突然ですが、「懐紙」(かいし)ってご存知ですか? お茶の席で使う、お菓子を乗せるための和紙をイメージする人が多いはず。「おばあちゃんが使っているアレね」と、縁遠いものに感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、使い方によっては日常生活でフル活用できちゃう便利な道具なのです。懐紙を使いこなして、大人の”粋”を見につけましょう。
濡れた容器を持つときに大活躍!
カフェなどで冷たいドリンクをテイクアウトすると、時間が経つにつれて容器に水滴が発生し、手が濡れてしまうことがあります。そんなときこそ懐紙の出番です。懐紙は和紙でできた丈夫な作り。水滴を吸収してもふやけにくく、手が濡れるのを防いでくれます。
ドリンク以外でも、食べ歩き用のお菓子で手を汚したくないときなどにも重宝しますよ。
一筆書きの便箋代わりに
懐紙はちょっとした言伝を書く際にも便利です。平安貴族は懐紙に和歌をしたためていたそうですよ。仕事を手伝ってもらったときや、ものを貸してもらったときなど、感謝の言葉を書いて相手に渡してみましょう。筆ペンを使うと、より”粋”な雰囲気を演出できます。
即席の封筒に変身
親戚の子供にお小遣いを渡したいときや、借りていたお金を友だちに返したいとき、適当な封筒がなくて困ったことはありませんか? 懐紙を持ち歩いていれば、即席の封筒を作ることができます。
一番簡単なのは、二つに折った状態の懐紙にお札をはさみ、そのまま渡す方法。懐紙の折り目にお札を固定できるので、安定感があります。
ちょっと時間に余裕があるときは懐紙でぽち袋を作りましょう。折り紙の要領で、簡単に作ることができます。
これなら小銭を渡すときもこぼれず、安心です。
懐紙を”粋”に使うポイントは、けちけちせず使うこと。そして、懐紙を使えるタイミングを見つけたときに取り出しやすい場所に用意しておくことです。あくまでも自然に使うことが、”粋”への近道。デザインにこだわることも、懐紙を使いこなすポイントです。
白いデザインもキリリとしていてかっこいいですが、最近はかわいいイラスト入りのものも販売されています。お気に入りのデザインを見つければ、懐紙を使うのがもっと楽しくなりますよ。
その昔、天正の少年使節団がローマを訪問した際、現地の人たちは和紙で鼻をかむ少年たちを見て「WHY!? Japanese people!!???」と思ったそうです(当時のヨーロッパには鼻を紙でかむ習慣がありませんでした)。現代に生きる私たちも、懐紙を使いこなしてクール・ジャパンを発信していきたいですね。