おウチでも「ダッチオーブン体験」してみよう!

実はダッチオーブン、家庭でも十分に使える、便利な調理器具なんですよ! ローストビーフからジャンボプリンまで、多才なレパートリーをご紹介。

アウトドアで人気の『ダッチオーブン』。聞いたコトがあるという人も、けっこう多いんじゃないかな。
え? アウトドアに興味はないから、ダッチオーブンにも興味がない? 
まあまあ、そう言わずに・・・。
実はダッチオーブン、家庭でも十分に使える、便利な調理器具なんですよ!

『ダッチオーブン』は、家でも大活躍!

アウトドアで人気のある調理器具『ダッチオーブン』。
最近では、アウトドアを趣味にしていない人でも言葉はよく、耳にするようになってきた。
でもこのダッチオーブン、アウトドア専用ってモノではなくて、家でも使える調理器具なのだ。
というわけで、今回はアウトドア好きなら誰でも知っている、業界大手のメーカー、コールマン ジャパンさんにダッチオーブンを3サイズ(12・10・8インチ)お借りして、実際に”家ダッチオーブン”体験をすることにした。
コールマン ジャパン オフィシャルサイト

ところで『ダッチオーブン』って、どんなもの?

さっきから、ダッチ、ダッチと言い続けているけれど、そもそも『ダッチオーブン』って、どんなものなんでしょ?
もともとは、アメリカの西部開拓時代、カウボーイが使っていた鍋で、”焼く””煮る””蒸す””揚げる”など、なんでもできちゃう万能鍋。
ローストビーフにチリビーンズ、鶏の丸焼き、炊き込みご飯・・・それに、こ~んなスイーツだって作れちゃう!


いろいろやきいも


ジャンボプリン

家に大きなオーブンがなくても、本格的なオーブン料理が作れるし、子どもが喜ぶ”非日常”を演出した、こんな料理も作れちゃう。
手間がかからないので”お疲れお母さんのためのもう1品”、あるいは“男のひとり飯”的な料理も作れる。まさに万能鍋なのだ!

実際に、手にしてみると・・・

さて、そのダッチオーブン。なんでもできちゃう”魔法の鍋”のように説明してきたけれど、実は少々面倒な点もある。
例えば、シーズニングという、鍋に油をなじませる作業。
鉄のフライパンなんかと同じ、使う前にしなきゃならない作業だ。
また、鋳鉄製なので重い、濡れたままだと錆びる、などの欠点もある。
でも、最近のダッチオーブンは、そんな欠点を解消しているものも多く、今回お借りした『ダッチオーブンSF』も、その”進化組”。
何が進化しているのかというと・・・

  • 面倒なシーズニングが不要。コレは、けっこう画期的です。
  • 従来品よりも15%ほど軽量化されている。
  • 10・8インチは、脚がないので、家のコンロに載せやすい。

では、実際に手にとってみよう!

触ってみた感触は、ザラッとした質感。
シーズニング済みということなので、少々油っぽいのかと思ったけれど、そんなことは全然なく、南部鉄器のような感じだ。
軽量化されたという、重量のほうは・・・

軽くなったとはいっても、いちばん大きいサイズの12インチで約10kg。
ウチの3歳になる息子が約11kg。なので・・・重いです。
やはり”家ダッチ”で実用的なのは、脚がなくてコンロに載せやすい10インチ、8インチかな。

重さは、10インチが約6kg。炊飯器ぐらいの重さかな?
8インチが約3.5kg。コレは6Lくらいの圧力鍋程度の重さ。
これなら十分、使いこなせそうだね。
アウトドア用品だと思っていたダッチオーブンが、家庭でも使えるってコト、わかってもらえたかな?
それじゃぁ後編では、実際にダッチオーブンで料理を作っちゃいましょう!あまりに簡単すぎて、違う意味で驚いちゃうかも!?

今までできなかった料理ができちゃう!?

『いろいろやきいも』や『ジャンボプリン』なんて、非日常を演出するスイーツのレシピを紹介したけれど、ダッチオーブンにできる料理は、まだまだたくさんある。
例えば・・・


アジアン鶏飯

手間がかからないけど、豪快でボリュームがあるから、「今日は疲れたから、ラクしたい・・・」というお母さんにおすすめだ。


焼豚

コレなんかは”男のひとり飯”にピッタリ!
アツアツご飯と食べてもおいしいし、お酒のおつまみにも最適だ。
本格的だけど、簡単に作れるってのがいいよね。
そして今回、ボクが挑戦してみたいのが『ローストビーフ』。
「え~! ローストビーフって、買うものじゃないの?」なんて思っている人、これを見たら、あまりにも簡単すぎて、目からウロコが落ちますよ!

ローストビーフ作りに挑戦!

ローストビーフって、高いイメージがあるけど、今回用意した肉は、オーストラリア産の牛モモ肉。
お値段、なんとグラム158円! 500g買っても790円!!

作り方は、とっても簡単。まず肉に塩、コショウを擦り込む。
そして、裏返したダッチオーブンのフタで表面を焼く。

ダッチオーブンのフタは、フライパン代わりにもなるスグレモノ。
肉厚鉄板なので、こんがりキレイに焼けるのだ。
で、コレをあらかじめ熱しておいたダッチオーブンに野菜(今回はジャガイモ、ニンジン、タマネギ)と一緒に入れる。
あとはフタをして、弱火で20分待つだけ。

今回は、10インチのダッチオーブンを使用。
これなら、野菜を入れる余裕があるので、付け合わせも一緒に作れちゃう。
で、20分たったお肉がコレ。いい感じで火が通っています!

この肉をアルミホイルに肉を包んで、30分ほど寝かせる。
こうすることで、肉汁が落ち着くので切っても肉汁がジャブジャブ流れ出さないのだ。
そして、完成! おいしそうでしょ~!

でも、ちょっと火を通し過ぎちゃったかも・・・。
次回は加熱時間を10~15分くらいにしてみるかな?
こうやって試行錯誤しながら、研究(?)できるのもダッチオーブンの楽しさなのだ!

これをお皿に盛りつければ、できあがり。
ちなみに、ソースを作るのは大変なので、今回はカラシしょう油で・・・。ワサビしょう油でもおいしいゾ!

後片付けも、意外と手間いらず!

さて、料理ができたら、待っているのがお片づけ。
鋳鉄製だから錆びやすい、なんて話をしたけれど、言うほど手入れが面倒なわけではない。
まず、ダッチオーブンが冷めたら、水で汚れを洗い流す。

アツアツの状態で水をかけると、ダッチオーブンにヒビが入る恐れがある。ちなみに、ダッチオーブンが冷めるまで、30~40分かな?
そして、洗剤を付けずにタワシだけで洗う。
洗剤を付けないのは、ダッチオーブンに染み込ませてある油分を落とさないため。油が落ちると錆びやすくなってしまうのだ。
なので、スチールタワシなど、ダッチオーブンを傷つけてしまうタワシも厳禁。せっかくの油膜をはがしてしまうことになる。

汚れをキレイに落としたら、ダッチオーブンの水気をふき取り、もう一度火にかけて、水分を完全に飛ばす。そして、ダッチオーブンが熱いうちにオリーブオイルを塗り込んでおけば、錆びる心配はない。
コレを面倒ととるか、簡単ととるかは使う人次第。
でも道具って、こういう手入れをして大切に使い続けるからこそ、愛着が湧くんだよね。
もう少しで、クリスマスやお正月。ダッチオーブン料理で”非日常”を演出してみてはどうだろう? 
ひと味違った料理に、家族や仲間も喜んでくれるはずだ。
日常的に使えば、普段の料理のレパートリーも増えること間違いなし。
もちろん、キャンプやBBQをする機会があれば、さらに活躍の場が広がるゾ!

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牛島義之(うしじまよしゆき)

アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーランスとして独立。以降、アウトドアをはじめ、遊びにまつわる数々の原稿を雑誌やWEBサイトにて執筆している。 ⇒今日も明日も『ゆる~い生活』