作業が終わるまで帰れない!「経費精算カフェ」に行ってみた!

すぐに溜まってしまう領収書。なんとか集中して経費精算を済ませたい! そんな願いをかなえるコンセプトカフェが、東京・JR高円寺駅の近くに誕生。「経費精算カフェ」を体験してきました。

▲「経費精算カフェ」の外観

面倒な経費精算や確定申告。「ああ、やりたくない、つらい」と思いつつも、「今日こそは作業を終えてしまおう」と思っている人のための空間が、東京・JR高円寺駅の近くにできました! その名も「経費精算カフェ」。

▼動画:経費精算カフェに行ってみた!

仕掛けたのは、ヒマナイヌスタジオ代表の川井拓也さん。お客様を原稿執筆目的の人のみに絞った「原稿執筆カフェ」に続く、エッジの尖ったコンセプトカフェの第二弾です。
このスペース(高円寺三角地帯)はもともとライブ配信&撮影スタジオで、日中は主に原稿を書く人のための「原稿執筆カフェ」として営業しています。平日はサブスク会員用、土日は時間貸し、夜は貸し切りタイムで、その他の営業を行っています。
原稿執筆カフェについては、こちらの記事で詳しく説明していますので、興味のある方はぜひご一読ください。

▲原稿が終わるまで帰れない!噂の「原稿執筆カフェ」を体験

経費精算や家計簿の作業を行う方を対象にした「経費精算カフェ」は、税理士として活躍する脇田弥輝(わきたみき)さんを店長に迎え、2022年9月から始まりました。経費精算や家計簿の作業は、原稿執筆ほど日常的なものではないので、開店するのは月の終わりの二日間となっています。営業日、営業時間等は経費精算カフェのサイトでご確認ください。完全予約制ではありませんが、席数が少ないので、なるべく同サイトの予約フォームから予約を行うことを推奨します。
気になる料金は千五百円。何時間滞在しても金額は一律です。

筆者は、11月の第1日目の営業日である11月25日に体験してきました。この日の営業時間は19時から23時と夜の時間帯でしたが、今後も同様というわけではありません。今後、昼時間帯の営業も試してみる予定だそうです。

経費精算カフェとは

「経費精算カフェ」は、JR高円寺駅から徒歩5分。環状七号線に面した交差点の角ビルの一階にあります。道を渡った向かいにはコンビニのローソンがあります。

座席はぜんぶで10席あります。キッチンと向かい合うカウンター席が4席、窓側のカウンター席が4席、テーブルが2席。店内は会話禁止&禁煙ですが、休憩用のテラス席(3席)は喫煙可、電話や打ち合わせなどのお喋りも可です。
基本会話なしなので、店内はノーマスクでOK。もちろんマスクをするのもありです。

▲窓に面したカウンター席

席のスペースは、ノートパソコンと飲み物を置くとちょうどいいくらい。椅子はすこし高めで、すべての席にお尻が痛くならないジェルクッションが用意されています。
さらに利用者には、ノートパソコン用の傾斜台や冷却台が無料で貸し出されます。足下には荷物入れが用意されています。

▲足下には荷物入れがある

電源は通常のコンセントのほか、USBポートもあります。重い電源アダプタをもってくる必要はありません。
無線LANはもちろん常備。光回線1回線分を少人数でシェアするので、通常の無料無線LANサービスよりも快適にネットを利用できます。経費精算や家計簿にクラウドサービスを利用している場合でも、ストレスなしに作業が行えます。

店には珈琲や紅茶などのホットドリンクが無料で用意されています。冷たいソフトドリンク&アルコール類は別料金。軽食もありますが、持ち込みOKなので、コンビニなどで自分の好きな飲料や軽食を購入して持ち込むことができます。

▲カウンターに用意された飲み物類

入店して目標を提出する

入店すると、店長の脇田さんが出迎えてくれます。
そのときに手渡されるのが、黄色い幅広のポストイットとペン。これで本日の目標を記入します。例えば「8月~11月 経費精算」など。
脇田さんがポストイットをぺたりとアクリル板に貼り付け、作業スタート。

▲ポストイットに目標を書いて店長に預ける

最初に目標を立てることで、集中力が高まります。席についたら、作業スタート。申告した目標を達成できるまで帰ることはできません。

秘密兵器「Scan Snap」登場

店の一角に、富士通から提供されたドキュメントスキャナー「Scan Snap iX1600」が置かれています。さまざまなサイズの用紙に対応したイメージ読み取り機です。
「Scan Snap iX1600」はパソコンにもスマートフォンにも対応しています。

▲テーブル席に設置された「Scan Snap iX1600」

以下は自分のノートパソコンを持ち込んだ場合の手順です。
まずはノートパソコンで「Scan Snap」のサイトにアクセスし、機種、OSを選んで、「Scan Snap Home ダウンロードインストーラー」をダウンロードします。OSはWindows、MacOSの両方に対応しています。セットアップを行い、USBケーブル3.0ケーブル(店側で準備済み)でパソコンとドキュメントスキャナーを接続。認識されたら、準備完了です。

▲初回のみ、インストール作業を行う。背後に見えるピンクの案内にインストールの仕方が書かれている。次回からは接続するだけ

あとは、領収書やレシートをセットし、iX1600の「Scan Snap」ボタンを押すだけ。恐るべきスピードで領収書やレシートを読み込み、イメージデータとしてパソコン側に保存します。

わからないことは店長に相談

店長の脇田弥輝さんは、『教えてみき先生! 税法論文ってどう書くの?』(中央経済社)などの著作をもつ、現役バリバリの税理士の先生。
個人事業主が、たとえば「交通費はどのくらいの割合で経費として申請したらいいのだろう?」などと悩んだときは、無料で相談に乗ってくれます。
長時間利用していても、ふつうの喫茶店のように「いつ追い出されるのだろう」という心配なく、最新のドキュメントスキャナーを使い放題で、しかも経費関係の無料相談付き! 在宅ワークが増えたいま、交通費をどのくらいの割合で請求したらいいかなど、いろいろ相談してみたい方には激安な価格設定と言えるでしょう。利用する人を選ぶという意味で、コンセプトカフェなのですね。

▲わからないことは個別に相談

脇田さんのお話

「最初に店長をやってくれないかというお話が来たのは、2022年の春頃でした。『原稿執筆カフェ』が始まった頃ですね。いままで税理士の先生が会議室を借りて経費処理に関するセミナーを行う機会はありましたが、こういった形で、経費精算の作業に専念できる場所はなかったように思います」と語る脇田弥輝さん。

▲「経費精算カフェ」店長の脇田弥輝さん

「事前の想定では、個人事業主の方が溜まった領収書を片付けにいらっしゃるというイメージでした。店の中にある大型モニターを使って、経費精算に関する20分くらいのミニセミナーを挟もうかと思っていたんですが、実際に始めてみると客層はバラバラだったので、個別に質問を受け付ける形のほうがいいと思い、いまはそういう形にしています。気軽にお声をかけていただければと思います」

ーいままでどんなお客様がいらっしゃいましたか。

「個人事業主の方は案外少なかった印象です。9月、10月と連続して来て下さったのは、たとえば会社の社長さん。自分の経費が半年分くらい溜まってしまい、経理の担当者に「早くしてください」と言われて、こちらにお越しになりました。1回目は大変だったようですが、2回目は量が減って早く終わりましたね」

ーみなさん、どんな形で作業していらっしゃるのでしょう。

「ほとんどの方がノートパソコンで作業されています。使っているソフトは各自バラバラ。なかにはExcelを使って集計されている方もいます」

ー「経費精算カフェ」は「原稿執筆カフェ」から約半年遅れて始まっているのですね。実際に始めてみていかがでしたか。

「必要に迫られた方がいらっしゃるので、みなさん、集中力が高いですね。終わったあとはリラックスしてアルコールを飲んだりもしました。9月にオープンして、10月、11月と徐々にお客さんが増えてきています。9月からと判断されたのは川井さんですが、当然、コロナの影響はあったと思います。コロナ禍の最中には経費そのものが減ったんですね。交際費が減りましたし、移動をあまりしなくなったので交通費も減りました。回復ベースに入ったのは秋頃からかと思います」

ー経費精算カフェをオープンするにあたって工夫した点は?

「オーナーの発案で、メーカーからドキュメントスキャナーを提供してもらったことでしょうか。個人が経費精算のためだけに導入するにはちょっと高価な機器なので、気軽に利用できるのはうれしいですね。細長いレシートなども簡単に読み取れますし、スピードも高速です。ただし、注意すべき点があります。データを電子化したからといって、原本を捨ててしまうのはよくありません。電子帳簿保存法対応という法律があるため、領収書などの紙類は扱いやすいデジタルデータに変換して活用し、原本は保存しておくのがおすすめです」

精算に現金は使えません

作業が終わると、完成した旨を告げて精算を行います。現金は利用できないので、キャッシュレスサービスのみ。交通系、PayPay、LINE Pay、d払い、iD、Apple Pay、各種クレジットカードなど、幅広いサービスに対応しています。

▲最後に受付で精算

「申告した目標が達成できるまで帰れない」ということで、ちょっと不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、ドキュメントスキャナーという心強い味方もいますし、迷うことがあったら店長に相談できます。想定より作業効率は上がるはずなので、ご安心を。なお、作業内容をチェックされることはありません。自分でノルマを達成したと思ったら、そこまででOKです。

今回の体験で印象に残ったのは、ドキュメントスキャナーの読み込みの速さです。レシートや領収書が何枚あろうとあっと言う間にイメージデータとしてパソコン内に取り込まれます。これなら毎月家計簿をつけてもいいかもと思えました。
ドキュメントスキャナーを使えるだけでも来店の価値がありますが、一番の価値はやはり店長が税理士ということでしょうか。働き方がオフィス中心から在宅ワークに切り替わり、経費精算の変化に悩んでいる方も多いかと思います。悩んだときすぐに専門家に相談できるのは大きなアドバンテージ。
また、店内にいるのがみんな領収書と戦っている者同士という一体感も大きいですね。世界で一番「経費精算に集中できる場所」なのではないかと思います!

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*1 IPv6に対応していないサービス/サイトはIPv4接続となります。

*2 最大通信速度は光回線タイプによって異なります。最大通信速度はお客さまのご利用機器、宅内配線、回線の混雑状況などにより低下します。

 

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深川岳志

1960年、兵庫県生まれ。大学時代はSF大会(Daicon3、4)の運営にのめり込む。卒業後、編プロを経てITライターに。ショートショートを書くのが趣味。note:https://note.com/fukagawa