日本と海外「常識の差」を知って、海外からの観光客を迎えよう!

日本では常識のその行為、外国の方からすると非常識かもしれませんよ。国際的イベントで訪日観光客が増えるこの時期だからこそ注意したい、日本と海外の「常識の差」をまとめました。

海外からの旅行客が増えると、普段の生活や仕事で海外の方と接する機会も増えるでしょう。だからこそ、知っておきたいのが「常識の差」。日本の常識が、海外の非常識というのはよくあります。
そこで、この記事では世界一周を経験した筆者の実体験を踏まえつつ、日本でよく見かける光景を切り取って、訪日観光客がどのように困惑しているのか、どう対応すればいいのかご紹介します。

訪日観光客は日本人のここに困惑!

日本は島国という環境から、世界的にも珍しい文化が発展してきました。そのため、日本では当たり前でも、海外の方からすると「そんなありえない……」と引かれていることはけっこうあるんです。

電車は並ばないとダメなの?

日本では電車、飲食店、握手会、何においても行儀よく順番に並びますよね。でも、中国やフランス、イタリアなど、海外の多くの国々では軍隊でもない限り、「整列」という習慣がありません。
とくに電車の乗り降りは顕著で、降りる人を無視して乗り込んだり、並んでいる人の横から入ったりは当たり前。むしろ「何で日本人はそんなに行儀よく並んでいるんだ?」と不思議がられます。
これは習慣の違いなので、説明すれば大抵は解決する話です。もし、駅やお店などで横入りする海外の方を見かけたら、「日本では並ぶのがマナーですよ」と優しく教えてあげてくださいね。

ジェスチャーの意味が違うよ

誰かを呼ぶのに「手招き」したり、相手を賞賛するのに「親指を立てる」、など日本でも様々なシーンでジェスチャーを使いますよね。でも、そのジェスチャーは海外だと違う意味かもしれません。
例えば、日本では手招きのとき手のひらを下にしますが、アメリカでは「こっちにくるな」の意味になります。また、親指を立てるジェスチャーは、中東だとかなり挑発的な意味になるので要注意です。
筆者も海外では何度か悪気なく使ったジェスチャーで口論になったことがありました。基本的に海外の方には基本的にジェスチャーを使わない。使うなら相手の国での意味を知っているものだけにするのがいいでしょう。

お座敷で正座するのは辛い

日本には畳があり、室内でも床に座る文化があります。人によってはテーブルよりもお座敷が落ち着く……、という方も多いでしょう。しかし、アメリカやヨーロッパなどではテーブルが基本です。
そのため、来日して初めて床の高さに座っての食事を経験する外国の方も多くいます。飲食店に入ってお座敷に通される。最初は初めての畳でテンションが上がっていても、30分もすれば足が痺れて辛くなります。
なので、もし海外の方と日本で食事に行くのなら、相手から「座敷を体験したい!」と言わない限りはテーブル席を選びましょう。間違ってもお座敷で正座まで勧めるのはやめてあげてください。

クジラと活き造りはちょっとムリ

海外の方と食事に行くとして、せっかくなら日本ならではの食文化を体験してもらいたい気持ちはよく分かります。ただし、あまりにも日本独自すぎる、特殊な食事は避けた方がいいです。
例えば、クジラ料理や活き造り。「クジラ=知性の高い動物」としている国も多く、鯨食文化のある国は限られています。イカやタコの活き造りも、生きたまま食べることを嫌悪されやすいので要注意です。
では、海外の方とどんな店に行けばいいのかというと、相手に聞いてあげてください。大抵は「どこに行きたい」「何を食べたい」と言ってくれるので、それに合わせた店を選べばいいわけです。

宗教的に食べられないんです

食事関係でもっとも注意したいのは相手の宗教です。というのも、日本でも仏教の修行中は肉類がダメなように、宗教や思想によって戒律で食べることを厳しく規制されている食材は多くあります。
例えば、ヒンドゥー教では牛が神聖な存在なので牛肉はダメ。イスラム教やユダヤ教では豚肉がNGです。敬虔な信徒がこれら食材を口にすることにより、自殺してしまったという例もあるので冗談でも食べさせないようにしましょう。
ちなみに、ベジタリアンやビーガンなどの菜食主義もまた同様です。もし、宗教や思想が強い方と食事に行くのなら、日本食は諦めて相手の国の専門料理店に行くのがトラブルも少なくて安心です。

旅行中なので撮影しないで!

スマホが普及した今日、珍しいものを見つけてはパシャっと撮影してSNSに投稿……、よくある光景ですね。しかし、いくら訪日観光客が珍しいからと、安易に撮影するのは絶対にやめましょう。
これはすでに問題になっていて、日本の観光地を訪れた海外の方が、行く先々で修学旅行生から写真撮影をお願いされて困っていたり、各観光地の市役所にも苦情が寄せられていたりするそうです。
筆者も日本人が珍しい地域を旅行した際には、現地の方々から執拗につけまわされて困ったことがありました。海外の方を見かけても見守るだけ、困っているときだけ助けてあげてください。

少しの配慮で互いに気持ちよく過ごせる!

文化や習慣が異なるのですから、トラブルをゼロにはできません。でも、海外からの旅行客と接するにあたっては、相手の国を理解しようとする気持ちは大切です。
海外の方からどう見られているのか、不快な思いをさせていないか。日本独自の「お・も・て・な・し」の精神で、訪日観光客に「日本に来てよかった」と思ってもらえるよう配慮したいですね。

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堀本一徳

世界24カ国を旅した自由人。現在はライター兼カメラマン兼ウェブデザイナーとして活動中。得意分野はIT(情報系学科出身)、旅行、教育(教員免許あり)