せっかく日本人なのだから、旅先では城郭を楽しみたい! でも、どこのお城から見たらいいんだろう? という方、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、全国各地の美しい城郭写真が並ぶGoogle+コミュニティ「Castles in Japan / 日本の城」運営者のHiroaki Kanekoさんに、押さえておきたい城郭ベスト5を教えていただきました。
絶対見ておきたい城郭ベスト5
素晴らしい城郭は数あれど、その中から必ず見ておきたい城郭を5つ選んでいただきました。ランキング形式でご紹介します!
5位 会津若松城
第5位は地元福島県では鶴ヶ城とも呼ばれる会津若松城。
「4月下旬、敷地に一斉に咲く桜が天守を覆う光景が素晴らしいです。天守の展望台から臨む磐梯山の堂々とした姿も見逃せません。また、天守のある城跡だけでなく、周囲にある数多くの施設や石碑は、戊辰戦争によって辿った会津の悲劇を知る上で欠かせませんね」
4位 首里城
第4位は沖縄の観光名所・首里城。
「群雄割拠の戦国時代や天下泰平の江戸時代だけが日本の城の歴史ではありません。琉球王朝の歴史が刻まれるグスクや、アイヌが軍事施設として建てたチャシなども見るべき城だと思います。その中でも首里城では、琉球王朝の興亡や諸外国と対峙する上での立ち位置などが、遺構や展示品から感じられます」
3位 松本城
第3位は長野県松本市のシンボルで、全方位から見てもその美しさが際立つ天守が魅力的な松本城。
「季節ごとに様々な表情を楽しむことができて、とくに雪が降る冬の黒の城壁と白の雪のコントラストが絶妙です。東京・名古屋・大阪からのアクセスもしやすいですし、海外からも多くの観光客が訪れます」
2位 岡城
第2位は瀧廉太郎氏が作曲した名曲「荒城の月」の舞台として知られる岡城。大分県竹田市にあります。
「切り立った山肌に広範囲に渡って堂々と高く建てられた石垣を見ると、当時の建築技術の高さに驚かずにはいられません。熊本城と同じくらい、九州で見ておくべき城のひとつだと思います」
1位 竹田城
第1位は「日本のマチュピチュ」として有名な竹田城跡。兵庫県朝来市にあります。
「各地から多くの観光客が訪れる定番の山城です。標高350mの山頂にある城のため、登りやすいのも魅力的です。秋から冬にかけての早朝に行くことをおすすめします。天候条件が合えば見られる、雲海に浮かぶ幻想的な光景は必見です」
城郭の持つ魅力って?
旅行が趣味で、これまで城や神社・仏閣をはじめ、様々な史跡を巡っていたHiroaki Kanekoさん。当初は城を訪れたり写真に収めたりはするものの、特別な思い入れはなかったと話します。
一方で、城に対する思い入れを持って、素晴らしい写真や情報を投稿する人を見るうちに、写真や情報が集約・整理され、そこから発信できる場所があればいいなと思い、コミュニティ「Castles in Japan / 日本の城」を立ち上げたそうです。
「コミュニティに投稿される写真を拝見すると自分自身も触発され、城について今まで以上に真剣に調べたり、写真を撮りに行ったりするようになりました」
と、今では城郭にすっかり魅せられたHiroaki Kanekoさん。そこで、城郭が持つ魅力とは何か聞いてみると「威風堂々たる佇まい」との声が返ってきました。
「天守に関しては多くの城が復元や模擬の天守となっている一方で、現存十二天守は400年近く経過した今でもしっかり遺(のこ)っています。石垣や土塁についても、石や土の積み方などの特徴を始め、積まれた高さや範囲の広さなど、当時の建築技術の高さをうかがい知ることができます」
この他にも「歴史を広く深く知る手がかり」としても有効なのだとか。城郭を巡り、学ぶことで、教科書で知ることのなかった深みのある知識を得ることができます。
「なぜその場所に建てられたのか、立地の場所や当時の情勢などを知ると、観光名所として広く知られている城だけでなく、大小様々な城跡についても知りたくなるんです。これまでただの点としての歴史が線でつながっていくはずです」
城郭写真の投稿だけでなく、見学会や修復工事、発掘作業など、城に関する様々な情報を集めて、広く発信する場として活動中の「Castles in Japan / 日本の城」。最後に、今後の活動方針を聞いてみました。
「今後は、季節ごとの素晴らしい城の写真を集めたり、ドラマや過去の偉人が辿った史跡などを写真に綴っていけたらと考えています!」
城郭好きはもちろん、これから城郭を見てみたいという方も、ぜひGoogle+コミュニティ「Castles in Japan / 日本の城」をチェックしてみてくださいね!