大きな地震があったのに携帯キャリアの地震速報が鳴らず、「あれ?」と思ったこと、ありませんか?
自分のスマートフォンでは鳴らなかったのに、同じ県に住む友達のは鳴ったらしい・・・なんてこともありますよね。
いざというとき、身を守るための速報のはずなのに、鳴らないのは腑に落ちないですよね。一体なぜ、鳴らないときがあるのでしょう?
そもそも緊急地震速報とは?
緊急地震速報は、地震発生直後に、震源地に近い地震計が感知した観測データをもとに、気象庁が電気信号で「これから強い揺れが発生する」ことを伝える速報です。これが携帯キャリア各社を経由して、私たちの携帯電話に届く仕組みです。
既に起きた揺れではなく、なぜこれから発生する揺れを伝えることができるのかというと、震源地から地面を通じて伝わってくる揺れ=地震波には、P波(Primary「最初の」頭文字)とS波(Secondary「二番目の」の頭文字)があるから。
P波の方がS波より速く伝わるけれど、強い揺れによる被害をもたらすのは主に後から伝わってくるS波。なので、P波を感知した段階で速報として伝えれば、これからやってくるS波の危険を前もって知らせることができるのです。
詳しくは、気象庁の「緊急地震速報の仕組み」を参考にしてください。
大きな地震が起きても緊急地震速報が鳴らない理由
では、なぜ速報が鳴らないときがあるのでしょう? これには、様々な原因が考えられます。
そもそも、緊急地震速報は、最大震度が5弱以上と予想される場合に、震度4以上の揺れが予想される地域を発表するものです。つまり、いくら大きな地震が発生しても、最大震度が「予測不明」の場合、地震速報は鳴りません。
予測不明になる理由は様々なケースが考えられます。たとえば複数の場所で地震が発生した場合、想定外の事態として速報が出せないことがあります。
また、震源がとても深い場合も、震度を予測する精度が下がり、速報が出せないことが。たとえば、2014年5月5日に起きた東京での地震。震度5弱という大きな地震にもかかわらず緊急地震速報が鳴らなかったのは、震源地が深すぎて最大震度が予測不明だったから。
さらに、東北地方太平洋沖地震で一部の観測機器に被害が出たことによって観測の精度が下がってしまい、そのせいで携帯電話の速報が鳴らないケースもあるようです。
速報が間に合わないケースもあります。自分のいる場所が震源地に近い場合です。本来、速報を出してから実際にS波が発生するまでの時間差があるからこそ速報が成り立つわけですが、近すぎると、速報が届く前にS波の大きな揺れが到達してしまうのです。
速報の設定を確認しよう
地震速報が鳴らないのは、実は携帯の設定が原因、という可能性も。
緊急地震速報は、携帯各社によって、また携帯端末によって、受信の仕組みが異なります。機種によっては受信設定が必要な場合も。速報が届かないのは、もしかしたら設定が「オフ」になっているからかもしれません。機種によっては、マナーモードにしていると速報が鳴らないこともあるようです。
なんだか他の人より鳴らないことが多いような・・・と思うのであれば、この機会に、改めて設定を確認してみてはいかがでしょう?
詳しい設定方法や注意事項については、各キャリアの緊急地震速報のページ(ドコモ、ソフトバンク、au)を確認してみて下さいね!