cookieは、”Webサイトのメモリーカード”のようなもの
ネットを見ているとき「cookieを有効にしますか」という表示に遭遇した経験はありませんか。「クッキーってなんだろう……?」と疑問に思いつつ「はい」を押している人もいるかもしれません。
Webサイトなどで表示される「cookie(クッキー)」は、サクサク甘いお菓子のことではありません。
正式にはHTTP cookieといいます。クッキーは小さな容量のデータファイルでWebサイトを見ている人のスマホやパソコン上のWebブラウザー(SafariやChrome、Edge、Internet Explorerなどのアプリ)に保存されます。Webサイトのメモリーカードのようなものですね。
クッキーの主な役割は「このWebブラウザーを使っている人は、Webページ上で○○を選択した」ということを記憶すること。
たとえばショッピングサイトで、商品をカートに入れた後、他の商品を見ても、「カートに商品が入った状態」はそのまま保存されます。これにより、カートに戻ってスムーズに買い物を続けられます。
「ログイン中」という”状態”を保存し続けるのも、cookieの大事な役割です。SNSやショッピングサイトなどで、ログインすると「AさんはこのWebブラウザーでログインしています」という情報がクッキーに記録されます。
すると、たとえば1時間後に同じページを開いても、ログインしなおす手間をかけずに「Aさんがログインしている」状態のまま使える……といった便利さを実現しているのもクッキーです。
プライバシーの問題も
一方でクッキーには、プライバシー侵害で問題視されることがあります。代表的なのが、「トラッキング・クッキー」と呼ばれる広告向けのクッキーです。
ショッピングサイトでなにかの商品を見た後、ニュースサイトなど他のページを見ても、その商品の広告が表示される……。こうした経験は、ネットを使ったことがある人なら誰しも覚えがあるはず。これがトラッキング・クッキーの代表的な機能です。
この例はショッピングサイトのWebページに配置された広告会社Xのトラッキング・クッキーが「このブラウザーを使っている人は商品Aを見た」という情報を保存。他のニュースサイトなどに貼られているX社の広告欄に、商品Aの広告を表示する、という仕組みなっています。
実際には、(一般的に)広告会社Xは「このWebブラウザーを使っている人」の名前など個人情報を把握する手段を持たないため、このWebブラウザーを使っている人が誰なのかは分かりません。トラッキング・クッキーが実際にプライバシーを侵害する危険性はあまり高くないと言えます。
それでも気になる人は、ブラウザー上で「見ているWebサイト以外からのcookie保存をブロック」する設定を有効にすると良いでしょう。
この設定を有効にすると、たとえばショッピングサイトなどの「カートに入れる」機能は使えるようにしたまま、広告会社Xが識別情報を保存できないようになります。
広告のcookieを無効にする方法
ここからは、「見ているWebサイト以外からのcookie保存をブロック」する設定をオンにする方法を解説します。
●Safariの場合
iPhoneのWebブラウザーSafariなら「設定」→「Safari」→「すべてCookieをブロック」でオンにすると、この設定を使えます。
●Chromeの場合
Chromeでは、アプリの設定から「プライバシー」→「トラッキング拒否」を選択→「トラッキング拒否」をオンにすると有効にできます。
AndroidのChromeブラウザーでの設定方法を説明します。
1.「プライバシー」から
2.「トラッキング拒否」を選択→
3.「トラッキング拒否」をオンにする。
これまで見てきたように「cookie」の正体は、Webサイトがあなたの情報を記憶するための「メモ」に過ぎません。Webサイトを便利に使うためには必要なものなのです。
一方で、あなたのほしい商品を記録されて、広告に使われるの不快に感じる人もいるでしょう。そうした人は、ブラウザーの設定でプライバシー対策をとることをおすすめします。