★2021/5/14 実践動画を追加しました!記事の最後をチェックしてみてください。
2014年の年末、スーパーの店頭から一斉にバターが姿を消したのは、まだまだ記憶に新しい出来事。その後、バターの流通量は徐々に増えてきた様子で、自宅近くのスーパーでも商品の在庫状況は回復してきましたが、未だにバターの価格は高騰中で、200g 400円を超えているところも…。
ならば「流通量の安定している牛乳や生クリームから、自力でバターを作れないものか」とネットで調べてみたところ、驚くほど簡単にバターが作れることがわかりました。
しかも、作ってすぐに食べるフレッシュバターは、市販のバターとは違った格別の美味しさがあるのだとか…!「これを試さない理由はない」ということで、早速バターを作ってみました。
材料は2つだけ! 生クリームの選び方は要注意
バター作りに必要な材料はたった2つ、生クリームと塩だけ。塩の量は生クリーム100mlに対して1gが目安で、無塩バターを作る場合には不要です。あとは、空のペットボトルと、はさみを用意します。
バターを作る上でもっとも重要なのは生クリームの選び方。生クリームには植物性と動物性の2種類があり、クリームに含まれる乳脂肪分もメーカーごとに違います。バターを作ることができる生クリームの条件は以下の3つです。
- 動物性のもの
- 乳脂肪分が高い物(35%以上。できれば40%以上のものが望ましい)
- 乳化剤や安定剤が入っていないもの(乳化剤が入った物だとかなり時間がかかる)
生クリームは冷たい方が早く固まり、バターを作る時間を短縮できます。最低でも1時間以上、使う直前まで冷蔵庫でしっかりと冷やしておいてください。
※今回は動物性・乳脂肪分45%の生クリーム200mlを24時間以上冷蔵庫で冷やしてから使用
バターの作り方は、基本的に「振るだけ」
さぁ、それではいよいよ、バター作りの手順です!
「ペットボトルに生クリームを注ぎ入れ、ひたすら振ってください」以上。
え!? たったこれだけ…?
そうなんです。これだけなんです(笑)私もネットで見たときにあまりに簡単な方法なので、びっくりしたのですが、ちゃんとバターができました。
でも、ここで「おしまい」と書くと編集長に怒られてしまいますので、以下生クリームがバターに変わるまでの過程とその味わいをしっかりとレポートしたいと思います!
1.ペットボトルに生クリームを注ぎ入れます。
2.ペットボトルを勢いよく上下に振ります。短時間で力強く一気に振るのがコツです。
3.1~2分程度振り続けると、液状だった生クリームがホイップ状に変化し、振ってもパシャパシャという音がしなくなります。
4.そのまま振り続けると、ホイップ状のクリームがだんだん塊のようになっていきます(ホイップ状態のままで中身がうまく振れなくなった時は、少しぬるま湯につけるか手の熱で温めてみてください)。
5.さらにそのまま振り続けると、突然「パシャ!」という音がして、液体が出てきます。固形物と水分の分離が始まった瞬間です。
6.仕上げにもう少し振ると、完全に固形物と水分に分離されるので、水分をコップなどに移します。
7.ペットボトルの上部を切り取り、残った固形物を取り出します。もうおわかりですね? そう、この固形物こそがバターです! ペットボトルを振り始めてからここまでたった5分・・・!
8.あとは、バターをボウルやお皿に移して、塩と混ぜあわせれば完成!
できるバターの量は、生クリームに含まれる乳脂肪分の割合や、固形物と水分が分離した後どのくらい振るかによって違いはあると思いますが、今回は200mlの生クリームから117gのバターが作れました。
バターと分離された水分の正体は?
バターから分離されて出てきた水分は、ホエーや乳清と呼ばれ、水溶性のたんぱく質や、ミネラル、ビタミンなどの栄養がたっぷり含まれているので、そのまま飲んだり、料理に使っても◎。美容にもいいので、パックや化粧水に使用する人もいるそうです。
今回は娘が飲みたいと言うので渡すと・・・
「牛乳の味がする、おいし~!」ととっても喜んでいました^^ 私も一口もらって飲むと、少し薄味でさっぱりした牛乳という感じでした。
塩は最初に生クリームと一緒にペットボトルに入れても問題ありませんが、その場合、ホエーもしょっぱくなってしまうので、ホエーも利用したいという方は今回のように最後に加える方法がおすすめです。また、この方法ならできあがったバターを分けて、それぞれ違う味つけにすることもできます。
まとめ:コストよりも学び重視で一度はやりたいバター作り
今回使った生クリームは200mlで358円。そこから取れたバターは117gなので、1g当たりの価格に換算すれば約3円。冒頭でお見せした市販のバターが200g 439円で、1g当たりの価格は約2.2円。コストだけ比較するなら、高い高いと言いつつもやはり市販品の方が安く済みます。
しかし、。今回生クリームを使ったバター作りを体験することで、ただスーパーでバターを買うだけでは決して知ることができない、生産方法に触れることができたという点は、とても大きな収穫でした。
一緒にバター作りをした二人の娘たちも、刻々と変化する生クリームの姿に目をキラキラさせていて、食育としても今回はいい経験になったと思います。
小さなお子さんがいる方に、たった5分でできるバター作り、ぜひおすすめしたいです。
▼動画でやってみた!▼