※この記事の内容は、2015年3月20日時点のものです。

今春、格安SIMが"激安"になるかもしれない

スマホやタブレットを安く使えることで人気を集めている格安SIM。安さの秘密は、NTTドコモなど大手キャリアのネットワークを借りて、シンプルな通信サービスだけを提供することにある。サービスを提供するMVNOと呼ばれる事業者は、開発や維持に莫大な費用がかかるインフラを持たないため、大手キャリアよりも大幅に安い料金を設定できるわけだ。

従来は1GBで1000円程度からの料金プランが主流だったが、iPhone 6のSIMフリーモデルが発売された昨年秋に各社が相次いで値下げを発表。現在は2GBで1000円程度が主流になっている。そして、今春は、さらに値下げ競争が激化する気配だ。これは、多くのMVNOに回線を提供するNTTドコモがパケット通信の接続料の値下げを発表したため。まず、IIJmioが4月から料金据え置きでデータ容量を増量することを発表。最も安い「ミニマムスタートプラン」は、3GBで972円となる。これに追随して、OCN モバイル ONE、楽天モバイルも4月からのデータ増量を発表した。今後、データ増量または値下げを敢行するMVNOが続々と出てきそうなので注目しよう。

今年の5月以降は、大手キャリアが新たに発売する端末に対し、ユーザーの希望に応じて無料でSIMロックを解除することが義務付けされる。つまり、最初からSIMフリーで売られていないキャリアのスマホでも、SIMロックを解除してもらって、格安SIMで利用できるようになるのだ。格安SIMの市場を広げる好機として、各社のサービス競争も激化するかもしれない。

SIM選びに失敗しないための3つのポイント

MVNOと呼ばれる事業者は、法人向けにサービスを提供する会社を含めると100以上あり、さまざまな料金プランが提供されている。正直なところ「格安SIMを使ってみたい!」と思っても、「どれを選べばいいのかがわからない」というのが現状だ。そこで、春から"SIMフリー生活"を始めたいと考えているビギナーのために、失敗しないSIM選びのポイントを紹介したいと思う。

ポイント1:必要なデータ容量を見極めよう!

各社は1か月または1日に利用できる高速通信のデータ容量別にプランを用意している。これを超過した場合は、速度制限が課せられるので、ちょうど使い切るか少し余るぐらいのプランを選ぶのが賢明だ。多くのサービスは、追加のデータ容量をチャージできるオプションを用意しているが、プランに含まれるデータ通信料の単価に比べると割高になるので、本当に困った場合のみに利用するのが得策と言えよう。

なお、音声通話付きのSIMは、データ専用プランの基本使用料に700〜800円程度を加算したプランが主流だ。通話料は21.6円/30秒だが、最近は通話料が半額になるサービスを提供する事業者も増えているので、電話の利用が多い人は、それもチェックしておこう。

ポイント2:安心して利用できるサービスを選ぼう!

大手キャリアは端末と通信サービスをセットで提供しており、サービスの中には、購入後のサポートサービスやセキュリティサービスなども含まれる。MVNOは、無駄を省いたシンプルなサービスを提供することで低価格化を実現しているが、利用料金が安い反面、安全に快適に使うためには、ユーザー自身が留意・工夫すべきことも生じる。

例えば、大手キャリアは、ユーザー向けに無料で使える公衆無線LAN(Wi-Fiスポット)サービスを提供している。積極的に活用することで、モバイル通信でのデータ通信量を減らせる有効なサービスだ。MVNOの中には、BIGLOBE SIMやNifMoのように、Wi-Fiスポットを無料で使えるサービスもある。また、インターネットやセキュリティの知識に不安がある人は、電話によるサポートサービスや、セキュリティアプリの有無なども確認しておくといいだろう。

ポイント3:お得に利用できる"セット割"にも注目!

MVNOの中には、インターネットプロバイダとしても有名な事業者が多い。利用しているブロードバンド回線と同じ事業者のSIMサービスを利用すると、毎月の利用料が割引になる場合もある。例えば、BIGLOBE、@Nifty、OCNの場合は、月額料金が216円も割引される。

「イオンスマホ」やBIGLOBEの「うれスマ」、「楽天モバイル」など、端末とSIMをセットで提供しているサービスも見逃せない。SIM単体で契約する場合より安い専用プランを利用できる場合があるからだ。使っていくうえでわからないことがあったり、不具合などのトラブルに遭った場合に、問い合わせ先を1本化できることも大きな利点。大手キャリアのスマホの場合は、わからないことがあればドコモショップ、auショップといった事業者系列店に行けばいいが、SIMフリースマホの場合は、原則として、そうした"駆け込み寺"のような場所がなくなることも心得ておこう。

主要なMVNOが提供する格安SIMサービスの概要をまとめてみた。利用料金は2015年3月20日現在の、LTEを利用する最安プランを例として表記した。各社が複数のプランを用意し、また、今後、値下げする可能性も高いので、各社のWebサイトなどで最新の料金をチェックしていただきたい。

※クリックすると拡大画像が表示されます。

SIMフリー初心者におすすめのプランはコレだ!

それでも、やはり「どれを選べばいいかがわからない」という人のために、スマホの使い方別に、おすすめのプランを選んでみた。初めてのSIMカード選びの参考にしていただけると幸いだ。

タイプ1:とにかく安く使いたいライトユーザー向け

外出時にはスマホでメールをチェックしたり、ときどき地図を見たりといったライトユーザーの場合は、1か月のデータ容量を1〜2GB程度で抑えることが可能だ。多くのMVNOが月額1000円以下のプランを用意しているので、そこから自分に合ったプランを選ぶといいだろう。とことん安くしたいのであれば、DMM mobileでは1GBを712円で使える。旅行や出張などで通信量が多くなる月もあるのであれば、IIJmioと楽天モバイル。

サービス名 プラン名 データ容量 月額料金
BIGLOBE SIM エントリープラン 2GB/月 972円
DMM mobile シングルコース データSIMプラン 1GB 1GB/月 712円
IIJmio データ専用SIM ミニマムスタートプラン 2GB/月(4月からは3GB/月) 972円
OCN モバイル ONE 70MB/日コース 70MB/日(4月からは110MB/日) 972円
U-mobile データ専用 1GB 1GB/月 853円
楽天モバイル 2.1GBパック 2.1GB/月(4月からは3.1GB/月) 972円


タイプ2:大容量を経済的に使いたいヘヴィユーザー向け

大手キャリアは、昨年から順次、データ通信量を選べる新しい料金プランを導入した。しかし、まだ、パケット定額で7GBまで使える旧プランで使っている人が多いのではないかと思う。外出時のインターネット利用が多く、これまで使っていた大手キャリアのスマホで7GB近くまで使っていた人には、データ容量が7GB以上のプランをお勧めしたい。4月1日からのデータ容量を発表済みのIIJmioと楽天モバイルでは、2000円台で10GBまで使えるようになるので、非常に経済的だ。BIGLOBE SIMとNifMoは追加料金不要でWi-Fiスポットを利用できるので、効率よく使えることが利点だ。

サービス名 プラン名 データ容量 Wi-Fiスポット 月額料金
BIGLOBE SIM ライトMプラン 8GB/月 3065円
DMM mobile シングルコース データSIMプラン 8GB 8GB/月 × 3002円
IIJmio データ専用SIM ファミリーシェアプラン 7GB/月(4月からは10GB/月) × 2764円
NifMo データ通信プラン 7GBプラン 7GB/月 3024円
楽天モバイル 7GBパック 7GB/月(4月からは10GB/月) × 2440円


タイプ3:容量超過を気にせずに使いたいギーク向け

無制限で高速通信を利用できるプランを提供しているMVNOもある。容量別のプランでは、月または日に利用できるデータ容量のほかに、「直近3日間で1GBまで」といった速度制限の条件が設定されているが、それも気にせずに使い放題になることが最大の利点。動画やゲーム、テザリングなども利用するヘヴィユーザーにとっては、容量超過による速度制限の不安が解消されるので魅力のあるプランと映るだろう。しかし、通常の容量別プランよりも実行速度が遅くなる恐れがあるので注意が必要だ。ぷららモバイルLTEは「定額無制限プラン」を最大3Mbpsに設定しているが、他の事業者も速度は公表していないものの、通常プランより低速と感じているユーザーが少なくないようだ。速度も重視するなら、実際に使っているユーザーの口コミ情報などもチェックすべきだろう。

サービス名 プラン名 最大通信速度 月額料金
b-mobile b-mobile SIM 高速定額 下り150Mbps/上り50Mbps 2138円
U-mobile データ専用 LTE 使い放題 下り150Mbps/上り50Mbps 2678円
ぷららモバイルLTE 定額無制限プラン 下り3Mbps/上り3Mbps 2980円


各社のプランを比較している「SIMPEDIA」のようなサイトもあるので参考にしてもらいたい。

※記事は2015年3月20日時点の情報です。最新の金額等の情報は各公式サイトをご確認ください。

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村元正剛(むらもとまさかた)

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し続けているITライター。編集プロダクション「ゴーズ」を率い、雑誌、Webなどにさまざまな記事を寄稿している。趣味は演劇鑑賞と中国ウォッチング。

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