買ってわかった。石油ストーブのメリットとデメリットまとめ

北海道で停電を経験したライターが、冬の災害時の備えを兼ねて、対流式の石油ストーブを購入。日常的に使ってみて見えてきた、石油ストーブのメリット、そしてデメリットとは?

2018年9月、北海道胆振東部地震で停電を経験したのですが、寒い冬がやってきた今思うのは、「停電が冬じゃなくて本当によかった」ということです。
我が家の暖房はマンション備えつけのストーブですが、それはもちろん電気を必要とします。もし停電が発生してしまったら、たとえ屋根と壁があったとしても北海道の冬では極寒の室内になり得ます。

そこで我が家では、防災も兼ねて写真のような対流式の石油ストーブを購入しました。
よく見かける、ストーブの上にヤカンや鍋などを置けるタイプのものです。
以来、今では普段使いの暖房器具として定着しました。
ポカポカと暖かいことが一番の理由ですが、その他の良さにも気づかされたのです。もちろん良くない点も。
そこで今回は、対流式の石油ストーブを買ってわかったメリット、そしてデメリットをまとめたいと思います。

石油ストーブの「メリット」は?

まずは、対流式石油ストーブのメリットを4つご紹介しましょう。

1、とにかく暖かい。暑くて半袖になることも

遠赤外線によりじんわりと室内を暖めてくれます。我が家のリビングでは、コンクリート24畳用の石油ストーブを使っていますが、リビング、そしてリビングとつながるキッチンと洋室の計18畳ほどをいとも簡単に暖めてくれます。
昨シーズンまでは、マンション備え付けの暖房をつけてもフリースを着ないと寒かったのですが、今シーズンはロンTで過ごしています。ときどき暑すぎて半袖になってしまうこともあるほどです。

2、お湯を沸かせば保湿の役目も

ストーブ上部の天板には、常に水を張った鍋を置いておくようにしています。乾燥しがちな冬ですが、このおかげで部屋の湿度はだいたい50〜60パーセントを保っています。
また、鍋で沸いたお湯は、フライパンに漬け置くことで、頑固な油汚れを洗いやすくしたり、湯たんぽ用のお湯に利用したりもしています。いつも熱いお湯が湧いていることが、生活上こんなに便利だったんだ、と気づかされました。おかげで、湯たんぽの準備が億劫ではなくなりました。

3、調理もできる。煮込み料理や蒸し料理などのじっくり系がおすすめ

お湯を沸かせるということは、もちろん調理もできてしまいます。
我が家ではときどきローストチキンを作るのですが、その調理方法は、弱火で1時間蒸し焼きにするというもの。これまではもちろんガスコンロで調理していましたが、石油ストーブがある今では、ストーブの上に1時間乗せておくという調理方法に変わりました。その分、ガス代が浮くので少し得した気分です。
他にも、パンを温めたりスルメを炙ったりなど人それぞれの楽しみ方ができると思います。

4、コンセント要らずで、いざという時の備えになる

冒頭で述べたように、電力が要らないため災害時の暖房としても頼ることができます。点火のために電池が必要なのですが、実は電池がない場合でも、マッチや着火ライターで点火することができます。
災害用としての出番がないことを祈るばかりですが、いつ停電が起きても寒さを凌ぐことができるというのは、やはり安心感が違います。
なお、キャンプ好きな我が家としては、春や秋のキャンプでも強い味方になってくれることでしょう。

石油ストーブの「デメリット」は?

では、逆にデメリットはどんなものでしょうか?

1、灯油を補充する手間

どこにでも設置できる対流式の石油ストーブとだけあって、ストーブにはタンクがあり、そこに都度灯油を補充する必要があります。
我が家のような24畳向けの大型ストーブは、朝6時から夜11時くらいまで燃焼すると6.7リットルのタンクは底をつきます。今では灯油の補充が就寝前の日課になりました。
電動式のポンプのおかげで楽に補充ができますが、ときどきこぼしてしまうこともあり、余計な拭き作業などがあるのも事実です。

2、灯油を調達する手間

補充作業だけでもなかなかの手間ですが、もっと面倒なのが灯油の調達です。
灯油購入用のタンクは18リットルの容量で、我が家の消費スピードだとだいたい3日で空っぽになってしまいます。その度にガソリンスタンドに買いに行くことになります。幸い家から1分のところにありはしますが、それでも冬の寒空の中、買いに行くのはゆるくありません。なお、18リットルなんて持って歩くのは現実的でなく、ホイール付きのキャリーでひっぱって来るのですが、雪道ではこれもまた大変です。
石油ストーブを購入する方の1番のハードルはこの「灯油調達問題」ではないかと思います。

3、1時間に1〜2回の換気が必要

燃焼後の燃焼ガスを室外に排気するFF式の暖房器具のような機能が対流式石油ストーブにはありません。換気をしないと酸素が不足してしまい、ストーブが不完全燃焼して一酸化炭素中毒になる恐れがあります。そのため、1時間に1〜2回の換気が必要です。
せっかく暖まった部屋の温度が下がってしまうのは惜しいところですが、命には代えられません。またすぐにストーブが部屋を暖めてくれるので、我が家ではこまめに窓を開けて換気をするようにしています。

さいごに

我が家は、このストーブを導入してから約1カ月ほど経ちました。
灯油の調達はやはり億劫ですが、これまでになかった暖かさに包まれているのも事実です。
自分ひとりのためであればとっくに灯油調達を断念していたかもしれませんが、日中、家で過ごしている妻や子供が暖かく過ごせるように、という使命感があるおかげでなんとかやれています。地域によっては自宅まで灯油を届けてくれる「灯油配達サービス」もあるので、利用する手もあるかもしれません。
これから対流式の石油ストーブを購入される方は、この灯油調達を冬の間続けていけるか、をよく検討したうえで購入されることをおすすめします。防災のための備え、としてだけに限って言うのであれば、間違いなくあるに越したことはありません。

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うえやま

競馬カメラマンからWEB業界へ異色の転身後、WEB制作に加えて大手メールマガジンやツイッターキャラクターの中の人までこなす。三度の飯より件名を考えるのが好き。