完全無料で高機能!オンライン版のMicrosoft Word

Wordで作られた書類が多いため、多少割高でもOffice入りPCを買わざるを得ないと考えてる人もいるのでは? でも、OfficeOnlineならWordを無料で使えるんです。その使い勝手を紹介していきます。

以前であれば、テキスト主体の文書を作るにはMicrosoft Word、計算表やちょっとしたデータベースを作るならMicrosoft Excel、といったソフトを駆使したものですが、最近はGoogleが提供している無料のGoogle ドキュメントやGoogle スプレッドシートを使う、という人が増えてきました。

特に、企業がグループウェアとしてGmailやGoogle カレンダーを含むGoogle Appsを採用しているなら、なおのことMicrosoft Office製品を購入したり使ったりする機会は減っているでしょう。

とはいえ、国内の家電量販店で買う個人向けパソコンにプリインストールされていることや、伝統的な企業の多くがMicrosoft Officeを(サブスクリプションモデルのOffice 365も含め)使っていることなどから、WordやExcelを使わなければならない場面が生じるのも事実です。

パッケージ版またはサブスクリプションモデルのMicrosoft 365を購入することなくWord文書を作成したり、開いてコメントしたりするにはどうすれば良いでしょうか。

▲サブスクリプションモデルのMicrosoft365の料金は安いものではない

無料でOfficeOnlineを使ってみる

そんなときにぜひ利用してみてもらいたいのがweb版Word。無料で使える「Office Online」に含まれています。

これは、その名のとおり、Wordのオンラインバージョン。Microsoftアカウントさえあれば、誰でもWebブラウザ上で使うことができます。

Microsoftアカウントを作成する

Microsoftアカウントとは、Microsoftが提供するサービスを利用するためのアカウントです。Office Onlineのほか、Outlook.comでクラウドメールを利用できるようになりますし、クラウドストレージのOneDrive上に5GBの容量も割り当てられます。

まだ持っていない、というのであればこの機会に作成しましょう。

作り方は簡単です。
まず、Microsoftアカウントサイトにアクセスし、「Microsoftアカウントを作成」をクリックします。

手持ちのメールアドレスでアカウントを作るのであれば、「someone@example.com」とグレーアウトしているテキスト入力欄をクリックして、そのメールアドレスを入力してから「次へ」をクリックします。ここに入力するメールアドレスはフリーメールアドレスでも問題ありません。

次にMicrosoftアカウントで使いたいパスワードを設定します。手持ちのメールアドレスのパスワードではないので注意しましょう(もちろん、同じでも設定できますが、同じパスワードの使い回しはセキュリティ上、好ましくありません)。

入力したメールアドレス宛に、Microsoftからメールが届きます。そこに記載されている4桁のコードを入力し、最後に、ロボットではないことをパズルを解いて証明すれば作成完了です。なお、このステップの後に、スマホとの連携などセキュリティ向上のための方法が紹介されますが、キャンセルしても問題ありません。

Microsoftの無料メールアドレスも作りたいのであれば「新しいメールアドレスを取得」をクリックしましょう。

@より前の部分に任意のテキストを入力し、@より後ろは「outlook.jp」「outlook.com」「hotmail.com」から選び、「次へ」をクリックします。

あとは、パスワードを入力し、ロボットではないことを証明すれば、アカウントが完成します。

web版Wordを使う

Microsoftアカウントが完成すると、Microsoftアカウントのホーム画面が表示されます。ウィドウ内上部に表示されているメニューから「サービスとサブスクリプション」をクリックしましょう。

リンク先が開いたらそのまま下へとスクロールして「web版Office」をクリックします。

これで、web版WordやExcel、PowerPointやOneNoteなどを使えるようになります。左側に並んでいるアプリから、「Word」のアイコンをクリックしましょう。

すると、web版Wordのホーム(デスクトップ版Wordでいうところの「ファイル」タブを開いた状態)が表示されます。ここから新規文書を作成することも、ファイルを開くこともできます。ここでは、まだ使ったファイルや保存したファイルがないので、「新規作成」から「新しい空白の文書」をクリックして、新規ドキュメントを作成しましょう。

新規ドキュメントが開きました。あとは通常のデスクトップ版Wordのように、文字を入力したり装飾したりして、文書を作っていくだけです。とはいえ、デスクトップ版Wordと異なる点もあります。

デスクトップ版Wordとの違い

web版Wordのリボンはすっきりとしています。アイコンの一つひとつが小さく、デスクトップ版のように、ボタンの名前がテキストで表示されていないからです。また、よく見ると、タブの数も3つほど少なくなっています。

デスクトップ版にあって、web版Wordにないタブは「描画」「デザイン」「差し込み文書」です。

▼左がWeb版、右がデスクトップ版です。

もっと細かく見ていくと、図形、ワードアート、テキストボックス、SmartArt、挨拶文の挿入などの機能が使えないことがわかります。グラフの作成もできません。

それでも、テキストの装飾(フォント変更、太字、下線、イタリックの設定など)や表の挿入、ヘッダー/フッターの設定、目次作成、共同作業に必要なコメント機能など、普段遣いに必要充分な機能が搭載されているといえるでしょう。また、デスクトップ版にはない、絵文字の挿入もできるのがユニークです。

またweb版Wordでは、入力した文字の変換→確定が完了すると自動的にどんどん上書き保存されていきます。そのため、ファイルを閉じるときには「上書き保存」不要で、そのままタブまたはウィンドウを閉じればOKです。これも、ファイルの保存場所をOneDriveにしていないと自動保存されないデスクトップ版Wordと異なる点といえます(とはいえ、デスクトップ版使用中に不慮の事態で保存前にPCがシャットダウンしてしまっても、ある程度のところまでは自動的に保存されるようになっています)。

web版Wordは、複雑な文書を作ることはできませんが、かえってシンプルなメニューがわかりやすいですし、保存作業をひんぱんにする必要がないので、使い勝手が良いといえるでしょう。

Googleドキュメントより便利?

実を言うと、筆者は原稿執筆の際にGoogleドキュメントを多用しています。しかしweb版Wordのほうが便利だなぁと思うことがしばしばあります。

たとえば、上付き文字や下付き文字、取り消し線のコマンドがWordではホームタブにまとめられていて、「テキストの見た目変更は、全部ここからできる」という安心感がありますが、Googleドキュメントではツールバーに配置されているテキストの見た目変更コマンドボタンは一部のみ。

そこにないコマンドを使いたい場合は、メニューバーの「表示形式」から「テキスト」を選択して設定していかなければなりません。使い慣れれば「そういうものか」と感じますが、初めて使う人にとってはわかりづらいのではないでしょうか。

また、Wordでは「文字種の変換」により、文書内の英語を「すべて大文字にする」「すべて小文字にする」「文頭のみ大文字にする」「各単語の先頭のみ大文字にする」「大文字と小文字を入れ替える」ことができますが、Googleドキュメントでは「大文字にする」「小文字にする」「各単語の先頭のみ大文字にする」の3種類だけ。

英文では、文頭だけ大文字にしたいという場合が多いだけに残念です。

さらに、音声入力をする場合でも、web版Wordなら「改行」と発話すれば改行できますが、Googleドキュメントでは「新しい行」と発話する必要があります。これも少し分かりづらいでしょう。

web版Wordのほうが便利だと感じる最大の理由は、Googleドキュメントでは入力した文字数を表示するのに「ツール」→「文字カウント」をクリックしていく必要があるのに対し、web版Wordでは常にステータスバーに入力した文字数が表示されていること。ライターという仕事柄、そう思うのかもしれませんが。

まとめ

10インチ以下のタブレットやスマホでは、Wordを無料で使えますが、PCでもweb版Wordなら無料で使えます。

一時的に必要が生じたとき、またWordの使い勝手を知りたいとき、さらにさまざまな端末で同じ文書の編集を続けたいときなどに便利なものですので、ぜひとも活用してみてください。

 

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渡辺まりか

デジタルガジェットをこよなく愛するフリーライター。専門学校で約10年の講師経験あり。小型船舶操縦士免許2級、乗馬5級、普通自動二輪免許など趣味多し。