iTunesとiCloudのバックアップはどう違うの?

iTunesとiCloud。iPhoneを使う人ならなじみのあるキーワード。でも、双方でできるパックアップの違いがよく分からないという人は多いのでは? どんな違いがあるのかを解説します!

iPhoneユーザーの皆さん。バックアップを取るときに、iTunesとiCloudのどちらを使ってますか?

どちらの方法を選ぶかはユーザー次第。ゆえに、両者はよく比較されます。
iTunesは、もともと2001年に音楽再生プレイヤーとしてリリースされたツールで、iPhoneが登場する前から音楽再生・管理用のプレイヤーとして使われてきました。なので、そのイメージが強い人もいるかもしれませんが、今ではバックアップ管理ツールとしてもおなじみですよね。
iCloudは、2011年4月にスタートしたクラウドサービス。比較的新しいサービスということもあり、実はよく分かっていない、という人もいるかもしれません。
今回は、iTunesとiCloudでバックアップするとどうなるのか、という点を分かりやすく説明したいと思います!

※Windows 7のパソコンを使った例で説明します

保存方法と必要な環境が違う

iTunesでバックアップを取るには、パソコンが必要です。バックアップしたデータはパソコンのハードに保存されます。そのため、自分でiPhoneをパソコンに繋げてバックアップを取る必要があります。

一方iCloudの場合、パソコンは不要。自動でバックアップがネット上に保存されます(iPhoneで「設定」→「iCloud」→「ストレージとバックアップ」へと進み、「iCloudバックアップ」をオンにして、画面に従い設定します)。

ただ、iCloudでバックアップを取るにはWi-Fi環境が必須。iPhoneを3GやLTEで繋げていても、iCloudのバックアップ機能は使用できないので、人によってはここがネックになるかもしれません。
とはいえ、iPhone、iPad、iPod touchなど複数のAppleデバイスを使っている人にとっては、常に同じデータにアクセスできるため非常に便利と言えそうです。

バックアップできる対象が違う

iTunesとiCloudとでは、バックアップできる対象が異なります。
iCloudは基本的には重要なデータだけがバックアップされます。両者が共通して保存できるのは、

  • カメラロール内の写真・ビデオ
  • アプリのデータ
  • アプリのデータとホーム画面での配置
  • メッセージ
  • 着信音
  • ボイスメモ
  • Appleから購入した音楽・映画・動画・ブックなど

iTunesでは、それに加えて、

  • 通話履歴
  • 壁紙
  • 『カレンダー』のデータ(イベントやカレンダーアカウント)
  • ソフトウェアキーボードの入力候補
  • Wi-Fiやメールアカウントのパスワード
  • 『マップ』のブックマーク

なども保存されます。
つまり、データは可能な限りバックアップしたい!という人にはiTunesが向いていると言えます。

保存できる容量が違う

iCloudにバックアップできる容量は5GBまで。容量を増やしたい場合は有料プランの契約が必要です。

一方、iTunesでバックアップを取れる容量は、パソコンのハードディスク容量に依存します。つまり、ハードディスク容量に余裕があるなら、いくらでも保存できます。

どちらを選べばいい?

というわけで、iTunesとiCloudには、それぞれ一長一短があります。

・バックアップ方法 → iCloudの方が楽
・バックアップ対象 → iTunesの方が広い
・バックアップ容量 → iTunesは無制限(PCのハードディスク容量による)

どんな人が、どちらを使うべきかをまとめると、

    <iCloud>
  • パソコンを持っていない人
  • 自分でこまめに保存するのが面倒な人
  • パソコン、iPad、iPod touchなど、複数のAppleデバイスを所持している人
    <iTunes>
  • Wi-Fi環境がない人
  • Appleを介さない音楽データなども保存したい人
  • iPhoneに保存してある音楽や画像の量が膨大な人

・・・などが言えるかもしれません。
ちなみにワタシの場合、iPhoneに入っている画像の量が多すぎるので、iCloudの無料プランではバックアップを取れません。なので、基本的にはiTunesでバックアップを取っています。
が、カレンダーや連絡先など、「データが消えたら結構困る」いくつかの項目については、iCloudで同期されるよう設定しています。一括でバックアップを取る以外にも、下記のように項目を選んで「オン」にしておくと、iCloudで自動的にバックアップを取ることができるのです。

iCloud.comにログインすると、パソコンからもバックアップデータにアクセスできます。

カレンダーや連絡先だけでも、iCloudでバックアップしておけば、いざというときに安心です。iPhoneをなくしたときに活躍するはずの機能「iPhoneを探す」も「オン」にしておくのをオススメします。
iTunesのみを使うも良し、iCloudのみを使うも良し、両者を併用するも良し。長所と短所を見比べつつ、自分にとってベストな使い方を探してみてください!

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ダヨリン(ヨダエリ)

パソコン通信からネットに親しみ、ユーザー視点に立ったデジタル活用術の記事を『日経新聞』『日経ネットナビ』など多数の媒体で手がける。「イマ・ヒト・ココロ」が執筆テーマで、恋愛アナリストとしての著書も。思春期はドイツ在住。好物はお茶とROCK。 ⇒ダヨリン普通日記