思いつきはその場で入力するのが一番。ということで、多くの人の場合、紙のメモに代わり、いつも持ち歩いているiPhoneにメモを取る習慣が根付きつつあるのではないでしょうか。カメラや音声入力が備わっていることもスマートフォンの強みです。
では、どんなアプリを使ってメモをとればいいでしょう。メモマシンとして優れているとはいえ、iPhoneではあまり長文のメモはとりづらいもの。あとからの編集も面倒です。書いたり撮ったりしたメモの編集は、パソコン側で行ったほうが便利ですね。
今回は、パソコンとの連携という側面からいくつかのメモアプリを選んでみました。
本命は標準アプリの「メモ」
同期したいパソコンがMacならば、アプリの第一候補は、iOS標準でついている「メモ」でしょう。Macにも「メモ」アプリは搭載されており、簡単な設定で内容を同期してくれるからです。パソコンで編集した内容はiPhoneの「メモ」に反映され、いつでも見直すことができます。
Macとの同期は簡単ですが、じつは「メモ」はWindowsでも読み書きできます。AppleのクラウドサービスであるiCloud.comを通すだけなので、さほど難しい作業ではありません。iPhoneの「メモ」アプリはWindows、Mac、両刀使いの人にもオススメできるアプリです。
Macとの同期設定
iPhone、iPad側の設定は、「設定」の中の「Apple ID、iCloud、メディアと購入」で行います。
▲「設定」の中の「Apple ID、iCloud、メディアと購入」を開き、「iCloud」をタップする
▲「メモ」をオンにする
Mac側の設定は環境設定で行います。
▲デスクトップ画面の左上にある[Appleマーク]から、[システム環境設定]をクリックし、「Apple ID」を開く
▲「メモ」をチェックする
▲メモを開く。閲覧、編集が可能
Windowsとの同期設定
iPhone、iPad側の設定は、Macの場合と同じです。「設定」の中で「iCloud」の「メモ」をオンにします。Windows側はブラウザを使い、iCloudにログインします。一度ログインすれば、IDとパスワードは30日間保持されます。
▲https://www.icloud.com/にアクセスしApple IDを入力して、iCloudにログインする
▲利用可能なアプリ一覧が表示されるので、「メモ」をクリックする
▲iPhoneで書いたメモを表示し、編集できる
「メモ」アプリでできること
「メモ」は意外に多機能です。表や個条書きも作成できますし、文字のフォーマットも「タイトル」「見出し」「小見出し」「本文」「等幅」に切り替えることができます。写真やビデオを貼り付けたり、その場で撮影することも可能です。書類をスキャンすることもできます。もちろん、音声入力にも対応しています。
いつも使っている「LINE」で自分にメモを送る
LINEは、今や日本人のほとんどが使っているといってもいいくらいのメッセージアプリです。Mac、Windows、Android、iOSのすべてに対応しています。
他人とメッセージをやり取りするのがメインの使い方ですが、Keepメモ機能という自分にだけメッセージを送る機能を利用すれば、メモを簡単に送信できます。筆者は夢メモを書いてKeepメモに送信し、パソコンで日記を書くときにコピー&ペーストしています。
いったん送ったメッセージを再編集することはできないのですが、なにか思いついたことを簡単に記してパソコンに送るという意味では、とても使いやすいツールとなっています。
また、ひとつのファイルにじっくり手を加えたい場合は、ノート機能を利用するといいでしょう。
使い方のコツとしては、「Keepメモ」をピン留めしておくことですね。トークルームをピン留めしておくと、つねに上位に表示されるため、LINEを開いてすぐにメモを取ることができます。
▲「Keepメモ」のトークルームを右側にスワイプし、ピンをタイプする
Googleと親和性の高い「Google keep」
シンプルに使えて、パソコンでも利用できるという意味では「Google Keep」もオススメのアプリです。どの環境で編集しても、その結果はほかの環境に即座に反映されます。
「Google Keep」が扱えるのは通常のテキストに加え、写真、図形描画、録音、チェックボックスです。チェックボックスは、予定の管理や買い物リストなどに利用できます。
メモがカード状に表示されるユーザーインターフェイスが独自で、高い一覧性を実現しています。カードは時系列に表示されます。ラベルを貼り付けて、「仕事」「感想」「買い物」など必要なカードだけを表示させることも可能です。
▲iPhoneからログインしたところ。新規メモを書くには「+」をタップする
▲WindowsではブラウザでGoogle Keepを開く
また、「Google Keep」はGoogleの各サービス(GmailやGoogleカレンダー)などとの親和性が高く、書いたメモを簡単にGoogleドキュメント化することもできます。Googleドキュメントはグループで共有し、ひとつの文章を複数人で育てていくことができるので、プロジェクトタイプのメモに向いています。
情報集積が得意な「Evernote」
「Evernote」は老舗のメモアプリです。クラウドベースなので、どの環境からでも利用できるのが利点です。一か所で加えた編集はすべての環境で同期されます。
Evernoteは無料で利用できますが、その場合、同期できる端末は2台まで、ノートの上限サイズは25MBまで、月間アップロード上限は60MBまでという制限がつきます。テキストベースのメモに使うなら十分でしょう。
▲iPhoneの「Evernote」アプリ。手軽に書き始めるにはスクラッチパッドが便利
▲Windowsの「Evernote」アプリ。「新規作成」でノートを作成できる
パソコンのブラウザ用には「Web Clipper」という拡張機能が用意されています。対応ブラウザはChrome (Windows・Mac)、Safari (Windows・Mac)、Firefox (Windows・Mac)、Opera (Windows・Mac)、Internet Explorer 7+ (Windows)と幅広いです。この機能を使うと簡単にWebページをEvernoteに保存することができます。
また、逆にiPhoneから閲覧中のページをEvernoteに保存することも可能です。探した資料をEvernoteにまとめておき、時間のあるときにWeb Clipper眺めることが可能になります。メモ作成兼情報集積庫といったイメージですね。
以上、四つのメモアプリについて見てきました。いずれも汎用的に使えるので、iPhoneとパソコンの距離を縮める用途としては十分です。
まずは「メモ」を共有する設定を行うところから始めてみてはいかがでしょうか。