運動ゼロおじさんがスマートウォッチ「Fitbit」をつけたら、人が変わったようにランニング始めた話

アレクサ目当てで身につけてみたスマートウォッチ「Fitbit Versa3」。しかし、睡眠、水分、運動などのログがとれるヘルスケア面での強い魅力に気づき、ついには人生初のランニング開始にまで発展!? 健康管理への意識が変わったスマートウォッチの魅力を存分にお伝えします。

腕時計をつける習慣のない筆者ですが、ここのところスマートウォッチがずっと気になっていました。その動機はというと、いつでもどこでもアレクサを使いたい、という願望からです。

我が家はほんの2LDKですが、そこにecho dotを5台設置しているほどアレクサに浸かっています。radikoを聴いたり、買い物リストやTO DOリストにメモしたり、電気を点灯消灯したりなど日々の生活に欠かせないものになっているのです。

そんなアレクサを自宅外でももっと手軽に利用したくて探していたところ、スマートウォッチ「Fitbit」に行き着きました。

レンタルして使ってみることにした「Fitbit」

ネットのレビューなどを見ていると、手元でアレクサが使えて便利、という人がいる一方で、アレクサを起動するのにボタンを押すのが億劫だといってる人もいて、レビューを見ているだけでは正直便利なのかそうでないのかわかりませんでした。

これは使ってみるしかないなと思い、最近気になっていた「Rentio(レンティオ)」というレンタルサービスで借りてみることにしました。

  • レンティオの体験記はこちらから

アレクサ搭載/GPS機能付きの「Fitbit Versa3」

今回借りてみたのが「Fitbit Versa3」というモデルです。運動などのアクティビティを記録したり、睡眠の質や水分摂取量をログとして残したりすることが可能です。

筆者はアレクサ目当てでFitbit Versa3にたどりつきましたが、本来は健康管理に特化したスマートウォッチという位置付けになります。

スマホとアプリとスマートウォッチの3点セットで利用する

この Fitbit Versa3は単体でも利用はできますが、本来の機能を全うするためには、スマホおよび専用アプリ「Fitbit」が必要です。スマホと Fitbit Versa3をBluetooth接続することで、スマホアプリと Fitbit Versa3の同期がとれるようになり、各種機能を利用できるのです。

一度接続すれば、スマホをポケットやかばんから出す必要はなく、基本的にはBluetooth接続してくれています。

まずは、使ってみたところを動画で撮影してみましたのでご覧ください。

GPS搭載でマップ上にアクティビティを記録

Fitbit Versa3はGPSを搭載しています。ランニングやウォーキング、サイクリングや登山などの長距離運動系のアクティビティにおいては、ルート上での心拍ゾーンやペースなども記録。

どの時間にどんな場所で自分に負荷がかかったかを視覚的にわかりやすく計測してくれます。

つけて寝るだけで、毎晩の睡眠の質を記録

また、 Fitbit Versa3をつけて寝るだけで毎日睡眠の質を計測してくれます。

就寝・起床の時刻を記録するのはもちろん、睡眠中の「浅い睡眠」「深い睡眠」「レム睡眠」がそれぞれどれだけの時間だったかを出してくれます。

さらには、睡眠中の血中酸素変動量を推定し、睡眠中に変動が大きかったポイントも折れ線グラフで表示してくれるのです。

水分摂取量の記録や、食事のログを見ることも可能

またFitbit Versa3では腕時計から水分摂取量を記録することができ、1日にどれくらい水を飲めているかを把握することができます。

また、アプリからは水分摂取量や食事のログも記録可能で、自分が摂取したカロリーがどれくらいかといった把握もできるようになっています。

Fitbit Versa3 スマホアプリFitbit
記録 閲覧 記録 閲覧
水分摂取量 可能 可能 可能 可能
食事 不可 可能 可能 可能

ちなみに食事に関しては、スマートウォッチ側からは記録ができず、閲覧だけが可能です。食事は細かい記録が必要なため、アプリからのみ行う設計となっています。

実際の使用感は? 筆者的レビューを書いてみる

アレクサの使用感は?

筆者が一番知りたかった「アレクサ」からいってみましょう。スマートウォッチによるアレクサ利用は、実のところ、このFitbit Versa3ではいまいちでした。

その理由としては

  • アレクサを起動するためにボタンを押す必要がある
  • このボタンが結構押しづらい
  • ボタンを押してからアレクサが応答モードになるまで若干タイムラグがある

などが挙げられます。

自宅でアレクサを酷使しているアレクサヘビーユーザーな筆者からすると、スマートウォッチに向かって「アレクサ、明日の天気」と声をかけ、ハンズフリーでアレクサを利用したいのですが、それが叶うスマートウォッチでは残念ながらありませんでした。

とはいえ、近くにスマホやEcho端末がないときは、起動ボタンが押しにくいながらもスマートウォッチからアレクサ利用をすることの利便性は少し感じました。特にタイマーやリマインドなどをよく使う人にとっては、重宝するかもしれません。

アレクサ目的だった筆者は一度は落胆しましたが、このあと使い続けてみると、実は予想を裏切るFitbit Versa3の良さに気づくことになるのです。

重要な通知をFitbit Versa3で受信。スマホが近くになくても確認できる

まずは通知です。iPhoneと接続してFitbit Versa3を利用していたのですが、iPhoneに届く通知を腕時計で確認できることが、実はとてもスマートであると知りました。

iPhoneのFitbitアプリ上で、 腕時計にどんな通知を飛ばすかを設定できるようになっているのですが、筆者は特に重要なものだけに絞って通知を飛ばすようにしました。いわば、 iPhoneに届く通知の中の「一軍」のみをFitbit Versa3にも届くようにしたのです。

Fitbit Versa3への通知をオンにしたアプリの例は次の通りです。

  • Chatwork(誰から、どのルームにメッセージがきたか教えてくれる)
  • Amazon(配送状況を知らせてくれる)
  • TimeTree(毎朝8時半にその日の予定を教えてくれる)
  • LINE(メッセージの着信を確認できる)
  • Googleカレンダー(予定の開始前に通知がくる)
  • メール( iPhone標準のメールアプリに届くメールを読むことができる)

また、アプリ通知の他に共通システム通知として

  • 着信
  • テキストメッセージ
  • カレンダーのイベント

の通知もすべてオンにしました。

これによって、Chatworkからの仕事のメッセージにいち早く気付けたり、Amazonからの配送を把握できたり、毎朝8時半に通知されるTimeTreeによりその日の予定通知を腕元で把握できたりと、大切な情報をしっかりキャッチできるようになったのです。

特にテレワーク中は、必ずしもスマホをポケットに入れているわけではなく、どこかに置きっぱなしのことが多々あるため、腕につけているスマートウォッチから情報を取得できることは、ことのほか大きな意義を感じました。

歩数記録のおかげで、歩く意識がついていった

次は「歩数計」との出会いです。Fitbit Versa3を身につけているだけで、日々の歩数をFitbitアプリに記録し続けてくれます。

また、1時間のうちに250歩以上歩けていない場合には通知が届き、あと何歩で250歩を達成できるかを教えてくれます。テレワークで基本的に出勤がなく、自宅で座りっぱなしのPC作業をしている筆者にとって、この通知は「歩く意識」を芽生えさせてくれました。

全く歩けていなかったこれまでの生活を認識し、日中1時間置きに届く歩行催促通知により気分転換にと少しずつ外を歩くようになったのです。

気付けば1日に8,000から9,000歩、多いときでは1日の目標値である10,000歩に到達する日も出るようになり、徐々に歩行数が増えていくのが楽しくなっている自分がいました。

「歩く」では飽き足らず、人生初めての「ランニング」を始めだす

しかし、筆者の変化はこれだけでおさまりません。
Fitbit Versa3では、GPSが搭載されており心拍数も計測できることから、Fitbit Versa3の機能をもっと活かせるアクティビティがしたくなってきてしまい、ついに筆者は人生初めてのランニングに手を出しました。

テレワークで通勤なし、保育園の子どものお迎えも車で移動、そんな運動ゼロおじさんだった筆者が、週に4〜5日、河川敷へでかけては3キロのランニングと1キロのウォーキングで計4キロの運動をするようになったのです。まるで人が変わったようで、自分でもこの変化には驚きしかありませんでした。

Fitbit Versa3ではアクティビティの記録ができ、ランニングモードにすることで、現在の走った距離、心拍数、経過時間などを確認できます。特にランニングでいいなと思った点は、事前にコースを下調べしていなくても、「1.5キロまで到達して折り返せば3キロになるな」と、自分が走りたい距離を走りながらに調整できるという点です。

また、走っている距離がわかるということは、自分がその日のゴールとしている3キロまでの残りの距離も把握できるため、「あと何百メートルでゴールだ」と言い聞かせながら最後の力を出し切る、という点においても非常に明確な指標として役立ちました。

バッテリーの持ちが優秀。公式では6日間以上と記載、実感は?

使っていく上で重要なチェックポイントであるバッテリーの持ちについては、Fitbit Versa3は優秀です。公式サイトでは6日間以上のバッテリーライフ、と明記されている通りで、実際のところそれに近いくらいのレベルでバッテリーが持続してくれています。筆者もこれまでの利用で、週に1度ないし2度しか充電をしたことはありません。

また、充電が減ってきたらメールで逐一知らせてくれます。もし充電が毎日必要なデバイスだったら、こんなメールはむしろ邪魔くさいだけなのですが、6日間以上バッテリーが持つおかげで充電するという行為がさほど習慣化されないため、メールで教えてくれることがむしろありがたく感じます。

実際のところ筆者はこのメールをきっかけに充電するようにしており、今のところバッテリーが尽きて使えなくなったというシーンには遭遇せずに済んでいます。

睡眠スコアを気にするようになり、水分をこまめにとるようになった

就寝時にFitbit Versa3をつけて寝るだけで、日々の睡眠スコアもつけてくれることから、睡眠に対しても「ちゃんと十分に寝よう」という意識がついてきました。ときどきつけ忘れて寝てしまって、スコアが計測されない朝を迎えたときなんかは、「しまった、失敗した……」と感じるくらいです。

つける前までは自分は割と睡眠は十分とっているつもりだったのですが、記録しはじめると睡眠時間が6時間台や5時間台のときも結構あり、もうちょっと寝るようにと、あまり夜更かしをしないように心がけるようになりました。

また、水の摂取量はスマートウォッチデバイスから直接ログを記録できるのでこまめに水分をとるようになり、日に750から1リットルくらいは飲むようになりました。これでもまだまだ足りないのですが、いままで全く水を摂取することがなかった筆者にとってはとても大きな前進です。

腕時計が苦手だったが、身につけるのがむしろ楽しくなった

ということで、もとはアレクサ目当てで身につけ始めた Fitbit Versa3だったのですが、ふたを開けてみれば、意外や意外、運動やヘルスケアへの意識に大改革をもたらすダークホースなデバイスだったのです。

そもそもアクセサリーなど、腕に何かをつけるということが苦手だった筆者なのですが、つけているだけで健康面でのログを取り続けてくれるし、それでいてiPhoneからの通知を一軍に絞って受けることができるし、スマートウォッチというデバイスへの見方というものが一気に変わりました。今では、身につけていないと、少し不安になったり、ログがとれていないとちょっと損した気分になるほどです。

もとはレンタルを2週間としていたFitbit Versa3でしたが、このスマートウォッチがある生活に浸かってみると、簡単にサヨナラできない体となってしまい、レンタル期間を延長してあと最低でも3カ月は利用する契約に切り替えたほどです。

筆者の場合は、特にランニングを始めるという大きな変化は本当に自分でも意外なものでした。運動不足でランニングを始めたいけど足踏みしてしまっているという方には、もしかしたらこのFitbit Versa3などのスマートウォッチをつけてみることが一番の近道になるかもしれません。

購入ももちろん良いですし、今では「レンティオ」のような気軽に借りられるレンタルサービスもありますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

Fitbit Versa3

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うえやま

競馬カメラマンからWEB業界へ異色の転身後、WEB制作に加えて大手メールマガジンやツイッターキャラクターの中の人までこなす。三度の飯より件名を考えるのが好き。