3月2日〜5日にスペイン・バルセロナで開催された「World Mobile Congress 2015」(以下、MWC)では、スマートフォンと連携するウエアラブルデバイスも多数出展されていた。その主役となっていたのは、腕時計型のスマートウォッチ。今春に発売される「Apple Watch」を意識してか、リアルなメタル素材を用いた本格派志向のモデルが増えてきた印象だ。会場で来場者の注目を集めていたモデルや、筆者が"新しさ"に惹かれたモデルなどを紹介していきたいと思う。

LGエレクトロニクス「LG Watch Urbane」「LG Watch Urbane LTE」

LGエレクロニクスは、MWCに先駆けて2月に発表していたスマートウォッチ「LG Watch Urbane」と「LG Watch Urbane LTE」を初公開した。

「LG Watch Urbane」は、発売中の「LG G Watch R」の派生モデルで、OSにAndroid Wearを採用。機能・仕様は「LG G Watch R」と共通しており、1.3型の円形ディスプレイを搭載し、アナログ腕時計さながらの文字盤を表示できる。フレームにステンレスを用いて、本革のベルトを採用するなど、より腕時計らしさを強調した仕上がりだ。

「LG Watch Urbane LTE」は、LTEに対応し、単体での通話・通信も可能なモデル。OSにはAndroid Wearではなく、WebOSをベースとする独自OSを採用している。スマートウォッチとしての標準的な機能に加え、NFCに対応していることも特徴。MWCでは、自動車メーカー・アウディとのコラボレーションにより、LG Watch Urbane LTEを車のキーとして使うデモンストレーションも行われた。韓国では、電子マネーの決済機能も導入される。なお、SIMカードは内部に装着されており、取り外せない仕様。スマホとは異なる電話番号を持つことになるが、キャリアのコントロールにより、スマホを所持していなくても、スマホの電話番号にかかってきた電話に応答できるという説明を受けた。

いずれも日本での発売は未定だが、「LG Watch Urbane」は「LG G Watch R」と同様にGoogle Playで販売される可能性はあるだろう。「LG Watch Urbane LTE」は、通信キャリアにとってメリットがある端末なので、発売が検討されるかもしれない。

ケース素材にステンレスを採用し、本物の腕時計らしさを強調した「LG Watch Urbane」。

背面には心拍数センサーを搭載。機能面は、他のAndroid Wear端末と同等。

LTEを搭載し、VoLTEでの通話にも対応した「LG Watch Urbane LTE」。

NFCを搭載しており、車のキーとして使うことも可能。

Watch同士、あるいはLTE対応のスマホとダイレクトに接続して、PTT(プッシュ・トゥ・トーク)のように通話できる機能も備えている。

ファーウェイ「Huawei Watch」「TalkBand B2」

スマートフォンで世界シェアを拡大中のファーウェイは、初めてのAndroid Wear搭載モデル「Huawei Watch」を発表した。286ppiという高解像度を誇るディスプレイをサファイヤガラスで保護し、フレームにはステンレスを用いるという本格派仕様。一般の来場者向けには展示されず、筆者はプレスルームでわずかな時間、触らせてもらっただけだが、見た目も質感もアナログ腕時計そのものだった。ゴールド、シルバー、ブラックの3色が用意され、文字盤は40種類のデザインから選んでカスタマイズできるという。背面に心拍数センサーを搭載するほか、加速度センサーや気圧計を備えている。発売時期は未定だが、日本での発売も予定している。

同時に発表しれたリストバンド型端末「TalkBand B2」は、日本での発売中の「TalkBand B1」の後継モデル。リストバンドからコアを取り外せて、、取り外した際は耳にかけてBluetoothヘッドセットとして使える仕様になっている。同社のパリのデザインチームがデザインを担当し、前モデルよりもシンプルでスタイリッシュなデザインで、ファッションに合わせやすい印象を受けた。連続待受時間は約12日で、標準的な使い方で5日間の連続使用を見込めるという。AndroidだけでなくiOSにも対応することもセールスポイントだ。日本発売は未定だ。

クラシカルなアナログ腕時計を模してデザインされた「Huawei Watch」。

背面には心拍数センサーを搭載。ベルトは交換できる。

電話の応答、各種通知のほか、ヘルスケア機能も備える「TalkBand B2」

コアを外すと、耳にかけられるBluetoothイヤーピースになり、モードも自動で切り替わる。

GUESS「GUESS CONNECT」

人気アパレルブランド「GUESS」もスマートフォンと連携する腕時計を出展していた。デザイン性に優れたスマートウォッチを製造するメーカー「Martin Watches」と共同開発した「GUESS CONNECT」は、アナログの文字盤に1行表示のモノクロディスプレイを搭載し、そこに電話の着信やメールの受信通知が表示される仕組み。バイブレーターでの通知にも対応している。iOSとAndroidのスマホと連携する。

アナログの腕時計の良さを生かしつつ、スマートウォッチとして最も重要な通知機能を組み込んだ"ハイブリット型"と呼んでもいいだろう。文字盤全体をディスプレイにするスマートウォッチに比べると機能は乏しいが、電話持ちは良く、約5日間の連続使用が可能だという。

現在のスマートウォッチ市場は、デジタル機器や健康機器のメーカーが主導している印象があるが、今回のMWCではファッション時計を手がけるメーカーも複数出展していた。今後、より多くのメーカーが参入してくることを予感させた。

ファッション時計にスマホの通知機能が追加されたという印象。

BIGLOBE「cocolis」

日本からはBIGLOBEが、Androidを搭載するウエアラブル端末「cocolis」を参考出展していた。3Gに対応しているため、音声通話やデータ通信ができ、GPSも搭載している。個人がスマホと連携して使う端末ではなく、用途に合わせた使い方ができる小型のモバイル端末と呼ぶべきデバイスだ。

MWCのブースでは、子供向けのウエアラブル端末として、親からのメッセージを受信したり、スタンプでコミュニケーションを楽しんだりできるソリューションを紹介していた。GPSを搭載しているため、子供の居場所確認など、見守りにも利用できる。リストバンドに装着して腕時計として身に着けたり、ホルダーを付けてカバンに取り付けることもできる。防水・防塵にも対応している。

B to Bをメインとする商用化を検討しており、医療や流通など、用途に応じたソリューションの提供も可能だという。発売時期は未定だが、BIGLOBEはここ数年、MVNO事業も注力しているため、格安SIMとのセット販売などの展開にも期待したい。

子供に安心して持たせられるウエアラブルとして、独自のアプリケーションを開発。

リストバンドは取り外し可能。

ホルダーに取り付けることもできる。

手書き文字やイラストを送信できるなど、親子で楽しんで使えるように工夫されている。

Pebble「Pebble」「Pebble Steel」

クラウドファンディング「Kickstarter」で資金を調達し、製造されているスマートウォッチ「PEBBLE」も出展していた。iOSとAndroidの両方に対応し、電子ペーパーを用いることで長時間使い続けられることで人気を高めているモデルだ。

2月に発表されたカラー表示の電子ペーパーを搭載する「Pebble Time」や、MWCの期間中にKickstarterでの予約を開始した「Pebble Time Steel」の試作機などは展示されてなかったが、モノクロ表示の従来モデル「Pebble」と「Pebble Steel」が展示されていた。小さいブースだったが、来場者は多く、人気の高さをうかがえた。

クラウドファウンディグで絶大な人気を集めるPebbleのスマートウォッチ。

Acer「Liquid Leap+」

昨秋に発売されたAcer初のウエアラブルデバイス「Liquid Leap」の後継機。AndroidだけでなくiOS、Windows Phoneとの連携することが最大の特徴。ワークアウトや睡眠の測定といったヘルスケア機能のほか、電話やメッセージの通知にも対応。コア部分は本体から取り外せる。防水にも対応し、標準的な使い方で1週間ほどバッテリーが持続するという。グローバルでは今春発売予定だが、日本での発売は未定。

約1インチのタッチディスプレイ部は取り外せるので、好きな色のバンドで着せ替え可能。

WirelessMe「Wi-Watch M5」「Wi-Watch S1」

台湾と中国深圳を拠点とする通信機器メーカー・WirelessMe(Wime/威米)が展示していたスマートウォッチ。AndroidスマートフォンとBluetoothで連携し、メール、Twitter、Facebookなどの通知のほか、着信した電話への応答や、音楽プレーヤーのリモート操作にも対応しているという。日本での発売は未定だが、同社は機能とデザイン性を両立させたコストパフォーマンスに優れた周辺機器を続々とリリースするメーカーだ。今後の動向にも注目したい。

必要十分な機能を備えつつ、49.7gの軽さに抑えた「Wi-Watch M5」。

GSMのSIMカードを装着できる「Wi-Watch S1」。

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村元正剛(むらもとまさかた)

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し続けているITライター。編集プロダクション「ゴーズ」を率い、雑誌、Webなどにさまざまな記事を寄稿している。趣味は演劇鑑賞と中国ウォッチング。

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