖怪ウォッチ」ver. 2形態
●「妖怪ウォッチ」ver.① CD+DVD AVCD-55129/B  ¥1,800(税込み)
●「妖怪ウォッチ」ver.② CD ONLY AVCD-55130 ¥1,000(税込み)

☆スペシャル初回特典①:「スペシャル生写真(仮)」
☆スペシャル初回特典② :S級レア妖怪が手にはいるかもしれない!?「5つ星コイン」が手に入るQRコード封入!!

ピックアップ

編集部有本

元エンジョイ!マガジン編集長(2014年10月時点)。かつてBIGLOBE MUSICを担当していた経験を活かし、よりエンジョイ!でウェッサイ!!なマガジンを目指していきます。

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