逃したらまた来年までお預け・・・超美味「香箱ガニ」ってなに?

食欲の秋っていうけれど、この時期にしか食べられない希少なカニ「コウバコガニ」。わざわざこの味を求めて現地にも赴くファンもいるという、そのお味はどんなもの?

この季節になると、「香箱蟹」が食べたくなります。

「香箱蟹」とはズワイガニの雌で、地域によってさまざまな呼び名があるようですが、主に石川県で「コウバコガニ」と呼ばれています。
漁期も地域によって異なり、例えばこの地域のズワイガニの漁期は11月6日から翌年3月20日までで、中でも雌の香箱蟹は1月6日前後(※)までと、獲ってよい期間がかなりの短さ。これは、産卵する雌を保護し、カニの数を減らさないようにするためです。
(※漁期や漁獲規制は、各地域で異なります)
つまり、食べられる期間がとても短い、貴重な冬の味覚というわけです。

香箱蟹のおでんは「カニ面」でいただく!

数年前のこの期間中、たまたま金沢へ行った時に、この香箱蟹のことを知りました。
金沢市の中心街にあるおでん屋で一杯やっていると、蟹が丸ごと煮込まれているじゃないですか!蟹大好きなぼくとしては、もう視線がくぎ付けになったわけです。

その視線を見逃さなかった店主、
「今日解禁になった香箱蟹だよ。せいぜいあとひと月くらいしかお目にかかれないよ。いやあ、お客さんラッキーだねぇ。ほら!」
と、まるでお宝がびっしり詰まったような、真っ赤な卵を足の身で包んだ「カニ面(かにめん)」を、これ見よがしに隣のお客さんに差し出すじゃないですか!
この宝箱のようなカニ面を求めて、わざわざこの時期を狙って金沢へやってくる人も多いらしい。そして「時期」を逃すと、また来年までお預け・・・
気づくと、ぼくの皿には二杯の香箱蟹が載っていたのですから、その美味さたるや推して知るべし、です。
ちなみに、ぼくが香箱蟹のおでんを食べたのは、金沢市の香林坊エリアにある「高砂」さんです。(出典:『食べログ』)

おまけ 「香箱」で検索すると、ネコが出てくる理由

ところで、「香箱」で検索すると、「香箱座り」なる言葉が出てきます。
ちょっと気になったので調べてみたところ・・・


ネコがよくやる、体の下に前足を折りたたんでいるこの座り方を「香箱座り」と言うそうです。

子どものころからネコを飼ってますが、初めて知りました・・・

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大内 征(おおうち せい)

宮城県仙台市出身。元エンジョイ!マガジン編集部員。現在は「故郷・地方・地域社会・自然」をテーマにコンテンツ・プロデュースを行うとともに、コラムや原稿なども執筆している。 ⇒ローカライズ プロダクション(loca-rise production)