「新品のPCを買う予算はないけれど、かといって激安の中古品は怖い」こんな風にお悩みではありませんか?確かに、中古品は何かとトラブルが発生するイメージもあり、少々購入に勇気が必要です。
しかし、いくつかの点に注意すれば激安中古PCから掘り出し物を探し出すことはできます。この記事では、これまで10台以上の中古PCを購入してきた私が、中古品購入時のポイントを紹介していきます。
激安中古PCの選び方
いくら激安品と言っても「安ければなんでも良い」というわけではありません。パソコンの中古品はどのように選べばよいのでしょうか。商品を選ぶ三つの規準を解説します。
最低これだけは欲しい!中古PCの性能(スペック)
価格の低いPCに絞る場合でも、「安物買いの銭失い」になっては意味がありません。気持ちよく使用できるものを選ぶには、ある程度は性能にこだわりたいところです。
2020年7月現在、中古市場に出ているPCの中では、最低限以下の性能を持っているものが推奨されます。
中古PCの性能(推奨)
OS | Windows 10(64bit) |
CPU | intel core i3 |
メモリ | 4GB |
データ容量 | 128GB |
まず、OSは基本的にWindows 10が推奨されます。Windows 8や7を搭載しているPCも流通していますが、Windows 7は既にサポートが終了しており、Windows8も2023年にサポートが終了します。長く使うのであれば、選択肢はWindows 10のみでしょう。
「64bit」とはデータを処理する単位のことです。こちらも処理速度に影響するため64bitがおすすめ。32bitのタイプもありますが、古い型に多く中古市場でも徐々に流通が減って来ています。
CPUやメモリは、上記のものがWindows10を動かせる最低スペックと考えてください。i3より処理能力の低い「Celeronシリーズ」のCPUや、2GBのメモリを搭載しているPCもありますが、Windows10を使用していると動作はかなり低速です。仕事で使用する場合は実用に耐えられないでしょう。
データの容量は、128GBが最低ラインです。なお128GBという容量は、書類や画像データの利用を中心とした「あまりPCのデータ容量を必要としない用途」を想定しています。動画の編集やダウンロードなどを頻繁におこなうのであれば、256GB以上の容量のものを選ぶか、データをクラウド管理するなどの対策が必要です。
ノートPCかデスクトップPCかを決める
ノートPCとデスクトップPCを、使用目的に応じて選ぶのも重要です。それぞれ以下のような特徴があります。
種別 | ノートPC | デスクトップPC |
メリット | ・持ち運んで使える ・コンパクトで場所を取らない |
・修理や部品の交換がしやすい ・大画面で作業ができる |
デメリット | ・画面が小さい ・部品交換が難しい |
・モニターやキーボードが別売 ・本体が大きく場所を取る |
持ち出して使いたい場合やデスクが小さい場合はノートPCを。大画面で使いたい場合や改造したい場合などはデスクトップがおすすめです。
Microsoft Officeの有無で決める
販売している業者や商品によっては、Microsoft officeのライセンスが無料でついてくることがあります。Microsoft officeはビジネス用PCには欠かせないソフトですが、Microsoftから普通に購入すると高額なのが難点。無料でついてくるのは嬉しいポイントです。
なお、Officeのバージョンは最新版ではない場合もあるので購入前に確認してください。
おすすめはリースアップPC
激安中古PCを選ぶうえでおすすめなのは、リース上がりのPC(リースアップPC)です。企業のオフィスなどに有料で貸し出されていたPCが、リースの期限が切れ中古市場に流れてくることがあるのです。
リースアップPCは、リース期間があるため型落ちであることが多いです。しかし、リース品であることから丁寧に扱われる傾向があり、キズや汚れが少なく状態のよいものが散見されます。
リースアップ品は中古ショップで特集されていることもあるのでぜひ狙ってみてください。
激安中古PCの予算
中古PCを購入するうえで、価格は無視できないポイントです。中古PCを検討する際、予算はどの程度を見込んでおけばよいのでしょうか。
予算は最低でも2万円以上だと見込んでおく
結論から言うと、仕事などで使うPCであれば、少なくとも2万円は用意しておくべきでしょう。あくまで個人的な経験則ですが「2万円」という価格は、実用に耐えうるPCかどうかの一つの分かれ目になるからです。
もちろん、2万円未満でもPCは売られていますが、処理能力が低く動作が重いなど問題を抱えていることが少なくありません。なお、2万円はあくまで最低限のラインなので、実際には、もっと高い性能のPCが欲しかったり、次に説明するオプションもつけたい場合は、相応に予算を増やす必要があります。
オプション料金を考慮して予算を設定する
中古PCは、購入時に有料のオプションを適用できる場合があります。オプション内容はショップによって様々ですが、たとえば以下のようなものが代表的です。
・バッテリーを新品に交換してくれる
・保証期間をのばしてくれる
・最新版Microsoft officeをインストールしてくれる
・メモリを増設して処理能力を向上させてくれる
以上のような追加オプションを利用する場合、数千円から2万円程度のオプション費用が発生します。オプション込みで予算を決めておくとPC選びがスムーズになりますよ。
激安中古PCはどこで買うのか
中古PCを販売しているところは多くありますが、実際に購入する場合はどこを選べばよいのでしょうか。おすすめの販売元を解説します。
中古PC業者のネットショップでの購入がおすすめ
基本的に中古PCは、中古PC業者のネットショップで購入するのがおすすめ。店舗と比較しても、同じレベルの商品をより安く売っていることが多いからです。また、店舗スタッフに邪魔されずじっくりと商品を吟味できます。
ただ、逆に「実物を見ていないと心配」「詳しいスタッフの説明が聞きたい」という方は、商品の実物の写真を掲載しているショップに絞りましょう。
個人的な体験でいえば、これまで10台以上の中古PCを購入してきましたが、業者からネット経由で購入してトラブルになったことはありません。
もちろん「説明と違う商品が来る」などのリスクはゼロではありませんが、過剰に心配する必要はないでしょう。
個人間での売買はリスクが大きい
一方、おすすめできないのはネットオークションやフリマサイトなど、インターネットを介した個人間の取引です。PCの購入はやりとりする金額が大きいため、不具合が見つかったときの損害が大きくなります。
個人の取引では保証が付かない場合が多いうえ、不良品の返品に応じてくれない可能性もあります。中には、不良品を動作品と偽って出品する売主もいるかもしれません。
業者から購入する場合と比べると購入者が負うリスクが高くなりますので、個人とのPCの売買は避けた方が無難です。
激安中古PC購入時の注意点
激安中古PCの購入には、新品のPCを購入する際にはない注意点がいくつか存在します。代表的なものを三点見てみましょう。
保証期間の長さを確認する
中古PC全体に言えることですが、販売元のショップによって保証期間に差があります。「到着後1か月のみ動作保証」や「1年間動作保証」などさまざまなので、購入前に確認しておきましょう。
なお、ネットショップによっては有料で保証期間を延ばしてくれる場合や、レビューの投稿で期間を延長してくれることもあります。保証の延長サービスがないかも合わせて確認してみてください。
持ち出す予定があればバッテリーに注意
家の外で使う予定でノートPCを購入する場合、バッテリーに注意してください。バッテリーは基本的に消耗品扱いで、ほとんどの業者で保証対象外となっています。
販売ページにバッテリーの状態を記載している業者は少ないのが現状です。そのため、届いたPCのバッテリーがどの程度消耗しているかはほとんど運しだい。持ち出して使うのであれば、交換用のバッテリーの購入を予定しておくことをおすすめします。
なお、ノートPCの一部の機種では、バッテリーが本体と一体化していて交換ができない仕様になっています。購入前に機種の仕様を見て、バッテリーの交換が可能かどうかチェックしておいてください。
Microsoft Officeの正規版が入っているかどうか注意する
「officeソフト付き」とされているPCであっても、Microsoft officeが搭載されていないケースが散見されます。この場合、インストールされているソフトは「Kingsoft office」「WPS office」などの別のソフトです。
「互換性があればOK」という方は特に問題ありませんが、ビジネスシーンではまだまだMicrosoft officeが主流です。Microsoft officeが欲しい場合、誤って互換品入りのPCを買わないよう注意しましょう。
激安中古PCをおすすめできる人
激安中古PCがおすすめなのは以下のような人です。
・とにかく低予算でPCが欲しい人
・キズや汚れに神経質でない人
・超高性能を求めていない人
新品であることにこだわりがないのであれば、選択肢の一つにしてみても良いのではないでしょうか。
激安中古PCは吟味すれば十分使える
激安中古PCと聞くと「まともに動かないのではないか」と心配する方もいるかも知れません。確かに「安かろう悪かろう」を体現した商品も存在しますが、スペックを絞り込んで探せば掘り出し物に出会うことも多いです。低予算で使えるPCが欲しいのであれば、一度検討してみてください。