SNSでデマ情報を見抜くには?個人でできるファクトチェック

ネット上にはびこる「デマ情報」を見抜くには、どうすればいいのか。デマの拡散に加担しないために必要な2つのチェックポイントを紹介。情報ソースにあたることの重要性を説明します。

 

 

 

SNSを使うにあたって、「デマ」との付き合い方を意識したことがある人は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

デマや都市伝説が飛び交うのはインターネットに限った話ではありませんが、誰でも気軽に情報を発信できるSNSでは、その拡散スピードが特に速い傾向にあります。リツイート機能を持つTwitterはその代表格だと言えるでしょう。Facebookの「シェア」によって拡散されることもあります。

本記事では、SNS時代において避けては通れないデマ情報との付き合い方と、その見抜き方を説明します。

有事の際にはデマが拡散されやすい

当人の悪意の有無に関係なく、デマや都市伝説、陰謀論をまことしやかに発信している人は、残念ながら少なくありません。平時にはスルーされることも多いそれらの投稿も、自然災害や感染症といった有事の際には広がりやすい傾向にあります。

たとえば、2016年4月に発生した熊本地震では、「熊本の動物園からライオンが逃げた」という投稿が話題になりました。

写真付きのツイートは瞬く間に拡散され、20,000回以上もリツイートされることに。該当の動物園に問い合わせが殺到する事態となりました。しかし、このツイートはまったくの嘘。投稿者は偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。

近年はこの手のデマが重く見られる傾向にあり、投稿者が逮捕されるケースも目立ってきています。デマの発信者が悪いのは言うまでもありませんが、リツイートすることで拡散の手助けをしてしまうのも大問題。なるべく避けたいところです。

デマを見抜き、嘘に踊らされないようにするには、どうすればいいのでしょうか。

最近は真偽を分析する「ファクトチェック」を行うメディアも増えましたが、個人でもできることはあります。ここでは、特に大切な2つのポイントをお伝えします。

① 情報ソースを確認する

ネットに限らず、情報を収集するにあたっての大前提。
それが、情報ソースの確認です。

ここで言う「ソース」とは、簡単に言えば「情報の発信源」のこと。

情報の信憑性が高く、信用できるソースとしては、公的機関やマスメディア、専門家などが挙げられます。加えて、そこでデータや研究結果が示されており、その内容が妥当であると客観的な評価が加わっていれば、信憑性はさらに高まります。

もちろんメディアでも誤情報を発信してしまうことはありますし、過剰な表現でミスリードを誘うような報道も中にはあります。ですが、ソースの確認ができない個人の投稿と比べれば、メディアの情報はまだ信用できると言っていいでしょう。

さらに確実なのは、メディアの報道も含めて「自分で調べてみる」ことです。

ある情報について、複数のメディアでどのように発信されているか、専門家はどのように話しているかを調べてみる。そうやって追いかけていると、やがて「信用できるメディア」と「信用できないメディア」が見えてくるようになります。

信用できるメディアを見つけてフォローしておけば、デマに踊らされる機会は格段に減ります。とはいえ盲目的に信じるのも怖いので、「あれっ?」と思ったときには自分で調べる習慣を持つようにしたいですね。

② 「誰が」発信しているか/していないかを見る

①の内容と少し被りますが、「メディア」ではなく「人」に注目して情報を追う、という方法もあります。

あるデマが拡散されたときに、専門家はどのように対応していたかをチェックしてみる。情報の取り扱いに慎重な人はデマにまず加担しませんし、怪しい情報に対しては警鐘を鳴らすか、その話題自体にふれようとしません。

自分が信用している人が言及していない情報は、自分も拡散しないようにする。そう心がけることで、自身がデマに加担することを避けられます。

また、もし怪しい投稿が目に入ったときは、その投稿の「発信者自身を見る」という方法もあります。その人のプロフィール欄や過去の投稿を遡ってみると、明らかに怪しかったり、違和感を覚えたりする場合があるはずです。

たとえば、普段から扇動的な強い言葉を使っていたり、物事を決めつけたり人を見下したりするような投稿が多かったり、他人のツイートをパクっているようだったり。強い言葉を使っているからといってそれがデマだとは限りませんが、感情的になるあまり無意識にソースを歪めて発信してしまっているケースも考えられます。

このような扇動的・感情的に見える個人の投稿に対しても、①の「情報ソースを確認する」手段は有効です。ただし、それが個人の体験や感想の場合はなかなか判別がつかないため、悩んだときには拡散しないようにしましょう。

まとめ:自分でもファクトチェックを心がけよう

もしかしたら、デマかもしれない――。少しでも違和感を覚えた投稿はすぐに鵜呑みにせず、自分で情報ソースにあたってみる。それが、デマに踊らされないための基本戦略です。

また、情報ソースや真偽を確認する方法もさまざまありますが、「検索」は今も有効な手段だと言えるでしょう。怪しい情報のファクトチェックを試みるメディアもありますし、個人でも丁寧に情報ソースにあたって分析している人もいます。

Google以外には、Twitterで検索してみるのもひとつの手。少しでも違和感を持った情報であれば、自分以外にもおかしいと感じている人がいても不思議ではありません。「これってデマじゃない?」と考えている人の意見が目に入れば、自分も冷静になって判断できるはずです。

そして何よりも大切なのが、「軽率にリツイート(シェア)しない」こと。

もし投稿内容に共感したとしても、何かしらの違和感を感じたのであれば、その場ですぐに拡散せず、落ち着いて深呼吸。検索して、情報ソースにあたって、冷静な目で真偽を確かめましょう。悩んだときは、口をつぐむのが正解です。

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けいろー(@Y_Yoshimune)

フリーライター。ネット大好きゆとり世代。趣味のブログをきっかけに依頼をもらうようになり、勢いで独立。書評・アニメ・グルメ・旅行など何でもござれ。 ⇒ぐるりみち